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64.悪魔退治は専門外

気軽に感想いただければ作者のモチベに繋がります!

よろしくお願いいたします。

外装甲パーツ、パーフェクト・ブースター・アーマー。

高機動兵器と言えば普通想像するものは、薄い装甲に特殊なフォルム。

実際問題、俺の想像する高機動兵器はそんなものが多い。

しかし、こいつは違う。


総重量もかなりものだが、フォルムもかなり重厚感あるものになっている。

それもその筈、なんせ60基以上のブースターを各所へ内蔵しており。

アルジュナ曰く、アーマーコンセプトは馬鹿みたいな推進力で無理やり敵に接近する。


「これじゃあ、急襲用のオプションパーツのがマシだろ」


ゴゴゴゴゴゴゴ!!

物凄いスピードで化け物を追う俺は、久しぶりの感覚に視界が追い付いてこない。

寧ろ、これで追いつけない化け物も色々と頭がおかしい。


ピピッ!

『マーキングセット完了。 このまま追従致します』

「嘘だろ…なんてスピードだ」


目の前に表示された赤いマーカーは物凄いスピードで俺との距離を空ける。

なんつースピードだ。

そりゃ、姿すら見えない訳だぜ。


『まるで何か目的がある様な。 そんな動きですね』

「あぁ。 化け物の癖して、変に意識があるのか…狙いはなんだ? っておい、待て!?」


俺はある事に気付いた。

それは―――さっきから物凄い勢いで警報アラートが鳴っている事だ。


ビービービー!!


「あの~アルジュナさん?」

『はい?』


寧ろ気付いていないみたいな反応ですが?


「アラート鳴ってんだけど?」

『あぁ、それですか。 問題ありません。 ―――各所ブースターパージ、第2ブースターへ接続を変更―――どうぞ』


ドゴン!!!


「!?!?」


今、明らかにパージしたブースターが後ろで爆発した様な気がするんだけど?


「おい、ちょっと待て。 今、爆発…」

『問題ありません。 本来はそういう仕組みですから―――これ程のパワーを維持する為に必要な事…それはパフォーマンスの維持です。 つまり、態々冷却している暇があるなら新しいパーツに換装してしまおう作戦ですね。 本来はこうやって使用致します』

「あ、そう…それは初耳だわ」

『まぁ、艦長は2回程度しか使っていませんからね?』


何故か俺がアルジュナに責められた。

勉強不足でしたね? 本当にすいません。





ー―――――――――――――



数十分後。

迷路の様な牢獄を超スピードで飛び回った俺はやっとの事で奴に追い付いた。

が、どうやら先客が居るらしい。


『目標確認。 着地するのも面倒なので、例のアレをお願い致します』

「解ってるよ…」


そう言えばまだ言ってない事がひとつあった。

こいつは持ち前のパワーのせいか、急に止まる事が出来ない。

空中戦であればこいつの得意分野なのだが、残念ながらこの場所では戦えないらしい。


まぁ、見る限り円形のコロシアムみたいな場所だしな。 


「全パーツ接続解除…いくぞ~アルジュナ」


ガシュン!!

各所パーツの接続が解除されたのを確認した俺は真下を眺めた。


「いや…普通はこんな馬鹿な真似しないぞ?」

『何を言いますか、艦長。 これは艦長が考えた、一番効率的なダメージを与える方法ではないですか』

「いや、まぁ…エイリアンにたいしてならな!? しかも何回もやってる風な事を言ってるが、これでまだ2回目だからな!?」


ここまで言えば察しが付くだろう。

そうだ。 馬鹿みたいな推進力とあれ程の爆発物を積んでいるこいつは言わば、物凄いスピードで突っ込む爆弾。

対巨大エイリアンに対してはかなり効果的な作戦だった。


「まさか、ここでまた使う事になるなんてな…すぅ~はぁ~」


正直あれは宇宙だから出来た事だ。

それがどうだ? 真下はどうみても堅そうなコンクリートの上だぞ? 

ベースアーマーだから、痛みはないが気持ち的に怖い。


『早くしないと巻き込まれますよ?』

「解ってるよ! 接続解除!!」

『接続解除致します』


ガコン!!

俺は地面に向かって真っ逆さまに落ちた。

そして―――


ドゴ――――――ン!!!!


「ウゴァァァァァ!!!!」

「ちょま!」


安全な着地をする前に凄まじい爆風の巻き添えを受けた俺は、漫画の様に吹き飛んだ。


「どぅは! どぅお! あだ! うぐっ! これまた!」


ガチャン、ガチャン、ガチャン、ガチャン!!


「おや? 随分お早いご到着で」

「「「「……」」」」


どうやら先客はタナトスだったらしい。

隣にはボロボロのタキシードに身を包んだタナトスと。 何処かで見た事のある少年少女達が居た。


「お~? 随分ボロボロじゃないか? どうした~? お前が出る程の強敵だったのか?」

「いやはや。 中々に手強い敵でして、本当に助かりましたよ」

「まぁ、あれでも殺れてないらしいがな?」

「いえいえ。 私達はちょこちょこダメージを与えるのがやっとでした。 これで、勝機が見えてきましたよ」

「そうか、それならよかった」

「えぇ」


タナトスの奴め相当痛い目にあったのか、口数がいつもより少ない気がした。


「というか。 子供を従えて何をしてたんだ? これ程の広さなら、それなりの戦力が居ただろ」

「あはは…そうですねぇ。 彼女らが一番信用出来る。 そういう事でどうですか?」

「成程な」


他は信用に値しないと?

それもそうか、あのアルジュナも臭い臭いと何度も連呼してたし。

俺も見た感じ…あいつらとは関わりたくない。


「つまり、ロリコン…」

「こんな状況でも軽口を叩けるとは…いやはや。 脱帽ですよ」

「それは褒めてるのか?」

「えぇ、もちろん」


さて―――そろそろ真剣に行くとするか。

なんせ。


「ウゴォォォ!! ゴロス!! ゴロス!! オマエ!! ゴロォォォス!」

『艦長に怒り心頭中ですよ? どういたしますか?』

「あれ? というか、あんなにデカかったか? 軽く20mはあるぞ…あれ…」

「どうやらダメージを受け弱る程、巨大化するみたいですねぇ?」

「まじかよ…」


それは最初に言っておいて欲しかった。

だったら致命傷の攻撃をお見舞いしてやったというのに。

まぁいい、それなら…


「アルジュナ。 この場所の天井の高さは?」

『約67mです』

「よし、なら呼ぶか。 巨大な奴には巨大な奴だ』

『了解!』

「アグニ! 出撃要請! スタンバイ!!」

『アグニへ出撃要請――――承認。 ジャンプポイントを生成致します。 発進!』

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