58.謎多き国
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ここは特殊格納庫と呼ばれる、特注の装置がわんさかと置かれた場所である。
そこには19m程の巨大兵器A・A・A―――ゴッド組が輪になって何かを話し合っていた。
『ではまず私。 このアグニから報告を―――ごほんっ。 地上を調査した結果。 中々に興味深い事が解った。 艦長の推測通り、人間の国の戦力は大方予想通りのものだろう。 恐らく、奴らは別の世界から人間を呼ぶ事が可能だ』
『呼ぶだって? おいおい、そりゃまじかよ?』
『あぁ。 仕組みは解らんが、かなり巨大な門の様な物が存在している事を確認した。 これだ――艦長にも此方からデータを送ります』
「了解」
すると直ぐに俺の方にもその映像が届いた。
「うげぇ…マジか」
思わずそう呟いた俺は映像を見て頭を抱える。
半分冗談のつもりで、俺はこいつらに「人間の国にはもしかすると、異世界人を呼び込める門みたいなもんがあるのかもな?」なんて発言をしてから数ヶ月。
まさか本当に存在していたとは驚きだ。
映像にしっかりと映り込んだ50mはあろう巨大な門。
どっしりとそれは人間の国の丁度真裏にそびえたつ、だが…どうやら門は常時姿を消しているみたいだ。
「スーツの男が1人…出て来ただけだな?」
『はい。 部下の報告によれば、王なる存在と直接やり取りをしていたとの事です。 しかし――まぁそこに問題がある訳ですが』
「ん? 問題?」
『はい。 推測はほぼ間違っていないと思われます。 ですが――いえ。 直接見て頂いた方がよろしいでしょう。 こちらです』
更に映像を受信した俺はそれに目を通す。
映像には人間の国の王と思われる人物とスーツの男――隣にはダークエルフらしき女性が立っていた。
見た感じ特に問題はなさそうだが?
「成程。 それを条件にこちらへ協力して頂けると?」
「#$%#&%&$&$$%」
「ふむふむ。 では、こちらもその条件を呑むとしよう」
「”$%$#%%$#?」
「何心配はない。 約束は守ろう」
ん? なんだ?
スーツの男が何を話しているのか全く解らない。
身振り手振りで何かを説明している様にも思えるが、あの王には伝わってるんだよな?
「アルジュナ?」
『照合不可能です。 登録されている言語ではありません。 恐らく解析は難しいかと』
「嘘だろ…だが、どうみても日本人じゃないかあれ?」
遠くからの映像で少しぼやけてはいるものの、はっきりとスーツの男が日本人だと理解出来る。
ただ問題はそこじゃない。 何を話しているのか全く分からないという点だ。
『―――間違いありません。 日本人です』
「妙だな? 地球言語の解析は出来るんだろう、今でも?」
『はい。 可能です。 現に地球言語だけでも5000以上の言語が私には登録されています』
「それで解析が出来ない?」
『はい』
益々解らない。
向こうが何かしらの小細工をしているのか、はたまた俺達側の原因か。
これは少し入念に調べておく必要がありそうだ。
「とは言え、俺は迂闊に動けないしな…まぁ。 後は任せたとしか言えないんだけど?」
『ははは…確かにそうですね。 艦長の顔は知れ渡っていますから…それに艦長は―――』
「ゆっくりしたい」
『『『『『ですよね~…』』』』』
なんで俺が態々ここまでしてやらくちゃならんのだ。
過保護すぎるにも程があるだろう。
「それに、態々こっちから攻めに行く理由も見当たらないしな? 今の所。 防衛はバッチリなんだし。 まぁ大丈夫だろう」
『そうですね。 態々強力なバリアフィールドを設置した訳ですし』
「守りに関しては完璧だ。 あとはあいつらがどこまで行けるかの問題だしな?」
保険は打っておいた。
最悪の状況にはならない保険をな? しかし、これから先の事はアリス達が決める事だ。
なんたって俺は、態々戦争をやりにこの世界へ来たんじゃない。
「自堕落な生活を送る為に来たんだからなぁ!」
『そ、そこまで堂々と胸を張れる艦長の気持ちが理解出来ません』
「うるせぇ! とりあえず難しい話は終わりだ! それよりもブラフマー! 例のアレは準備できたか?」
『おっほっほっ! 勿論ですぞ!』
『『『『『例のアレ?』』』』』
―――――――――――――――
「これだよこれ…いやぁ~最高」
目を瞑りながら、真っ暗な空間で心地よい一時を過ごす俺。
「あの…ご主人様? それは?」
近くへやって来たサラが俺の見慣れない姿を気にして声を掛けて来た。
なんだ、折角人がリラックスしてるところだというのに…
「これか? これはなぁ…」
『艦長がくだらない事を考えた結果と、それに悪乗りしたブラフマーが作成した―――快適に眠るだけのアーマーです』
「へ? 眠る? なんか地中に埋まりかけてますけど!?」
『これはただの重さが原因でこうなっているだけです。 そしてアーマーには常に適温を保つ装置が備わっており…紫外線から臭い、更には外部の音まで遮断可能。 余計な物は全て排除された―――まさしく眠るだけ為のアーマーです』
そう、その通り!
日頃五月蠅い環境であっても、外の眩しい日差しであっても! 変な臭いもが!
全てが排除された究極のアーマーなのである!
そして極めつけは誰にも邪魔される事無く”どこでも睡眠が可能”と言う点だろう!
「え? けど…襲われたらどうするんですか? こんなんじゃ…」
『あぁ、それには及びませんよ。 そうですね…防御装置作動―――』
ブォン!!
「うわ!! え!? え!? もしかしてビームバリア!? 全身に!? え!? それだけの為に!?」
失礼な奴だ。
なんてもったいない事を!と言わんばかりの物言いじゃないか。
『これ、見た目に寄らず高コストなんですよ…? とうとうやってくれましたね、艦長…』
『(外部音声を遮断―――)』
「『あ、逃げた』」
そう。更には緊急以外の通信は受け付けない仕様なのだ!
ぶはははは!! ぶはははは!
―――寝よう。




