決意
しばらく放置して申し訳ありません。活動報告にも書きましたが、最近リアルが忙しかったためです。
最近は少しだけ余裕ができたので、そろそろ投稿を再開していきたいと思います。
九月いっぱいまでは投稿が安定してできない場合がありますが、えたることはしないようにするので、気長に待ってやってください。
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生き残っている奴がいるとは、珍しい。
奴は確かにそう言った。
つまりそれは、奴はあの事件に少なからず関わっているということ。
……街が丸々ひとつ灰燼と化し、私の家族や友人が一瞬で消えた、あの事件に。
――憎い。憎い憎い憎い憎い憎い!
憎悪が心の底から溢れ出て、堪えるために歯をギシリと鳴らした。
「……ふぅ」
顔を押さえて、深呼吸をする。
今はそんなことで怒っている場合ではない。
怒るよりも先に考えることがある。
今、考えるべきことはこの呪いがどこからきたのか、ということ。
……といっても、ほとんど答えは出ている。
「最後に受けた、あの攻撃しかないよな?……いやでも、あれは確かに身代わりの宝玉が発動したから攻撃系の魔術で間違いないはずなんだけど……」
そう、問題はそこだ。
身代わりの宝玉とは、その名の通り、死に瀕したとき、一度だけ身代わりになってくれるという奇跡のアイテムだ。
それが発動したということは、なにかしらの理由で、私は一度、死ぬほどの攻撃を受けたことになる。
私はまっぷたつに割れたピンクの宝玉を取り出した。
それをしげしげと眺めてみても、やはり輝きは失われている。
発動したことはやはり間違いない。
……これ以上考えても、答えはでない気がした。
「……まあ、いいか。これ以上考えても意味がないしね。重要なのは、そう。この呪いをかけた相手は家族の、友達の、みんなの仇ということ」
そうだ。
あの男が呪いをかけた相手だとしても、はたまた最初に感じた、あのゾワリとしたなにかが原因だとしても。
「関係ない。だって、いずれ全部切り捨ててやるから」
私は、父さんと母さんの形見である片手剣とナイフを撫でて呟いた。
今はまだ、同じ人間に負けるくらい弱い。
それに、これから身体能力が上がることもない。
でも、まだまだ技術は磨けるから。
いずれ、殺す。みんなの仇を。
幸い、それを学ぶ機会は与えられた。
――学園。
そこで技術を全て覚える。
堅苦しい競技用の剣でも、泥くさい生き残るための無様な剣も、はたまた無手で相手を殴り殺す武術でもなんでもいい。
吸収できるものは全て吸収してやる。
私は、決意を新たに拳をぎゅっと握った。
アイテムNo.1
身代わりの宝玉
主人公のいる世界では、大体の人が持っているアイテム。
効果は一度だけ死から所持者を守るというもの。
非常に高価なものだが、死亡率の高いこの世界では、どこの国でも子供に無料で配っている。
高価なものを無料で配っていては国が傾いてしまいそうだが、結果的に言えば小さいうちに多数の子供が死んでしまうより、将来働いてもらったほうが国が儲かるため、大体の国は子供のためという建前のもと、無料で配布している。
これを作るには、魂の欠片を切り取り、特殊な魔石に封じ込めるという工程が必要だ。
この製法のため、このアイテムは他人のは使えないし、小さい頃にひとつしか作れない。
当然、二つ目を作ろうとした人はいるが、魂の欠片を切り取った時点で死んでしまうため、本末転倒な結果になってしまった。




