表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
107/120

バレンタインと、学園のことを話す―15歳―



 リド歴794年 二の月 一日


 ミリーが僕のことを独占しようとしていることが嬉しくて仕方がないよ。ずっとそのまま死ぬまで、僕のことを束縛してくれていいよ。僕はミリーがそうやって独占欲を表しているのを見ると本当に嬉しいのだから。

 もちろん、何か行動を起こす時はミリーにも相談するよ。二人の将来のことだもんね。僕はミリーに隠し事をすることだけは絶対にしたくないからね。

 僕も父上たちと忙しい中でも会話を交わすようにしているよ。ミリーのことばかりを話しているって笑われたよ。

 僕にとってミリーはそれだけ特別なんだなって改めて思ったよ。


 ティモ



 リド歴794年 二の月 四日


 私のことも、寿命を迎えるその時までティモも私のことを独占してね。私はティモがずっと私を好きでいてくれたら嬉しいわ。長い人生の中で、気持ちがずっと続くのって奇跡だと思うけれど、私はそれが続くと嬉しい。

 私達の仲が上手く生き続けるように互いに努力はし続けたいと思うわ。

 私もね、いつもティモの話ばかりだわ。ティモとの学園生活がどれだけ私にとって楽しみなのかを沢山話しているの。お母様から学園での話を聞いたりもしているのだけど、本当に楽しみだわ。

 もちろん、お母様の通っていた頃とは違うだろうけれどそれでも……お勧めの場所など聞くと、とても嬉しくなるわ。


 ミリセント




 リド歴794年 二の月 七日


 そうだね。

 僕もミリーにずっと好きでいてもらえるように努力を続けたいと思うよ。ミリーが他の男を見るなんて僕は耐えられない。

 そうだよね。僕も色んな人に学園のことを聞いているけれど、本当に楽しみだね。乙女ゲームのことに関しては心配もあるけれど、ミリーと何処に行こうか、何を行こうか考えると楽しみの方が強いかな。

 ミリーは入学式のどのくらい前に学園都市に向かう? 一緒の日に行きたいな。

 

 ティモ




 リド歴794年 二の月 十日


 私もあなたが誰かに夢中になって、私を蔑ろにするようになったらとても悲しくなると思うわ。

 でもそれでも私は政略的な面でこのまま王妃になるだろうから、その後にティモがそうなったら……割り切るまで時間がかかりそうだわ。

 そうね、入学式よりも余裕を持って向かうつもりではあるわ。早めについて準備を終えたらデートしない? 入学前にティモとお出かけが出来れば不安なんてすぐに吹き飛びそうだわ。

 日付に関しては決まったら伝えるわ。お父様達にそのあたりも相談中よ。あとは学園にどれだけ荷物を持ち込むかも悩むのよね。卒業後はそのままティモの元へ嫁ぐ予定だから、すぐ使わないものは王城へと運ぼうかしら?


 ミリセント


 

 リド歴794年 二の月 十二日


 そうだね。僕も君の心が離れたらすぐには受け入れられないと思う。割り切ってもなかなか諦めなくて面倒な人間になり果ててしまうかも。

 デートいいね、僕もミリーと一緒におでかけしたいな。入学前も、入学後も、ミリーにとって特別な思い出を僕が作りたい。他の誰かがミリーにとって特別になるなんて僕は嫌かな。

 うん、教えてね。

 それはとても素晴らしいことだよ。王城にどんどんミリーの荷物を持ちこんでほしいかな。今はまだミリーにとっては帰る家という認識はないかもしれないけれどいずれ家になってくれればいいなと思うからね。

 

 ティモ


 リド歴794年 二の月 十四日


 今年もチョコレートを贈るわ。

 ティモに喜んでほしくて準備をしたの。学園に入学してからは、直接渡せるかと思うと楽しみだわ。

 ティモとデート出来ると思うと、本当に楽しみ。

 そうね、私は前世も含めて誰かに嫁いだことはないのだけど、嫁いだら、その先が帰る家になるのよね。これから王城に色々持ち込むわね。


 ミリセント



 リド歴794年 二の月 十五日


 今年もミリーからチョコレートをもらえて本当に嬉しい。

 ミリーからチョコレートをもらえるだけで毎年嬉しくて仕方ないんだ。

 直接ミリーから受け取れると思うと学園生活がより一層楽しみになるよ。

 ミリーが楽しめるデートを色々計画しておくね。それに王城ももっとミリーが過ごしやすいように整えておくよ。

 学園は色んな行事もあるから、それも楽しみかな。たった一度の学園生活だから、良い思い出にしたいね。


 ティモ



 リド歴794年 二の月 十八日


 出来れば他の人からのチョコレートは受け取らないでもらえると嬉しいわ。ティモが人気者であることは知っているけれど、そういう態度をしてもらえると私は安心出来るわ。

 私も行きたい場所を沢山、ピックアップしておくわ。

 学園の行事、乙女ゲームで描かれていなかったものも沢山あるものね。参加できるものになるべく参加したいわね。全員参加ではないものもあるけれど、私達が参加したら他の生徒達も参加してくれそうね。



 ミリセント



 リド歴794年 二の月 二十二日


 もちろん、ミリーがそれを望むなら受け取ったりなんてしないよ。例え受け取るにしても、他の人に食べてもらう形だと説明してからになるかなぁ。僕はミリーのチョコレートだけで満足だからね。

 そうだね。三年間で他の生徒達の学園生活も充実させられると嬉しいかな。卒業後は王国全体を盛り上げていかない僕達だから、学園規模のものも上手くやりたいね。……貴族ばかりの学園で上手く出来なかったらその後の評判にも関わるし。


 ティモ



 リド歴794年 二の月 二十七日


 ありがとう。

 ティモが私の望みを叶えてくれようとしてくれるのが嬉しいわ。そんなあなただから私は大好きなの。

 そうね。学園生活が上手く出来なかったら傷にはなるわ。それでも何か失敗をしても挽回できれば大丈夫よ。もちろん、なるべく頑張るけれど。


 ミリセント



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ティモの返信の満足だかrなえの打ち間違い?の所が照れてテンパったまま送信しちゃった感じがして面白かったです。 もしやりとりがメールみたいな作りだったらミリセントが結構やらかしてあわあわして違うのー!っ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ