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不老の剣士は呪いを解きたい  作者: こまこま ろにの
冒険者の街エピー
14/18

目覚め

なにかにゆらゆら揺られている気がした。

体が跳ねるごとに体中に鈍い痛みがはしる。


「……うぁ……」


身じろぎをしようとしたら、今度は激痛が襲ってきて、呻き声みたいなものが出た。


そのまま痛みに悶えていると、なにかが耳元で囁いた気がした。

そして、それと同時に頭になにか温かいものが置かれた。

それが気持ちよくて、意識は再び闇に閉ざされていった。


……柔らかい。ふわふわする……。それにすっごく温かい。

まるで、あの日の宿屋のベッドのような……


「……はっ!」


まるで、ではなく、本当に、だった。

私は思わず飛び起きた。


「――痛!」


のはいいが、その瞬間にとんでもない程の痛みが襲ってきた。


……しかし、そんなことはきっと些細なことだろう。


「なんで、生きているんだ……?」


そう、問題はそれだ。

昨日私は魔石を飲んだはず。

ただの毒を飲んだくらいでは、あれほどの痛みが襲ってくるはずがないから、確かに魔石は飲んだはずなんだ。

あの、劇毒の魔石を。


ナイフで頸動脈を切られたら死なない者はいないのと同じように、魔石を飲んだら人は必ず死ぬはずなんだ。

それなのに、なぜ?


……。

…………。

…………わからない。

なぜ死ななかったのかは、全く見当がつかない。


しかし、ひとつだけ確かなことはある。


「生きてる……」


私は体を抱きしめた。

温かかった。

柔らかかった。

それになにより、全身がとても痛かった。

痛いことが、生きていることのなによりの証拠だった。


知らないうちにとても大きな安堵感が押し寄せてきて、気付けば涙が流れていた。


ここはどこだろう?


落ち着いて涙を拭ったあと、そう思って立ち上がろうとしたら、激痛のせいでフラりと体が傾いて。

体がまたもやベッドに沈んだ。

そして、今更のように喉の渇きと空腹感が襲ってきた。


私はそのあと何度かもがいたが、そのたびに激痛に襲われたので、仕方がなく周りを見回すことにした。


壁や天井は、石でできていてとても頑丈そうだ。

壁に嵌まった小さい窓からは、柔らかい日差しが差し込んでいる。

私の寝ているベッドからは、お日様の匂いがしていて、また眠ってしまいそうな魔力が……


「……はっ!」


一瞬意識が途切れた気がした。

危ない危ない。もう少しで寝てしまうところだった。


ここは知らない場所だし、寝るのは危険だ。意識をしっかり保て。

……まあ、今まで寝てたし言うほど危険じゃないかもしれないが。


と、ここまで考えたところで木造の扉がガチャリと開いた。


「……!お目覚めですか?」


そこには、赤い髪の綺麗な女性がいた。

急所だけを金属で補強した革鎧をきている。


「はい」

「良かった。もう三日も寝込んでいたから、凄く心配したんですよ」

「三日も……」


そこで私はふと気付いてしまった。


……三日後だって?

学園に編入するための準備、全くしてないじゃん。明日ギルドに行かなきゃいけないの?まだ体の痛みはとれそうもないのに?

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