初心
眠いっす。眠い中書いたので、ちょっと文字などがおかしいかもしれません。
……負けた。勝てると思った相手に負けた。
……そうだよ。なんで忘れていたんだ。私は昔から弱いままじゃないか。いくら技術を磨いたって、決して強くなるわけではないのに。
確かに技術は大事さ。
でもそれ以上に力とか、速さとかが、強くなるためには必要じゃないか。
私には力も速さもないのに、なにを勘違いしていたんだ?
……私は慢心していた。たかがハイオークごときを狩れたくらいで、いい気になってどうする?
ハイオークが狩れたからって、それより少し弱いだけの相手に、なめてかかっていいものではないはずだ。
私はいつでも格上を屠ってきたが、それは相手の弱点を突いたからであって、私自身が強くなったのではない。
忘れるなよ。このおっさんも、ハイオークも、少なくとも私よりも格上なんだ。なめてかかっていいものではない。
絶対に忘れるな。心に刻め。自分は弱者だって。上には上がいるって。今後失敗しないために。
「大丈夫か?」
突然聞こえた言葉にはっとして、やっと思考が現実に戻ってきた。
「……大丈夫です」
腹をさすって立ち上がる。
痛みが今更のように主張を始めた。
「すまんな。あのままだと俺が負けそうだったから、つい身体強化の魔法を使ってしまった。本当に申し訳ない」
おっさんはそう言うと、頭をガバリと下げた。
思考が現実に戻ってきても、やっぱり私の気持ちは晴れなくて。
……ああ、強くなりたいな。全てをはらいのけられるくらいに強くなりたい。
もう、後悔したくないんだ……。