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6.姫騎士様御帰還

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よろしくお願いいたします!

早いもので、アリスがこの家に来てから2週間が過ぎようとしていた。

生まれ変わっても負けず嫌いな性格はご健在の様で、何度も何度もアーサーにボコボコにされては泣きついてくる日々。

アーサー曰く、徐々に成長を遂げているがまだまだヒヨッコとの事。


目覚めた俺は家の外へ出る。


「ふぁ~おう。 みんなおはよう」

『『『『#$#%#&%$!!!』』』』


ビシッと俺に向かって啓礼した円卓組の連中はそのあと、いつものソレを見学していた。


「はぁぁぁあぁ!」


カキンカキンカキン!

ソードファンネル相手に互角以上の戦いを繰り広げるアリス。

外野の連中も小さく拍手しながら『人間…じゃなかった。 エルフにしては凄いぞ~』とエールを送っていた。

まぁ、向こうには何を言ってるのか理解できないだろうけど?


『まぁ、及第点と言った所でしょうか? 動きに無駄は無くなって来たかと思いますよ? しかし…頭上がガラ空きです』

「上!? きゃぁぁ!!」


ゴン!っと鈍い音が響き渡るとアリスは白目を剥いて倒れた。

数秒後―――


「はっ!? また私は!?」


と、この様にすさまじい再生力のお陰で復帰が早い。

流石は選ばれし4人の勇者が1人である。 国の姫様であり? おまけに勇者と来たもんだ。

前の世界では総司令官だった奴が次は姫と? あははは…笑えねぇ~

内心早く帰って頂きたいものだ。


その日の夜。


「なぁ~…そろそろ帰らないのか?」

「またそれ!? どれだけ私を帰らせたいのよ!」

「え~…だって勇者で姫様なんだろ? それも大きな国の…」

「まぁ~そうだけど。 それを気にするようなあんたでもないでしょ? リュウジ?」


なんか久々に本来の名前を呼ばれた気がした。

最近はもっぱら艦長呼びに慣れていたせいか、妙にこそばゆい。

一応俺にも阿久津あくつ 竜司りゅうじと言う名前がある訳だが、アリス以外に呼ばれた事は基本的に無い気がする。

呼ばれてもせいぜい1~2回って所だろう。


「そうだが…別に二度と来るなと言ってるわけじゃないだろ? 無断で出て来たんなら、尚更向こうに顔を出しに行くべきじゃないか?」

「はぁ…疲れるのよね? 勇者とか魔王とか?そんなやり取り。 持ち上げられても何も出ないわよ、別に? おまけにこっちは私の”今の親”の為に戦ってるだけ。 それ以外でも何でもないわ」

「ふぅ~ん。 ”今の親”は良い人達なんだな?」


彼女の言葉を聞いて少し安心した自分が居た。

あの時の親を知っているせいか余計に…な?


「それに…謝らなくて良いわよ? あんたが”あの時”パパを殺した事。 別に私は恨んですらいないわ。 寧ろありがとうって気持ちよ?」

「――――そうか」

「独裁者。 そう呼ばれてたパパはあんたを…あんたの力を利用しようとした。 当然の報いよ。 まぁ、唯一の救いは私には甘かったって事よね? それに――あんたって言う人間を完全に舐めていた。 それがあの人の敗因。 けど、肝心の娘もその余波を受けてたなんてね? ”AI嫌いだった”のはそれが理由かしらね?」


流石は元総司令官殿だ。

俺よりも肝っ玉が据わっていらっしゃる。

翌日。


「ほ、本当にいいの? 借りちゃっても!?」


興奮気味のアリスは俺の方を見て声を荒げた。

いいも何も、お前がこっちにやって来た時のあの猛スピードの正体がMPマジックポイントを消費し続けるスキルと知って俺はある騎士を同行させる事にした。


「あぁ。 そいつを同行させておけば、色んな場所の様子もこっちで見れるしな? おまけにそいつ程心強い味方は居ないだろう?」

「そ、そうだけど。 馬にも…変形出来るんだ」


アリスは真横に立つ白馬を見つめていた。


『実際はウマイクですけどね』


誰が上手いこと言えといった…アルジュナ。

余計な事は言わんでいい!


「じゃあ、一度帰るわね? 何から何までありがとう…また来るわ! 行くわよ! ランスロット!」

『ヒヒーン!!』


うむ。どこからどうみても馬そのものである。

後姿を眺めながら俺は思う。 やっぱり馬の鳴き声ってヒヒーンだよな? パカラッ!は足音だよな?

事前に話し合いをしておいて正解だった。


『#$&$%&$%&$』

「モードレッド…お前もそう思うよな? ヒヒーンだよな? パカラッは無いよな!?」

『”$#$%%$#%$?』

「ん? なんで白馬にしたのか? 銀色だったら馬じゃなくね?」

『『『『#$%$』』』』


確かに、と大きく頷く円卓組の連中を見て俺は思う。

いや、お前等…一応円卓の騎士モチーフの機体でしょう? もうちょっと考えよう!?と思った今日この頃。


彼女らを見送った俺は持ち場へ戻った円卓組を確認後、徒歩で自宅まで戻るのであった。

道中、ドラゴンに挨拶される様に「グォォ~」と鳴かれ。

真横を素通りしていった大蛇はペコっと頭を下げ。

偉そうに歩くミノタウロスは俺を見るや否や綺麗なお辞儀をしてきた。


「なんだこれ…」


流石はヴァーユと褒めるべきなのか、俺の魔力が原因なのかは解らない。

この世界へ初めてやって来た時の敵意むき出しの状態が懐かしく思えてくる。


「しかし。 この森が死の森と恐れられている森ねぇ~どうも実感が湧かないな」


原因があるとすればさっきのモンスター共のせいだろうけど?

それに加えて――問題はまだまだある。


「ギャギャ!?」


目の前に現れたゴブリン。

いざ戦闘に移ろうとすると―――


「フゴォォォ!!!」


ドシン! ドシン! ドシン!

とこの様に先程綺麗なお辞儀を披露したミノタウロスがゴブリンを殲滅してくれる。

流石はミノタウロスさん。 ゴブリンの攻撃を物ともせず、重い一撃をゴブリンへ食らわすと辺りは血祭状態。

最後は――


「フゴッ!」


やりましたよ旦那!と言わんばかりのドヤ顔。


「お、おぉ! ありがとう! 助かったぞ~! ミノタウロス君!」

「フゴッ!!」


上機嫌のミノタウロスは再び来た道を引き返して行った。


「いや!? だからなにこれ!?」







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