7.行き倒れ発見
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早朝。
連絡を受けた俺は日の出前に森の奥く深くへと向かっている。
何でも行き倒れの人物らしい反応があるとの事で向かった次第だ。
それにしても…余程危険な状態で森を彷徨ったのだろう。
レーダ―に引っ掛からない程の反応だったという事は本当の死にかけ。
何時もの事であれば、あの大蛇さんが死体を処理してくれるんだが、今回は生きていると来た…ここは様子見を含めて向かうしかないだろう。
”ビーストモード”のアーサーへ跨った俺はものすごいスピードで森を駆ける。
数分後。
『ヒヒーン!!』
「ここか?」
『はい、丁度真横になります』
「真横?」
視線を真横へ向けると―――
「あ、居た」
みすぼらしい恰好をした人物を発見。
どうやらうつ伏せで倒れたまま動きそうにない。
「おい? 生きてるか? おーい!」
肩を叩いみたが反応はない。
「まさか、もう死んで…」
「いぎでまず」
とシリアス展開に持っていこうとしたが普通に生きていた。
ん? まて? というかこいつ女か?
『ふむ。 健康状況を確認致しましたが、なんら問題はありませんね。 至って健康な状態です』
「は? でもさっきは…」
『恐らく、アリス同様―――スキルと呼ばれるものではないでしょうか? 気配を消すと言った…巧妙な』
成程。どうりで反応しない訳か。
生憎円卓組の連中も他は出払っていて、アーサーしか居なかったからな…俺が来たんだが。
「無駄足か…とりあえず―――」
持ってきたレーションと水を与えた俺は彼女に事情を聞く事とした。
「はむはむはむはむ!! はむはむはむはむ!!」
それにしてもよく食う奴だ。
余程腹が減っていたのか、持ってきたレーション5箱をペロッと平らげてしまった。
「うま! なにこれ!? うまぁ!! あ!?// ど、どうも初めまして。 私は奴隷のサラちゅーもんです。 この度は命を救って―――」
途中。
彼女は俺の顔を見て固まった。
ん? どうした? 何か後ろに居るのか?
振り返るが、特に何も無い――ん?
「きゃぁぁぁぁ// 超タイプの顔やぁぁ! どないしよ! どないしよ! うちのタイプど真ん中やで! きゃぁぁぁぁ// 恥ずかしい! みんといてくれます? そ、その…こんな格好///」
急に乙女と化した関西弁で糸目の彼女。
よく見ればとんでもない大きさの豊満な果実を2つ備えているではないか。
「と、言われてもな? 胸が―――」
「いやぁぁぁ// おっぱいが見える! おっぱいがポロリするぅぅ!」
なんだろう。
関わったら危険な臭いがしてならないのは気のせいだろうか?
ここはアーサーに任せて俺は―――と思った瞬間。
『ヒヒーン!!』
いち早く危険を感知したアーサーは逃亡を図った。
おい! 主を置いていくとは何事だ!? えぇ!? 待てぇぇぇ!!
『逃げましたね。 アーサーは後で叱っておきます』
(あぁ。 頼む)
仕方なく、俺は彼女事”サラ”の話を聞く事とした。
1時間後―――
「成程。奴隷商人の手から逃げて来たと?」
「そうなんです! いやぁ~奴隷商人はうちに色目ばっかりつかって? 父ちゃん母ちゃんはうちを売るわでもう散々ですよ~あはは!」
いや、貴女? 中々に人生ハードモードですけど凄い精神力ですね!?
「お、お前…親に売られたんだろ? よく笑って話せるな?」
「まぁまぁ! 昔から父ちゃん母ちゃんは借金こさえて帰って来てましたし! 慣れっこなんですよ! いつか私を売るやろうな~って! あははは!」
「お前なぁ…まぁいい。 サラ…何処かの街まで送ってやるから、行先は?」
「え? 特にありませんけど?」
なんて事を平気な顔で言ってきたサラ。
「いやいやいや! 当てがあってこの森に入ったんだろ?」
「へ? 森? 森って―――」
恐る恐る周りを見渡したサラの表情はみるみる青ざめていく。
「こ、ここって死の森ですかぁぁぁ~!?」
「何を今更――ふごっ!!」
豊満な胸を俺の顔に押し付けて来たサラの全身は震えていた。
「恐ろしい! 恐ろしい! 嫌やぁぁ~! 死にたくないぃぃ! エッチしたいぃぃぃ! 処女のままは嫌やぁぁぁぁ!!」
お前なぁ!? 何処かの俺と同じ発言をするんじゃねぇよ!
というか、平気で処女とか言うな!
「放せおい! はぁ、はぁ、はぁ…死ぬかと思った。 で、サラ? 金も無く?」
「コク」
「当てもない?」
「コクコク!」
「ましてや冒険者でもない?」
「コクコクコク!」
「よし、それならこのまま此処に置き―――「それだけはぁぁぁ! それだけは止めてくださぁぁい!」
食い気味の反応で腰に抱き付かれた。
引き剥がそうと試みるも、彼女の執念が凄まじく引き剥がせそうにない。
「ぐぬぬぬぬ。 ご主人様ぁぁぁ。 ご主人様ぁぁぁ! どうか、どうか置き去りはご勘弁下さぁぁぁい!」
な、なんだこいつの執念は―――
そうこうしているとアルジュナがこう告げた。
『では。 本当に艦長の奴隷にしては如何でしょう? ん~奴隷と言うとあまりいい気はしませんね。 使用人というのはどうでしょう?』
(使用人って…金なんかねぇぞ?)
『そうですね。 朝・昼・晩。及び安全の保障と住まいの提供。 これで彼女も納得してくれるかもしれませんよ?』
(しかしなぁ。 使用人がいる程の広さでもないだろ?)
『格納庫―――』
(成程。 それはありだ)
『それに彼女であれば問題ないかと? お喋りですが口は堅そうなので』
(へ、へぇ~。 まぁアルジュナがそういうのであれば)
少し考えた後――
「なら、俺の家に使用人として来るか?」
「!? し、し、使用人!?」
「と言っても金はねぇぞ? せいぜい3食くわせて、寝るところを提供できる位だ」
「よ、よろしくお願い致します!」
即答だった。
俺の手をギュッと握った彼女は満面の笑みで
「ささ! ご主人! 行きましょう!」
やる気に満ちあふれた表情をしていた。
いや、そんなに仕事ないんだけどね?