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72.自由の街へ

気軽に感想いただければ作者のモチベに繋がります!

よろしくお願いいたします。

あの草原を超え100km近く進んだ所に街を発見した。

といっても、俺達はよそ者だ。

すんなり通して―――


「もらえたな」

「ですね~」


検問らしき所をすんなり通ることが出来た。

一応身形に気を使ってホログラフ機能で冒険者っぽい装備に偽装したんだが…


「これの意味よ」

「まぁまぁ! いいじゃないですか! 似合ってますよ~めっちゃ!」

「そうか?」

「はい!」


満面の笑みでサラはそう答えた。

しかし、サラの服装にも気を付けるべきじゃ…なかったんだろうか?

如何せん、メイド服姿はこの街でもかなり目立つようだ。


主に男性人の目を引いている様な気がする。


「やっぱりコレが原因か…」

「へ?///」


サラのある部位を凝視した俺は原因のブツに向かって文句を言い始めた。


「どうにかならんのか? このKカップのそれは!」

「あの~ご主人様? これはもうどうしようもないんですが?」


嫌でも目立つというか。

メイド服姿の上に、これだけの爆乳であればそれはもう男の標的間違いなしだろう。

どうしたものか…サラはサラでメイド服を余程気に入った様で、メイド服じゃないサラを俺はあれ以来見たことが無い。


「やっぱり1人で来るべきだったか? いや…それはそれで面倒だしな…まぁいいか。 色々諦めた。 ほら、行くぞ…」

「は~い!」


上機嫌なサラを連れ、俺は冒険者ギルドを目指したのであった。






――――――――――――――――



「それで、あの~? 冒険者登録をしたい…という訳ですか? そ、そちらのメイド服の方と?」


受付嬢らしき人物が俺達を不思議そうに見つめた。

無理もない、俺達は今現在丸腰―――武器と言う武器を所持していない。

というか、街の住人達を見た感じ…武器は所持しておいた方がよさそうだな。


「おっと悪い。 おい、武器を頼む。 この街では携帯しておいた方がいいようだ」

「え? はい! ご主人様!」


俺の合図と共にゴソゴソッと懐を漁り始めたサラは――


「え~っと。 あったあった! はい! 武器ですよ! ご主人様!」


ゴンッ!!!


「「「「「「え??」」」」」」


その場に居た全員が驚きの表情でこちらを見た。

ん? 何か変か?

俺はサラに渡された2双の鎌を手に取り―――背中へマウントさせた。

まぁ、これは簡単な方法だ。 背中に磁気を発生させ、ただくっ付けているだけ。


「え、えっと…2双の鎌をお、お使いに?」

「ん? あ、あぁ…」


なんだろう、反応が思ったより微妙だ。

俺はこう「わぁ凄い! 2双の鎌をお使いになるなんて!」的なリアクションを心待ちにしていたのに!


『ほらやっぱり。 …艦長の悪い癖です。 浪漫武器を2双持ちなんて…馬鹿な事はしませんよ』

「や、やっぱり鎌は1本でよかったんじゃないですか? 私みたいに!」


こっそり耳打ちしてきたサラを尻目に、拗ね気味の俺は――


「こ、これで登録をお願いしますぅ!! これで!!」

「あ、はい!! 少々お待ちください!!!」





―――――――――――――――――


そして無事冒険者登録を済ませた俺達は…見事偽名で登録する事に成功した。

宿屋の一室にて…


「成程~通貨は共通なのか。 世界の仕組みがまるで違うのにな? まぁ、これは嬉しい誤算だ。しかし…俺がニュクスで? サラ、お前がタナトス?」

「み、みたいですね?」

『ドヤ…』


しってやったりと言わんばかりの発言をするアルジュナ。

アルジュナよ。 後であいつら2人に何か言われても俺は知らんからな?

最早ここまで来れば俺も驚きはしない。


なんせこっちの世界の――魔法なるものにまで技術介入出来てしまうとは驚きだ。

名前は愚か能力値等の偽装は流石としか言いようがない。


「しっかし、これでやっとスタートラインに立てた訳か。 まぁ、こっそりと家具師なる人物を見つけて、こんな街とはおさらばだ」

「え~…観光しないですかぁ~?」


観光ねぇ…。

どうにもそんな気にはなれない。

なんというか、この街の住人は酷く臭う…あまり関わるのは得策ではない気がするんだ。


『艦長の勘、という奴ですか?』

「あぁ。 あまり深入りはしない方がよさそうだ。 特にサラ…お前は妙な事に首を突っ込むなよ? 観光は許してやるが…アルジュナ?」

『はい。 お任せください』

「って事は!?」

「観光は許す!」

「いえーい!! ありがとうございます! ご主人様ぁぁ! いえーい!!」


無邪気に飛び跳ねるサラを見て俺も少し気分が高揚する。

な、なんというか…悪いものでもないな…


『胸ですか?』

「……………」

「え? ご主人様?」


俺はそれから暫く無言を貫いた。



翌日の事だ。

サラは朝早くから、ギルドの依頼を熟す為に街の外へ出て行った。

まぁ軽く観光がてら、外のモンスターの生態を知りたい様だ。

流石はモンスターオタクのサラ。 お陰で俺はこうやって朝から街をブラブラして呑気に過ごせる。


しかし、妙だな。

噂の家具師とやらが何処に行っても見つかる気配が無い。

おまけに朝から誰かしらに付けられているし…俺もサラと同行すればよかったな。

こっちはハズレだ。


『艦長。 街の全体スキャンを完了いたしました。 後方からストーキングする人物を調べます』

「あぁ。 まかせた」

『スキャン開始―――』


ストーキングって…。

暫くすると目の前には、後方から俺の後を付ける人物の詳細情報が映し出された。

年齢は20代後半。 筋肉質の強面の男、種族は人間で? 近接戦に特化した人物。

魔法耐性はそれほど、健康状態は…普通。


「あれだけでこんなに情報を引き出せるか。 流石はアルジュナだ」

『ドヤァ』


やっぱり今のは無しで。


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