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76.成程。 そっちか

気軽に感想いただければ作者のモチベに繋がります!

よろしくお願いいたします。

カチッ。


『ナックルシフト―――出力安定。 何時でもいけます』

「了解。 高トルク…パンチ!!」


ズガン!!

鋭い俺の拳が巨大なオークの腹部を捉える。

しかし、流石の図体と肉の厚みだ…ただ勢い任せでは駄目らしい。


「ウゴ!!」

「成程。 物理に多少の耐性があるのか…じゃあ、これならどうだ? リアクター出力最大。 アレを使うぞ」

『了解。 腕部リアクター出力解放―――オーバーヒートまでのカウント開始…5…』


アルジュナのカウントが始まると同時に、アーマーの腕部が展開。

この攻撃はノーマルだからこそ使用可能な近接攻撃だ。

しかしまぁ…色々とデメリットも多いが、破壊力はそれなりに高い。


「1発が駄目なら100発叩き込めってな? いくぞ…メテオ…ナックル!!! オラオラオラオラオラオラ!!」


ダダダダダダダ!!!!

拳が目にも止まらぬスピードでオークの腹部を捉える。

目の前のカウントを確認すると、秒間でおよそ120発程。

だが、流石の魔物様…普通なら肉片になってもおかしくない攻撃を耐え――


グシャ!!!


『3…おっと。 艦長? どうやらここまでする必要はなかったようですね? 2―――1―――既にクリア。 冷却システム作動―――強制解除』


既にクリアってなんだ…既にクリアって…。

まぁ。

肉片になったオークを見て、俺はため息を零した。

確かに、ここまでする必要はなかったかもしれないな?

反省しよう。


ピピッ!


『今更かもしれませんが、サラからの情報によりますと。 どうやらこの肉片、名をオークキングと言う様です』

「へぇ~…本当に今更だけどな?」


ご丁寧にもサラの豆知識付きで詳細が送られて来た。

何々? 言葉を発する事が出来? 肉体は強靭な物。

それは物理攻撃を半減する力があるらしい―――か。


「俺のアレって物理攻撃って解釈でいいのか?」

『……そればかりは何とも…』

「だよな」


とまぁ、そんな与太話は置いて。

目を見開いた状態でその場に静止している少年に声を掛けるとしよう。


「アルジュナ。 音声を外部に出力してくれ」

『了解。 後は任せましたよ、艦長?』

「さて…どうしようか」






――――――――――――――――――――



少年の名は”春風はるかぜ かおる

年齢12歳で、発言通り…異世界からやって来た人間らしい。


「へぇ~…お、お兄さんも異世界からやって来たんですね! 僕、ずっと1人で寂しかったんですよね//」

「お、おう。 そうか」

『………』


何故か赤面しながら俺の腕に絡みついて来た彼。

先程から妙にボディータッチが多い様な気がするが? 気のせいなんだろうか?

いや、年頃の少年からすると色々心細かったのかもしれない。

だから単純に甘えているだけなんだろう。


と、俺は思う。






「そ、それでですね? 僕と一緒にやって来た男の子達が僕の事をいやらしい目で見るんですよ!? どう思いますか!? お兄さん! やっぱりこんな格好だから…僕はいじめられているんですかね?」


涙目で小刻みに震えながら、俺の腕にしがみ付く少年。


「い、いや…いじめらているというか? おま―――」

「薫です」

「か、薫の話によればだ。 その~パーティーに入らなかったから…薫は追い出させる形で街を追放されたんだろう? 後はそうだな…この大陸の王女? の裏を暴こうとしたとか?」


何も初対面でそんな事を…と思ったが、薫さんは色々とご丁寧に説明してくれた。

まるでワザと俺に聞かせた様にも思える。

いや、こいつ…絶対ワザとだろ?


「そうなんですよ! この国の王女様は怪しいですね。 絶対に何か隠してますよ。 だって色々と辻褄が合わないんですよ? 僕はこう見えて、色んな所をフラフラとしてきました。 そうですね~例えばここから北へ向かった大陸とかですね? そこはもう別世界だったんですよ?」

「別世界?」

「はい。 ちらっと見ただけなんですけど。 それはもう大きな要塞みたいな都市がありましたよ?」

「要塞?」

「はい! おっきな要塞です! この大陸とは天と地の差程ある、それはもう大きな街でしたよ? けど、守りが凄くて僕は引き返して来ましたけど」

「まじか…」


それは興味深い情報だ。

北の大陸…巨大な要塞都市か。

まぁ、こいつが引き返して来たという事はそれなりに強固な守りで堅められているんだろう。

俺には縁の無さそうな話だな。 



しかし―――


「うへへ~///」

(おい、アルジュナ? やっぱりこいつ様子が変だぞ? 俺の顔を見た瞬間から態度が違う!)

『? 何も不思議ではありませんよ? 彼の心拍数が、かなり上昇しているのを確認致しました。 こういう状況で、この様な事は言いたくはありませんが。 艦長。 貴方はめでたく、彼の性的対象として認知されました。 おめでとうございます。 では、ごゆるりと―――』


プツン!!

あ、一方的に通信を切ったぞ…

え? ちょっとまて? じゃあ何か? さっきからボディータッチが多いのは…


成程。 そっちか…


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