ギルド
突然ですが、明日からは毎日ではなく、二日に一回のペースでこちらの作品を投稿します。
そのかわりに一話ごとの文字数を少し増やす予定です。
……予定は未て(ry
朝食を食べた後、私は冒険者ギルドの前に来ていた。
ギルドは周囲の建物に比べて、とても立派な造りをしている。それだけ儲かっているということだろうか?
周りを見回して、ごくりと唾を飲み込むと、緊張で震える手を抑えてドアを開けた。
すると、そこには朝から飲んでいる男たちがいた。
「ヒュー、えらいべっぴんさんが来たぜ」
「ばーか。まだ小さいだろ?学園に通っているような歳の子に手を出すなよ?」
……くっ!こいつらまで私を小さい呼ばわりかよ?私は十七だって何度言えば……!
一瞬そこで目を閉じ、深呼吸をして腕の力を抜いて、歩き出した。
目の前には受付の人がいる。とても綺麗な人だった。それに私よりもかなり背が高かった。
……あれ?そういえば宿屋の女将さんも背が高かったし、周りの女性も私よりも背が高い。
私と同じくらいの背の人はみんな子供っぽかったし……。
いや!そんなことはない!たまたま周りの人の背が高かっただけ!そしてたまたま背が高かった子供がいただけ!そのはず!そうであってくれ!
ひとりで落ち込んだり、拳を握ったりしていた私に、受付の人は少し引きながら、それでも仕事だからしかたねーな、というふうに話しかけてきた。
「今日はどのようなご用件でしょうか?」
「冒険者になりにきた」
彼女が申し訳なさそうにして、口を開こうとした時、さっきの男たちが野次を飛ばしてきた。
「冒険者だぁ?なりたいならもっと大きくなってから来るんだなぁ!」
……くっ!あの男!一度ならず二度までも!
私は他の人がなにかを言う前に、周りに聞こえる声で言った。
「私はこれでも十七です!」
一瞬の沈黙の後、男たちは大爆笑した。
目の前の彼女はやけに優しい目で私を見ていた。
……いやだから本当に十七なんだけど?そんなに私が子供に見えるのか……。
私は心に軽い傷を負って、うなだれた。
というかまだ主人公の名前すら出していなかった件について。