学園へ
プロローグ以降の話を改訂します。
読みにくいな、と思ったので適度に改行などを入れるだけです。
ストーリーにはなんの影響もありませんし、そもそも一文字も変えません。
このまま読み進めても問題ありません。
どうして、こうなったのだろう?私はただ冒険者になりたかっただけなのに。
今、私の目の前には、隻眼でムキムキなおっさんが剣を構えて立っている。
……あ、門番さんじゃないよ。もっと強そうな人だ。
……話を戻そう。
そしておっさんと私を取り囲むように、私と同じくらいの子供が並んでいる。
……もういいか。わかったよ。私は周りから見たら子供みたいに見えるんだね……。
私から見ても周りの子供とあまり変わらないように見えるからいいよ。十三歳ってことにしてやるよ。身分証みたいに……。
……本当は十七なのに。
ガックリと肩を落としたが、あまり深く考えないようにして、私も剣を持ち上げた。
しかし、剣とは言ってもおっさんも私も本物の剣を持っているわけではない。
おっさんは木製の、いわゆる両手剣を持っているし、私もこれまた同じく木製の、刃渡りが肘から指先ほどまでしかないナイフと、その倍ほどしかない片手剣を持っている。
……どうしてこうなったのだろう?
私は軽く思い出してみた。
◆
「冒険者になれない、だって?」
私は受付嬢に言った。
「はい。十六歳未満の方は一度学園に入ってからでないと登録できないようになっています」
ラナさんは先ほどと同じく優しい目をしていた。
「本当は春からの入学になりますが、今から編入もできますよ。もちろんなにもしないで、とはいきません。それ相応の実力が必要です」
私はふざけるな、と言おうとしたところで、ふと思いとどまった。
……学園に入ればいろいろなことを教えてもらえて、強くなれるかも知れない。
一度、どうしたものか、とあごに手を当てて悩んだ振りをしたが、もうほとんど心は決まっていた。
「わかりました。では編入をします。手続きをお願いします」
◆
そして今に至り、編入するためにはそれ相応の実力が必要、と言っていた通りに、今からこのおっさんと模擬戦をすることになった。
「もうそろそろ始めるぞ」
と、いろいろ思い出しているうちに、もう始まる時間になっていたようだ。
「ミリア、別に教官に勝たなくてもいい。あくまで実力を見るだけだ。負けたからと言って、即編入できない、といったことにはならないからな」
審判役の細身の男が、私に優しく教えてくれた。
そうか。勝たなくてもいいのか。
……いや、やるからには勝つけど。いつかのハイオークよりは強くはあるまい。
「それでは、両者構えて」
私は持ち上げた二本の剣をブラリと下にさげ、身体中の力を抜いた。






