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69.ZEROの訓練

気軽に感想いただければ作者のモチベに繋がります!

よろしくお願いいたします。

「では、これから強化訓練を行う」


身体測定を終えた彼女らZEROを地下に存在する、ある施設へ呼び出した俺は全員を整列させそう告げた。


「きょ、強化訓練ですか?」


それなりの経験を積んだ彼女らであれば、この世界の人物を相手にして後れを取る事はないだろう。

しかし――これから先の事を考えれば尚の事、自分の身は自分で守ってもらう他ない。


「なに。 お前達の力に不満がある訳じゃない。 魔法が使える人間は俺達にとって貴重な存在だ。 しかし、これから先は何が起こるか解らん。 それに、俺達の一員となった以上。 勝手に死ぬ事は俺が許さん。 いいか、訓練とは言っているが―――」


ブブー!


「「「「「!?!?」」」」」


ガシャン!!


話しの途中、突然目の前のハッチが開いたかと思えば。

傷だらけの女性がこちらへ死体の様に転がって来た。


『2500回目の死亡―――誠におめでとうございます。 ソフィー』

「ま、まだまだぁぁ…ガクッ」

「死んだか」

「「「「「えぇ!?」」」」」

『―――冗談ですよ。 まぁ2500回死んだのは本当の話ですが』


気絶した彼女を尻目に俺は話を続けた。


「とまぁ、現在。 この様に訓練を行っている訳だが。 安心しろ、死にはしない。 なによりお前達は1つの部隊だ。 個を活かすのではなく、連携を優先して戦え。 まぁ…個を優先した成れの果てがこれだ」


真下を指差した俺は彼女達に告げる。

その姿を見て思わず息を呑んだスーニャ達。


「「「「「ゴクッ…」」」」」

『とまぁ、緊張感が出てきたところで訓練と行きましょうか。 通信機能チェック―――部隊名ZERO―――これより、特殊訓練”混沌”を開始致します』

「あ、あのマスター!」


流石のスーニャも我慢ならなかったのか、食い気味で反応を見せた。

まぁ、そうだよな…解る、解るぞ。 お前達の言いたい事は。


「何も言うな。 皆…俺が一番良く理解している」

「「「「「は、はい…」」」」」

「しかし、身構えておけよ? 恐らくこの訓練はお前達が想像している1億倍はヤバイ」

「「「「「え…」」」」」


特殊訓練”混沌”とは俺が実際に経験した戦場がベースとなったシミュレーションシステムだ。

しかし、よりリアルな戦場を追求する為…身体にダメージを受ける仕様へと変更した。


「ここで注意事項だ。 これは訓練だが、こいつの様に実際に身体へダメージを受ける。 そしてこの先は本当の戦場だ。 どれだけ泣こうが叫ぼうが助けはこない。 だが、この経験を経てお前達は更に強くなる事だろう。 いいか? 個を強調する戦いをするんじゃない、お前達はひとつの部隊だ。 全員が全員の事を意識して戦え。 そして誰も死なせるな。 それがこの訓練の最終目標でもある。 大丈夫だ。 お前達になら出来る! さぁ、行け!」

「「「「「イエッサー!! マイロード!」」」」」

「では行くぞ! 我らZERO…任務を開始する!」

「「「「「ラジャー!!」」」」」


ダダダダダダ!!


『ハッチ解放―――訓練開始致します』


彼女らを見送った俺は前方にある、巨大な液晶ディスプレイを眺めた。

そこには先程突入したZEROと人狼の部隊”ゴースト”がそれぞれの戦場を駆けていた。


「というかアルジュナ? やっぱり敵のランダム配置は少しやり過ぎじゃないか?」

『いいえ。 やり過ぎではありません。 これ位のイレギュラーは対応して頂かなければ。 それにあの者達は命ある存在。 ――――次など存在しないのです。 だからこそ、ここで経験を積み…そして来るべき時の為に備えるのです』

「そ、そうか」


やはり妙な気分だ。

最近感じた物じゃない、俺達がこの世界に来た時から違和感があった。

それはアルジュナの発言だ。

何時ものアルジュナなのは間違いない―――しかし、時折別の何者か…それは解らないが、まるで別の人物と話している様な気分になる時がある。


「まぁ、追及はしてやらねぇがな」


特別害がある様にも思えないので、俺は放置する事にしている。

来るべき時ねぇ…

正直来てほしくは無いな。


「俺は…普通の生活を送りたいんだけどな…とは言え。 自分から首を突っ込んだ様なもんだし…もうあきらめた方が早いか?」





――――――――――――――――――――――――



暫くしてから。

地上へ出た俺は自分の家を眺めてため息を付いた。


「やっぱ…増築しねぇとな…」


小さめのログハウスを前に俺はそう呟いた。

新たに増えた30名の少年少女達――そんな奴らに地下で眠れ!なんて事は言いたくない。

なんせこれだけの大自然だ。


「どうせなら、こういう頃ですくすくと成長して欲しいもんだ。 まぁ…」


周りを見渡し、再びため息。


「恐竜に、戦闘機に戦車…巨大ロボットにアンドロイドから魔物…騒がしいのは別としてな?」

『賑やかなのは、いい事ですよ艦長?』

「ものには限度ってもんがあるだろ!? 環境に良いとしてもだ! 五月蠅い事には変わりない!」

『確かに。 少しばかり騒がしいのは間違いありませんね』


す、少し?

等とは心で思っていても、決してツッコむ事は無かった。


「しゃあねぇ! やるか! 増築! いや…建て替えだ!!」


という訳で俺は目の前のディスプレイを操作して…ある者達を呼び出す事にした。

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