誕生日(ティモ・十五歳)―14歳ー
リド歴793年 九の月 二日
王都へ向かって馬車へと揺られているわ。
もうすぐティモに会えると思うと思わず表情に出てしまって、一緒に王都に向かっている家族達に笑われてしまったの。ユージョンにもね、いつも交換日記を交わしているのにこれだけ楽しみにどうして出来るの? って聞かれてしまったわ。
本当に客観的に見てみるとそうよね。私とティモはずっとやり取りをしていて、それでもこれだけ会いたいなとそう思ってしまうのよね。それだけ私がティモのことを好きだって証なのだって思ったわ。
ミリセント
リド歴793年 九の月 五日
ミリーがもうすぐ僕の元へ来てくれると思うと嬉しい。
公の場では完璧な公爵令嬢であるミリーが、僕のこととなると素を見せるのが僕は嬉しいなと思うよ。
僕だってこうやっていつも交換日記でやり取りをして、ミリーって存在をいつでも実感出来るのに、それでもいつでも触れたいし、声を聞きたいって思う。
ティモ
リド歴793年 九の月 九日
いきなり抱きしめられてびっくりしたわ。嬉しかったけれど、あんまり周りに人がいる時にはやらないようにね?
ミリセント
リド歴793年 九の月 九日
ミリーがあまりにも可愛いから、つい。
僕に抱きしめられて可愛い姿を見せているミリーを、周りに見せたくないからちゃんと問題ない時にだけやるよ。
ティモ
リド歴793年 九の月 十一日
本当にティモの学生服の姿が素敵だわ。なんだろう、私前世でも別に制服に関して特別な感情は抱いていなかったけれど、大好きなティモが着ているとなんだか本当にドキドキするわ。
乙女ゲームの時の画面越しに見たティモも素敵だったけれど、やっぱり生のティモは破壊力抜群だわ。
ミリセント
リド歴793年 九の月 十一日
学生服を着た僕を見て、ミリーってば様子がおかしかったもんね?
ミリーが僕に夢中になってくれることは僕にとっては嬉しいことだよ。僕もミリーの可愛い姿を見て、思わず見惚れたよ。こんなに可愛いミリーの姿が学園では常に他の生徒にも見せるなんて……正直僕はそのことだけが心配だよ。閉じ込めてしまいたくなるぐらいに可愛い。
ティモ
リド歴793年 九の月 十三日
今日は一日、時間を作ってくれてありがとう。
ティモはどれだけ忙しくても、私のために時間を作ってくれるわね。
明日はパーティーがあるから、頑張りましょう。
ミリセント
リド歴793年 九の月 十三日
僕にとってミリーと過ごす時間は大事だからね。
本当は誕生日の日に、ミリーと二人でのんびり過ごしたいけれど、中々そうもいかないのが残念だよ。
でも時々はまたそういう時間は作りたいから父上に相談しておくね。
ティモ
リド歴793年 九の月 十四日
お誕生日おめでとう、ティモ。
ミリセント
リド歴793年 九の月 十四日
ありがとう、ミリー。
僕はミリーにお祝いしてもらえるのが一番嬉しいよ。
ティモ
リド歴793年 九の月 十八日
今日は色んな相談に乗ってくれてありがとう。
ティモが話を聞いてくれるだけで、私はこんなにも落ち着けるんだなと実感したの。
ティモ、大好きよ。
ミリセント
リド歴793年 九の月 十八日
僕も学園に入学した後の事をミリーとゆっくり話せてよかったよ。
僕にとっても未知数な部分が大きいからね。もちろん、ミリーと楽しい学園生活を送れるようには準備は進めているけれど、備えるのは大事だからね。
僕もミリーのこと、大好きだよ。
ティモ
リド歴793年 九の月 二十一日
やっぱり忙しくてティモと過ごす時間が減ると、寂しいわ。
ミリセント
リド歴793年 九の月 二十二日
同じ王城内にいても、僕もミリーも色々やることあるもんね。
次期国王と、次期王妃という立場だから仕方がないだろうけれど、もっとミリーと過ごせる時間が増やせたらなって思うよ。
また帰る前に一緒に過ごせる時間とれるように調整するね。
ティモ
リド歴793年 九の月 二十五日
今日は私のために時間を作ってくれてありがとう。
王都に新しく出来た植物園、楽しかったわね。それにお忍びだから周りに人も少なかったし。
館長は私たちのことに気づいていたみたいだけど、騒がないタイプで良かったわ。
ミリセント
リド歴793年 九の月 二十五日
ミリーが帰る前に、二人の時間が作れてよかったよ。
僕の知らない植物についてもミリーは知っていたりして、本当にミリーは勉強熱心だよね。
ミリーと一緒だとどんな場所でも楽しいなって改めて思ったよ。
ティモ
リド歴793年 九の月 二十七日
帰りの馬車に乗って、領地へ帰っているわ。
今年もティモの誕生日をお祝い出来て良かった。ティモと一緒に過ごすと本当に時間があっという間に過ぎて行ってびっくりするわ。何だか寂しいと口にしたら、お母様たちに笑われてしまったの。
ミリセント
リド歴793年 九の月 二十九日
僕もミリーが帰ってしまったって落ち込んでいたら、周りに呆れられたよ。
次に会うのを楽しみにしているよ、ミリー
ティモ