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不老の剣士は呪いを解きたい  作者: こまこま ろにの
冒険者の街エピー
2/18

山下り

右手に剣を持ち、くすんだ緑の外套を身に纏い、山を下りていく。


時々、周りからぐるぐるという獣の唸る声が聞こえてくるが、関係ないとばかりに歩き続ける。


しかし、そこから少ししたところで、そいつらは現れた。狼だ。

どうやら私を逃がしてはくれないらしい。


ちらりと後ろを確認する。

合計で六匹の狼が私を包囲し、飛び掛かる機会を窺っている。


「……雑魚が……」


左手を剣の柄に当てた瞬間、そいつらは飛び掛かってきた。


前方の一匹が飛び掛かるのに合わせ、私は右手の剣を突き出し、振り向きざまに左で居合い。

そのままクルリと回転斬りを放ち、牽制する。

――今ので二匹。

やはり、あまり強くはなかった。


そのあとは、石を投げ、蹴りを食らわせ、首を切り裂く。

そして、三匹、四匹、五匹と命を刈り取り、とうとう最後の一匹に突きを放った。


……いま思えば、ずいぶん強くなったものだ。

昔はただの熊にさえ手こずっていたのに。今では弱い魔物の群なら簡単に屠れるようになった。


「……もっとも、身体能力は全く上がらなかったけどね」


自嘲気味に頬を吊り上げ、狼から魔石と毛皮を剥ぎ取る。

毛皮はきっとエピーで買い取ってくれるだろう。


思わぬ臨時収入にほくほくしながら、空を見上げた。

日はもうすぐ真上に昇るだろう。


「……少し急ごう。日が暮れる前に街に着くといいけど……」


私は少し急いで山を下った。

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