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81.旅に出た偽の親子

気軽に感想いただければ作者のモチベに繋がります!

よろしくお願いいたします

私生活の方が立て込んでおり、更新がまちまちになりそうです…ご理解いただけると幸いです!!

何とも言えない感情を抱えた俺は、馬鹿馬鹿しい話だが…2人に夢?での出来事を正直に話す事とした。

そして案の定質問攻めに合った俺は、2人の質問に次々と回答してく。



――――――――――――



「せ、正解…」

「す、すごい…本当にあの人の記憶を?」

「あぁ…考えたくもないが…」


残念ながら全て事実だ。

まさかこんな形で無くした感情が蘇ってくる等と、誰が想像していただろうか?


『素直に喜べない現象ですね』


全くだ。

寧ろ厄介な物事が1つ増えた位で、それを差し引いてもこっちに特が無い。


「とまぁ、こうなっては仕方ない。 おまえら2人をこちら側に歓迎しよう。 そうとなればさっそく行動あるのみだ。 この家を出るぞ…」

「は~い」

「わ、解りました」


この2人。 話が早くて助かる反面、こんな性格だから周りと仲良しごっこが出来ないんだろうな…と納得できてしまう自分が居た。



そして―――








「いいのか、薫?  家はこのままで?」

「はい! 別にそこまで重要じゃないですし…それに大事なのは食料の方なんで! それに家具なんて持って行っても…って所が正直」

「あ、あぁ…それもそうか」


だが、問題はそこではない。

俺の隣には露出の多い恰好をした、沙織…さんの姿がある事だった。


「あ、あの~? どうして私とは目を合わせてくれないんでしょうか?」


チラチラと視界に青色のソレが映り込んでくる。

が、俺はすかさず目を背けた。


「よ、よし!! 出発だ! まずは後方で待機している仲間と合流だ!」

「むぅ~! お母さんだけズルい!」

「な、何が!? 私なにか、リュウジさんに粗相を!?」

「し~らない!」

「か、薫!? 薫!?」




だ、駄目だ。 なんでよりにもよって青色のビキニアーマーなんだ!?

意味がわからん! 歳を考えてくれ! 歳を!!


『心拍数上昇―――艦長。 やはりあの女は危険人物です。 転送装置でさっさと送還させましょう』

「出来れば苦労してねぇよ」


一応通信端末を与えては見たが、この2人の場合は少々特殊な問題が発生した。

それは遺伝子問題上――他人なのだが、端末を通して薫を認識すると…俺と同様の人物と判定される――それはつまり、ユニット自体の使用権限はないものの。

俺の携帯武装であれば、アンロック無しで普通に使用が可能と言う点だろう。


ただ、この世界に転移して…能力を授かったとは言え普通の人間だ。

勿論の事、転送装置の使用は難しいだろう。

それよりも問題は―――



「くそっ! 一足遅かったか! おい! サオリさんの反応は!?」


近くから声が聞こえる。

ディスプレイ上に表示された反応は”6人”それと周囲5kmに渡って数々の反応が出ていた。


「あ、ありません! 先程までは確かにあの建物から反応があったのですが…」

「っち、一体何者が彼女を連れだしたのだ!? いいから探せ!」

「は、はい!!」


なんというか、こうも絶妙なタイミングでこの様な事態が起こる事すら奇跡だと思う。

まさかこの大陸の人間も彼女を見つけ出していたとは。

一足俺の到着が遅ければ普通に捕まっていたに違いない。

が、俺と薫が出会った時点―――いいや、あいつの口振りからして、こういう流れだったのだろう。


「も~お母さん!」

「ご、ごめんなさい…まさか薫じゃなくて、私を追っているなんて。 思いもしなかったから…」

「解ってないなぁ~! その美貌とその豊満な身体付き! まさかに男の標的なんだよ? それに、お母さんは強いし…そりゃ冒険者達も放ってはおかないよ!」

「そ、そうなの?」

「そうなの!」


草むらに隠れた2人がヒソヒソと話をしていた。

はぁ…こいつらのお陰で色んな意味でリラックスできる。 

緊張感が一切ないと言うか、肩の力が抜ける様だ。

流石は並行世界の俺―――と言うべきだろうか。


「全く。 緊張感の欠片も無い奴だな?」

「あははは…だって。 リュウジさんが守ってくれるんでしょ~?」

「そうよ~きっとリュウジさんがしっかり守ってくれるわ!」


いや、なんだその自信は?

まだ俺の力の説明も碌にしていないのに…よくもまぁそこまで自信満々に―――


『全く。 守られる前提で話を進めているのが、気にくわないですね? 艦長! やっぱりこいつら2人は置いていきましょう!』

「あ、いや…まぁ」

『なんですか、その煮え切らない反応は? 何時もみたいにハキハキと! 発言をお願いします――』


加えて今日のアルジュナは何時もより当たりが強い気がする。

俺、何かしたんだろうか? 


「まぁいい。 アルジュナ、索敵は怠るなよ? 今回は何時もみたいに暴れられない状況なんだ。 静かに頼むぜ?」

『――――仕方ありません。 不服ですが、任務は全う致しましょう』

「よ、よろしく」


やっぱり変だ。

あからさまに不機嫌な気がする。


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