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不老の剣士は呪いを解きたい  作者: こまこま ろにの
冒険者の街エピー
4/18

諸事情により、主人公の年齢を十七にしました。

前話の内容は改訂済みです。

私は今詰所にいる。

そしてひとりでポツンと座っている。


おっさんが五分待ってろと言ってから早十分ほど。今だに動きは見られない。

……と思ったら扉がガチャリと音をたてた。


「す、すいません。少し手間取ってしまって遅れてしまいました……」


おっさんとは違う若い男が、おずおずと入室してきて、私の前にテーブルを挟んで座った。


「いえいえ、お気になさらず」


彼はそれでも申し訳なさそうにしていたが、このままだと何も進まないと思ったのだろう。やっと口を開いてくれた。


「それでは身分証を作ります。料金は大銀貨一枚です。それと街に入るために銀貨一枚が必要なので、累計で大銀貨一枚、銀貨一枚を支払っていただきます」


彼は受け皿のようなものを差し出してきたが、私は目をそらすしかない。


ぎんかいちまい。だいぎんかいちまい。

……もってない……。

……あれ?私街に入れない?

嫌な汗が頬を伝う。


彼は動かない私を見て、まさかという顔をした。


「……もってない、ですか?なにも……?」

「は、はい……。売れそうなものならあるのですが……」


私は先ほど狩った狼の毛皮を差し出した。

すると、彼は少し申し訳なさそうにして、言った。


「申し訳ありません。毛皮なら買い取れますが、それではたぶん足りません。魔石が少しでもあれば足りると思いますが……」


私はそれを聞いて安堵した。


「良かった。魔石ならたくさんありますよ」


私はオークの魔石を袋から取り出した。


それからはさほど時間はかからなかった。

面倒なことは、紙に何かを書き込んだりするくらいで終わった。

そしてついに――


「……ここがエピーか」


私は街に入ることができた。空にはすっかり星が浮かんでいた。


……そうそう、身分証には十三歳って書かれてました。十七って言ったのに……。解せぬ。

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