呪い
入学が決まった。
あと五日ほどで準備ができるそうだ。
思ったほど面倒なことはなく、意外とすんなり決まっていた。
……こんなあっさりでいいのか学園?
……いや、私は構わないけどね?
面倒なことは早く終わるに限るし。
と、いうことで、午後が丸々余ってしまった。
そこで、街にきたもうひとつの目的である、能力が上がらない謎を解きに行きたいと思う。
◇
はい、やってまいりました、神殿!
なぜ、神殿にやって来たかというと、それはステータスを鑑定してもらうためだ。
この体質は普通じゃない。
なにか呪いがかけられていると思ったほうが自然だ。
そう思った理由は簡単。
なにせ走っても、腕立て伏せをしても、体力や筋力が向上していない。
そしてなにより、身長などが全く伸びないからだ。
だからこれは私が小さいわけではない。ないったらない。
呪いが悪さをしているのだ。
……まあ、鑑定してもらえば謎が解ける。
私は、簡単に解呪できる軽い呪いがかかっていて背が伸びていないだけでありますように、と願いながら、神殿の扉を開いた。
◇
「……は、ははは……。なんだよ……なんだよこの呪い……」
私はいま、神殿で鑑定を受けている。
■■■
ミリア:十三歳 (十七歳)
不老の王の呪い 等級:不明 解呪:不可
効果:かけられた時点で歳をとらなくなる。それに伴い、成長しなくなる。
七十日に一度、魔力が消失し、三百日に一度、魔力が暴走する。
魔力の暴走時に抵抗に失敗すると、身体を不老王に乗っ取られる。
乗っ取られた場合、取り返すのは不可能。
暴走した時の抵抗のしやすさは魔力量に比例する。
魔力が多ければ多いほど抵抗しにくくなり、少なければ少ないほど抵抗しやすくなる。
解呪方法:呪いをかけた相手を殺すこと。
■■■
見たこともない呪いだった。
この鑑定結果を見て、一番よくないものは、神殿での解呪ができないことだ。
解呪ができないということは、それ相応に等級が高く、等級が高いということはそれだけ致死率が高くなるということ。
「どうすればいいんだろう……?」
幸い、私には魔力がない。
だから魔力が消失したって、結局いつもと変わらないし、そもそも暴走する魔力がない。
……あれ?そう考えるとあまりデメリットがないかもしれない。
だってそうじゃないか。
歳をとらないんだぜ?
人類が求めて止まない不老だぜ?
それが棚ぼたでもらえるなんて、幸運なことじゃないか。
いや、まあ文句はありますとも。
なんでもうちょっと大きくなってからにしてくれなかったんだ、とか、成長しないのはちょっと、とか。
でも、それでも不老は大きい。
私はこの呪いの活用方法を考えながら、神殿を出た。
「解呪:不可」
これは神殿で解呪ができるかどうかをあらわしたものです。
その下の「解呪方法:呪いをかけた相手を殺す」の解呪方法とは、神殿で無理矢理解くのではなく、正式なやりかたで解く方法をあらわしています。




