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交流会と、ダンスー15歳―


 リド歴794年 六の月 三日


 もうすぐ交流会があるわね。私もティモも互いだけ踊るわけにはいかないだろうけれど、ティモに優しくされた子が惚れてしまわないか心配になるわ。

 今までティモと関わりを持っていなかった人が、ティモと関わるとなるとその良さに気づいてしまうのは当たり前だと思うけれど私はいつだって余裕がないわね。


 ミリセント



 リド歴794年 六の月 五日


 ミリーは今日、あまりダンスが得意ではない男子生徒にダンスを教えていたね。

 ミリーが綺麗だからこそ、少し顔を赤くしていたのを見て私も少しだけモヤモヤしてしまったよ。私もミリー同様に全く余裕がないんだなってそう思ったよ。


 ティモ



 リド歴794年 六の月 八日


 今日は学園の休日だっていうのに、ずっと二人でべったりしてしまったわね。ただこうやって何もせずに過ごすのもありだなと思ったわ。

 ティモってば私と一緒に過ごすようにいつの間にか別邸も借りていてびっくりしたわ。でも確かに私達は両方寮暮らしだから、互いの部屋には入れないものね。

 鍵も渡してくれてありがとう。時々使わせてもらうことにするわ。寮室に入りきらないものは別邸においてもいいかもしれないわね。


 ミリセント



 リド歴794年 六の月 十一日


 こうやって共同で使える屋敷が一つあるだけで、何だか結婚式の前哨戦というか、もう結婚したようなそんな感覚になるね。

 ミリーの物が別邸に増えるのは私にとっては嬉しいことだから、どんどん増やしてほしいよ。

 そういえば、ドルゴラデーフが少し問題を起こしそうな感じがするからちゃんと見とく。もしミリーに助けてほしいなと思ったらすぐに言うね。


 ティモ



 リド歴794年 六の月 十三日


 明日ね、仲良くなった令嬢達と一緒にお買い物をすることになっているの。

 私がティモに用意してもらった別邸に荷物を置こうとしているといったらとても驚いていたわ。

 やっぱりこうやって王侯貴族の婚約関係で仲睦まじいのって珍しいみたいね。私とティモがこれだけ仲が良いのが不思議みたい。それでもまだ形だけの関係だって言っている人もいたけれどね。

 そういう肉食系令嬢はティモに近づいてくるかもしれないわ。綺麗な人も多いけれど、私だけを見て欲しいなと思うの。

 ドルゴラデーフ様はそうなのね……。何事も起こらないのがいいけれど、ヒロインが来る前からこうなのね。だからこそ振り回されることになっていたのかも。


 ミリセント



 リド歴794年 六の月 十六日


 ミリーとの時間をもっと作りたいなとそう思っていたけれど、やっぱり同性との付き合いも大事だよね。私はミリーの良さを広めるのは正直言って心配だから、控えめにしているよ。

 それでミリーに興味を持たれてもこまるからね。惚気る相手はちゃんと選んでいるんだ。とはいえ、私も別邸で二人で過ごしていると言ったら驚かれたけれどね。


 ティモ




 リド歴794年 六の月 十九日


 今日の交流会、ティモと一緒に過ごせて楽しかったわ。やっぱり二人っきりの時のあなたも素敵だけど、ああいう沢山の人がいる場でもティモは光り輝いているというか、凄いなと思ってならなかったの。

 他の男性と話したり、ダンスを踊ったりしたからこそ余計にそう思ったわ。

 ティモはダンスもとても上手よね。難しいステップも簡単に踊り切ってしまうから、かっこよかったわ!

 口でも言ったけれど、私にとって一番はティモだからね。

 ティモがダンスを踊った令嬢達が全員、あなたに惚れてしまっていたのではないかとそれだけが心配だわ。


 ミリセント




 リド歴794年 六の月 二十二日


 今日はずっとくっついちゃってごめんね? 

 後から冷静になってべたべたしすぎたなって反省したよ。でもミリーが可愛いから抱きしめたり、くっついたりしたくなっちゃうんだよね。

 私のミリーは本当に可愛い。


 ティモ


 

 リド歴794年 六の月 二十六日


 来月から夏季休暇ね。どうやって過ごすか悩むわ。

 ティモと一緒に王都へ行くか、それとも公爵領へと帰るか、このまま学園都市で過ごすか。

 どちらでも楽しそうなのよね。どちらにしてもティモと一緒がいいなとは思っているわ。

 少し我儘なことかもしれないけれど、私は出来れば学園の三年間はなるべくティモと一緒がいいなと思うの。長期休みの期間もね。もちろん、難しければ諦めるわ。

 でもなんだろう、こうやって毎日ティモと顔を合わせているともっと一緒に居たいとそんなことばかり思っているの。

 警備の関係もあるから早めに決めておくべきだとは思うのだけど、ティモはどう考えている?


 ミリセント




 リド歴794年 六の月 二十九日


 返事が遅れてごめんね。

 少しだけ夏季休暇どうするか考えていたんだ。夏季休暇中は王城でやらなければならないことはあるから、私は王都に向かおうかなと思っていたよ。ミリーも一緒に来てくれたら嬉しいな。

 それに合わせてアグエッドス公爵たちも王都に呼ぶようにするね。そしたらミリーが家族と過ごす時間を作れるから。



 ティモ



 


 

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