表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
102/120

帰り道と、学園のこと―14歳ー



 リド歴793年 十の月 一日


 私もティモとまたしばらく会えないのだなと落ち込んでいたら、来年になったら学園で毎日のように会えるのよってお母様に言われたの。

 そうよね。学園に入学したらティモと同級生になれるのよね。そして卒業したら結婚してずっと一緒に入れるもの。

 だけどそれでも寂しいって言ったら呆れられたわ。

 まだ帰宅中で、領地にも戻れてないのにと自分で呆れてしまうわ。


 ミリセント


 

 リド歴793年 十の月 四日


 僕も同じ気持ちだよ。

 ミリーと会えない時間が本当に寂しい気持ちだよ。

 学園に入学してミリーと同級生になって、そして卒業後は結婚して――そう考えると楽しみで仕方ないよ。

 僕は学園生活や結婚後でミリーと何をしたいかと計画を沢山纏めているんだ。きっとミリーが引いてしまうぐらいに僕はミリーの事ばかり考えているんだ。


 ティモ



 リド歴793年 十の月 八日


 領地へと戻ってきたわ。

 領地に帰ってくるたびに、帰ってきたなと嬉しい気持ちになるわ。

 学園に入学したら、此処に戻ってくるのもあまりなくなるんだなって思うと、それも寂しい。ティモともずっと一緒に居たいし、故郷の領地も大切で此処に居たいって、そんな風に思ってしまうなんて我儘だなと自分に思うわ。

 私がティモのことを引くことなんてありえないから、幾らでも先のことを話してめると嬉しいわ。私もね、ティモとこれから何をしたいか、沢山考えているの。

 学園に入学したらどんなふうに過ごしたいかとかも、沢山頭に浮かんでいるわ。



 ミリセント



 リド歴793年 十の月 十一日


 結婚した後もミリーがアグエッドス公爵領に時々は帰れるようにはちゃんとするよ。王妃という立場だから、そんなに数多くは無理かもしれないけれど、ミリーにとって公爵領が大切な故郷だって分かっているから。

 それだけミリーが公爵領を大切にしているというだけだから、全然我儘じゃないよ。

 じゃあ、僕が計画していることの一部も別紙で送るね? ミリーもどんどんやりたいことを言ってね。僕はミリーの望みならいくらでも叶えるから。

 それにしてもこうやって学園に入学の準備が進んでいると、本当にもうすぐなんだなってびっくりするよね。交換日記を始めた頃は学園入学なんてずっと先だと思っていたのにね。


 ティモ




 リド歴793年 十の月 十四日


 ありがとう。ティモ。でも王妃としてきちんとするつもりだから、時々で大丈夫よ。

 お母様たちもパーティーには参加するだろうから、会えないわけでもないもの。ティモは私に甘くて、私の願いをいつも叶えてくれようとするけれど、あまりそういう風な態度ばかりとっているとティモの評判が悪くなるかもだからそのあたりはちゃんとしないと。

 ティモの計画、凄いわね。なんというか細かいところまで沢山書いてあるのね。それにしてもティモの計画には全て私が関連していて、ティモの未来には私が居るんだなって実感してそれだけで嬉しくなったわ。

 そうね。前世の記憶を思い出した時は、私不安で仕方がなかったわ。色んな事を考えてしまって、学園に入学する時のことが心配だった。あの時はまだ先だって思っていたのに、もうすぐそこなのね……。

 ティモと一緒に過ごしていると楽しくて、あっという間に時間が過ぎ去ってしまうわ。


 ミリセント



 リド歴793年 十の月 十九日


 そういうのは言わせたい人に言わせておけばいいんだよ。夫が妻に優しくするのは良いことなんだから。なんだか学園を卒業したらミリーと結婚できると思うと本当に楽しみになってきたよ。

 それに噂とか評判なんて、どうにでも情報操作できるしね。僕はそのくらいちゃんと出来るから、何も心配しなくていいんだよ。

 僕の傍に、未来もミリーが居るのは当たり前のことだかね。寧ろミリーが居ない世界なんて僕は考えられない。

 学園に入学したら、なるべく一緒に居ようね? ミリーが友人などを作ってそちらを優先することもあるとは思うけれど、僕はなるべく出来るだけミリーのことを傍に置いておきたいなって思う。特に入学してすぐは僕がミリーをどれだけ愛しているか周りに示しておかないと。僕とミリーのことを政略結婚だって勘違いする馬鹿が出てくるかもしれないし。


 ティモ



 リド歴793年 十の月 二十三日


 私もティモと結婚する時のことを考えると楽しみだわ。私のティモは確かに情報操作などもそつなくこなせるものね。

 私もティモが居ない世界なんて想像が出来ないわ。なんというか、私はティモという存在に依存してしまっているのかもしれないわ。ティモがあまりにも優しくて、私にとって貴方の隣は心地よすぎるから。

 私も、ティモのことを周りに渡さないように牽制するわ。ティモはかっこいいから、私が居ても寄ってくる方がいるかもしれないもの。


 ミリセント



 リド歴793年 十の月 二十七日


 本当にミリーは可愛いね。僕もミリーに依存はしていると思うよ。

 だってミリー以上に可愛くて、大切な存在なんて僕には居ないから。

 僕はミリーが嫌がることはしたくないし、必要最低限しか異性と関わるつもりはないよ。それにもし交流を持つ異性が居るならちゃんとミリーに報告はするよ。だからミリーも誰と仲良くしているかとか、僕に教えてね?



 ティモ



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ