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学園でおこっていること―14歳―



 リド歴793年 十一の月 三日


 ねぇ、ティモ。私達が来年通う予定の学園で、私とティモのことが噂になっているらしいと聞いたけれどどういうことなの?

 とてもお似合いの未来の国王陛下と王妃って、嬉しいけれど……!!



 ミリセント



 リド歴793年 十一の月 六日


 僕が学園生活を良いものにするためにって、色々進めているからね。入学前から学園に顔を出しているのは愛しの婚約者であるミリーのためだって大抵の人が知っているよ?

 だから学園内でミリーを貶めるような人は減らしているからね。

 少し驚くことなんだけれど、学園内で急にミリーの悪い噂が出回る兆しがあったらしいんだ。だからそれへの対処も含めてだよ。

 少なくとも僕が本当にミリーを愛しているって分かっている人達はこれでミリーを貶める発言は出来なくなるはずだから。


 ティモ



 リド歴793年 十一の月 九日


 ありがとう。

 ティモがそうやって私のために行動をしてくれていると実感するだけでも嬉しいわ。

 それにしてもこうしてティモが色んなことに手を回しているのを見ると、私はまだまだだとそんな気持ちでいっぱいになるわ。

 もしかしたら私はあなたが居なかったらとっくの昔に悪役令嬢として破滅していたのかもしれないって、そんな風に時折心配になるの。

 駄目ね、やっぱり学園に入学する時が近づいてきているから余計にこんな気持ちになっているのかもしれないわ。

 次に会った時に私のことを抱きしめて欲しいわ。ティモに抱きしめてもらえると私は凄く安心するの。



 ミリセント



 リド歴793年 十一の月 十一日


 ミリー、僕、ちょっと早いけどそっちに行くね?

 父上には許可をもらったから君に会いに行くよ。


 ティモ




 リド歴793年 十一の月 十三日


 私の誕生日の時が次に会う時だったのに……。私はとても嬉しいけれど、本当に大丈夫?

 王太子の立場でそんな風に動くのは怒られるんじゃないかしら。私は私のためにティモが怒られるのは嫌よ?


 ミリセント



 リド歴793年 十一の月 十六日


 大丈夫だよ。

 僕はミリーのためならいくらだって頑張れるんだ。周りに何の文句も言わせないようにちゃんと全て手続きはしているから。

 僕にとってミリーが誰よりも大切なんだ。大切な婚約者が不安がっているのに駆けつけられないなんて嫌だよ。それに文句を言われても、僕が婚約者のことを大切に思っているんだって示すための行動だって広めるから問題ないよ。


 ティモ




 リド歴793年 十一の月 十八日


 ティモが来てくれて嬉しかった。私のことを抱きしめてくれてありがとう。

 ユージョンが途中で邪魔しちゃってごめんね。


 ミリセント



 リド歴793年 十一の月 十八日


 僕が君を抱きしめたかっただけからお礼はいいよ。

 可愛いミリーと会えて、抱きしめることが出来て僕は嬉しかったよ。これでミリーの不安が少しでも解消されているといいけれど。

 僕はミリーの誕生日まで此処に滞在するから、思いっきり甘えてね?


 ティモ




 リド歴793年 十一の月 二十日


 ティモは私のことを甘やかしすぎだわ。

 でも嬉しかった。それと近づいてきた令嬢達に私の話を沢山したと聞いたわ。

 私とティモは仲の良さを見せつけているつもりだけど、まだそんな風に思っている子がいるのね。

 別行動をしていることも多いからかしら?


 ミリセント



 リド歴793年 十一の月 二十一日


 可愛いミリーを甘やかすのは当然だよ。ミリーは頑張り屋さんで、あんまり人に甘えないからね。

 キリッとした表情でミリーが僕の婚約者として勉強をしたり、人脈を広めようとしている様子を見るのも僕は好きだけど、頑張っているミリーだからこそ甘やかしたくなるんだ。

 公の場では、僕もミリーも取り繕っているからだろうね。それにしても皆に見せている姿と、二人っきりの時が違うってなんで想像しないんだろう? って想像力が欠如しているなと思うよ。


 ティモ




 リド歴793年 十一の月 二十三日


 今日は一緒にお茶会に参加出来て良かったわ。でも本当に連日、私のことを甘やかし過ぎよ?

 ティモだって凄く頑張っているのだから、私だってティモのことを甘やかしたいのに私ばかり甘やかされている気がするわ。久しぶりにあなたに膝枕してもらえて嬉しかったわ。

 見上げたあなたの顔が昔よりも大人びていて、凄くドキドキしたの。


 ミリセント




 リド歴793年 十一の月 二十五日


 ミリー、可愛すぎじゃない?

 毎日毎日、君が可愛すぎて本当にずっと離したくなくなるよ。早く結婚したい。


 ティモ




 リド歴793年 十一の月 二十七日


 ティモこそかっこよすぎよ。

 私だってあなたとずっと一緒に居たいわ。一日中、ティモと話していたいなんて思ってしまうの。

 あまりにもティモが私に甘すぎるから、婚前交渉するのではないかと疑われてしまったじゃない。……私は別に本当にそれが起こってもいいけれど。だって身体もあなたの物になれたらもうティモは私を娶るしかなくなるわ。


 ミリセント



 リド歴793年 十一の月 三十日


 本当に可愛い。

 ただ口でも説明した通り、そういうのは結婚してからね。僕はミリーのことを大切にしたいから。

 僕が手を出して、ミリーのことを周りの連中が変な風に噂するのは嫌だからね。

 

 ティモ




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― 新着の感想 ―
わ~い、半年ぶり〜 学園(本編?)時代ももうすぐですね。でも、殿下が矯正力に抗ってて、よきよき。
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