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8.戦闘使用人サラ

気軽に感想いただければ作者のモチベに繋がります!

よろしくお願いいたします!


ややこしい表現ですが。

『』←が艦長とサラにしか聞こえない音声で。

『())←が外に聞こえる音声という事でよろしくお願いいたします。

サラを使用人として雇う事2週間。

みすぼらしい恰好から一変。 特製の戦闘用メイド服に着替えた彼女はある意味、見違えるほどの成長を遂げていた。


『ふむ。 素晴らしいスキルですね? まさか息を殺す事で、気配を完全に断ち切れるとは―――これは興味深い。 それが貴女の保有するスキルなのですね?』

「ん~スキルって言うのとはちょっと違うんですけど。 生まれ持った物で、ユニークスキルって奴ですね!」

『ユニークスキル?』

「うちも詳しくは知らんのですけど。 昔~おじいちゃんがそんな事を言うとった気がします」

『成程。 またスキルとは別の存在と――』


と言いながら、サラは匠に”初心者用レーザーソード”を振り回していた。

恐らくシミュレーションを実行しながら駄弁っているんだろう。

が―――


「2週間でここまでなるか普通!?」


いくら何でも俺の戦闘服を改良して作成したメイド服を着ているとはいえ、戦闘能力が上がる事は無い。

寧ろ、防御面が硬くなる位のもの。


「それに加え、この順応スピード…普通じゃない」

『やはりサラをこちら側に招いて正解でした。 持ち前のユニークスキルもそうですが、こちらに対する不信感等を一切感じさせない人間性。 それに――様々な場所を転々としていたと聞いています。 余程過酷な環境で生きて来たのでしょう――この順応性は艦長以上のもの…かもしれません』


いや、絶対にそうだと思うぞ?

話しに聞く限りでも中々にハードな話ばかりだし? 今まで生きてきていたのが不思議な位だ。

数時間後―――


『では、休憩としましょうか?』

「はーい! にしてもアルジュナ様。 本当に良かったんですか? ここまでしてもろて? この眼帯に…背中の鞄にこんな武器まで」

『えぇ。 問題ありません。 戦闘服に関しては改良を施したのですが、その恐ろしく巨大な胸のせいでマント用の素材も使い果たしてしまいましたし』

「あ、あははは…すいません」

『構いませんよ? 結果的に機動性を重視したデザインに変更が出来ましたからね? 肌の露出が多いですが、その分あまっていたナノマシンを使用する事で。 防御面に置いても完璧です』


で、眼帯は通信用のサポートデバイスを使用と。

アルジュナがここまで手を焼くとは、余程サラの事が気に入ったご様子。 


「気になってたんだが、サラ? 背中の鞄…それが何か説明を受けたか?」

「へ? いえ。 受けてませんけど?」


だろうと思った。

背中に背負った赤いランドセルの様な物を指差した俺はそう告げた。


「だろうな。 アルジュナは何時も土壇場の時に説明しやがるからな…サラ? ”展開”って叫んでみろ?」

「へ? は、はい。 て、展開!!」

『(承認。 装着用起動スイッチを展開)』


カチャ。

音声と共に背中のランドセルから現れたグリップ付きの2本のレバー。


「ふぁ! な、な、な、なんですかこれは! ご主人様!」

「あ~説明するより。 試した方が早いだろう? そのグリップを握って思いっきり前に引っ張れ」

「は、はい! えっと握って~これを前に!!」


ガチャン!!

『(装着シークエンスへ移行。 フレームユニット・レッドクイーン。 装着準備開始)』

「へ? へ? へ!? なんですかこれぇぇぇ! なんか色々纏わりついて来るんですけどぉぉ! ご主人様ぁぁぁ!?」


カチャカチャカチャ…カチャ。


『(装着用、ナノスキンの展開を確認)』


背中のランドセルから現れたのは無数の深紅のパーツ。

ランドセルから飛び出た何本ものサブアームがパーツを保持したまま、各々の場所で待機していた。

腕・足・腰・頭と…様々な場所で―――


「あ、あの~もしかしてこれって?」


俺の方を振り向いたサラが心配そうな表情でこちらを見た。

とりあえず俺は大丈夫――と言わんばかりの笑顔で親指を立てておいた。


「やっぱりぃぃぃぃぃ! これってあれですよね!? あのガチャンでなる奴! アーサーさんがしてたガチャンってなる奴!!」


ご明察。 流石は我が艦の乗組員と褒め称えようではないか。

心の中で。

本来であれば自動的に装備されるフレームユニット。

しかし、今回は記念すべき初回の起動だ。

さて―――


「さぁ、勇気を出して叫べ! 装着と!!」

「あの~ご主人様? なんで勇気がいるんですかね!? 教えてください! なんで勇気がいるんですか!」

「何故だろうな? さぁ、ゆけい!」

「えぇい! こうなればヤケやぁぁぁ! 装・着!!」

『(了解。 レッドクイーン装着致します。 尚、初回の起動の際に伴う調整不足、及び――激痛にご注意下さい』


そう、初回起動は自分の身体に順応していないので、調整が済むまでクソ程痛い。


「げ、激痛―――ぐぇ!! 痛い痛い痛い! あかん! あかん! これはあかん! 痛い、痛い、痛い!!! 痛いぃぃぃ!!」


ガチャン! ガチャン! ガチャン! 

カチャカチャカチャ!

ガチャン! ガチャン! ガチャン!


キュィン、キュィン、キュィン。

何度もフレームユニットの調整をしているんだろう。 その度にサラが悶え苦しんでいた。

 

「ぐぇぇぇ! 死ぬぅぅぅぅ! そこはぁぁぁ! あぁ// うぐっ!! あがっ!!」


俺もこんな感じだったのかと思うと何だから恥ずかしく思えて来た。

が、頑張れよサラ…もう30分位の辛抱だ。

なんせ、その調整が済めば殆どのフレームは纏えるぞ!


『まぁ、艦長とは違いハーフフレームの代物だけですが』

「あぁ。 俺はフルフレームの方がいいんだよ」


フレームユニットにも種類があり、サラが今纏っているものがハーフフレーム。

性能に違いこそ無いが大きく見た目が異なっている、ハーフフレームは肌の露出面が多く限られた場所にだけアーマーを纏い。

フルフレームは身体全体を覆う鎧の様に纏う事が可能なアーマー。


まぁ、顔が見えたらダサいという理由で俺は倉庫行きを余儀なくしたわけだが、まさかここで使い道が現れるとは…じゃ。

全部のハーフフレームはサラにくれてやるとしよう。



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