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ホワイトデーと学園都市へ向かうこと―15歳―



 リド歴794年 三の月 二日


 学園生活で上手く行かなくて、傷が出来たとしてもどうにでもするよ。

 よっぽどのことがない限りは、僕がすぐに名誉ぐらい回復させる。本当にどうしようもなくなったら、その時はその時で考えよう。

 僕にとって一番大事なのは、ミリーなんだから。

 来月からついに学園に入学かと思うと、凄く不思議だね。


 ティモ



 リド歴794年 三の月 五日


 本当にティモはそのあたり、割り切っているわね。

 私も一番大事なのは、ティモだわ。他の何かを手放すことになったとしても、私はティモのことだけは手放せないわ。

 本当にそうね。

 交換日記をはじめてから長い時間が経って、そして……ようやくその時期が来る。

 妙に緊張してしまうわ。


 ミリセント




 リド歴794年 三の月 八日


 僕はミリーを手放さないために力を尽くすよ。学園に入った時には僕にとって君がどれだけ大切だって分かるように示していくつもり。

 節度は守るけれどミリーが動きやすいようにはするよ。特に女性の世界は大変だって聞くからね。

 異性と同性の前では様子を変えてしまうような人もそれなりにいるらしいから本当に気を付けて。王太子である僕の前とそれ以外で違う人もいるだろうし、僕ももっと人を見る目を養わないと。

 緊張しているミリーも可愛いんだろうな。学園に入学前のデートでリラックスしてもらえると嬉しいな。


 ティモ



 リド歴794年 三の月 十一日


 私だってあなたを手放さないために頑張るわ。私ね、初対面の人には冷たいように見えるらしいの。やっぱり人前だと私個人としてというより、次期王太子妃としての態度をしているからティモに対して冷たすぎるって言う人もいるのよね。

 私達の関係は、私達にしか分からない話なのになってそう思うわ。

 私達は本当に人を見る目を養わないといけないわね。そういう人たちに足元をすくわれてしまうようなことは無くさないとね。

 私がどれだけ心配していても、ティモがそういう態度でいてくれるから安心出来るわ。デート楽しみにしてる。

 それと今月の後半にはもう学園都市に向かうわ。


 ミリセント




 リド歴794年 三の月 十四日


 ホワイトデーのお返しを送ったよ。ミリーに美味しいと言ってもらえるようなものを作ったからね。

 ホワイトデーのお返しも学園に行ったら直接渡せるんだよね。出来れば食べさせてあげたいな。それも可愛いだろうな。

 僕とミリーの関係を勝手にどうのこうのいう人って本当に煩わしいよね。僕はミリーを愛しているし、ミリーも僕を愛してくれているのに。僕は周りから見ると冷たく見えるらしい君が、僕の前ではころころと表情を変える様子を見るのが好きだよ。

 僕も今月中にはもう行こうかな。


 ティモ




 リド歴794年 三の月 十八日


 ティモの作ったものは相変わらず美味しいわね。こうしてティモの手作りを味わえるのも婚約者だからこその特権だと思うと嬉しくて仕方がないの。二人っきりの時なら食べさせてもらってもいいわ。

 そうね。私はティモのことを愛しているわ。それこそあなたが居なければ幸せなんて感じられないぐらいに。

 今月にはもうティモに会えると思うと嬉しいわ。


 ミリセント




 リド歴794年 三の月 二十二日


 二人っきりならいいよって許可してくれるのもミリーの可愛いところだよね。僕はミリーだからこそ、沢山甘やかしているんだよ。相手がミリーじゃなければ、僕は義務的な婚約者としての関わりしかしなかったかもしれない。そう思うと僕の婚約者がミリーで良かったと思う。

 僕も嬉しい。もう学園都市に向かっているよ。


 ティモ



 リド歴794年 三の月 二十四日


 だって好きな人には素直になるべきだって私は思っているもの。ティモとすれ違いたくもないしね。

 私もあなたが婚約者で本当に良かったわ。私も学園都市に向かっているわ。道中も行ったことがない場所だから、なんだか楽しい。


 ミリセント




 リド歴794年 三の月 二十六日


 もうすぐ学園都市に着くよ。ミリーはもうついているかな?

 ついたら寮に入る準備をさっさと終わらせて、沢山遊びたいね。

 僕も寄ったことない街などを見るのは楽しいなと思うよ。公務として色んな場所に赴いているつもりだけど、まだまだ行ったことない街も多いなって実感する。


 ティモ



 リド歴794年 三の月 二十八日


 もう私は学園都市に到着しているわ。

 ティモが来るのを今か今かと待っていて、侍女にも笑われてしまったわ。

 私って本当に分かりやすいぐらいにティモのことが大好きなんだなって少しだけ恥ずかしくなったわ。

 学園都市を早速見て回りたい気持ちになったけれど、私はティモと一緒がいいと思っているから待っているわ。

 それとね、学園の寮は素晴らしいわね。私があなたの婚約者で公爵令嬢だからだと思うけれど、とても広い部屋だわ。ティモを招待したいけれど流石に女子寮に来てもらうわけにはいかないわね。


 ミリセント



 リド歴794年 三の月 三十日


 ミリーに会えて嬉しい。

 入学式までもうしばらくあるから、それまで色々見て回ろうね。


 ティモ




 


 

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