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43.力の差

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MAPに記された地点へ降下後、深いため息を付いた俺は周りを見渡した。


『敵意を感知。 戦闘モード――』

「いや、いい。 パーシュパタでの援護は不要だ」

『ですが――』

「問題ない。 これはお遊びだ。 とは言え、向こうは本気らしいが?」


数にして15…息をひそめる様に俺の四方を包囲している。

成程。

作戦としては悪くない。


周りに見える、もぬけの殻となった集落。

それを利用するように上手い事隠れたつもりなんだろう。


「作戦としては悪くない。 これなら確実に仕留められるからもしれんからな? が、しかし…様子を見てからじゃ――遅いんだよ!!」


バン!!


腰から取り出した銃のトリガーを引き、50m先の木を射抜く。


『お、御見事です…流石はマスター』

「まっ、こんなもんだ。 大丈夫、お遊び用にこっちの銃も調整済みだ。 あとは…このショックブレード…これさぁ? どうやって使うんだ?」


持ってきておいてなんだが、取り出した黒い棒状の物を見て俺は固まった。

ショック…という位だから、その~なんだ。 電気ショックを与える系の武器なのは間違いない筈だ。


「マニュアルに目を通しておくべきだったな…」

『仕方ありません。 基本的にこういった系統の武装は使用していませんでしたから』

「だな…いつもは基本。 範囲殲滅の兵器でボカーンだもんな」

『ですね』

「ある意味。 こっちの戦いの方が難しい…」

『ご愁傷様です』


全く。

とりあえず、さっさと周りの連中を片付けて事情を聞くとしよう。

ショックブレードの件は無かった事にしよう。 

今は諦めた。 

また今度という事で。


「卑怯だとか、そういう文句は後で受け付けるからな? 文句があるなら、あの戦艦の技術者ブラフマーに言うこった。 いくぞ…戦闘システム起動―――」

『了解。 戦闘システム起動―――マルチロックオン開始―――』


目の前に赤色のマーカーでロックオンされる姿も見えない敵。

向こうも向こうで可哀想に思えてくる。

流石に技術力と力の差が歴然というか、相手からすれば俺で言う”魔法”みたいなもんだろう。


「そういう意味じゃ。 フェアだよな?」

『お言葉ですが、魔法に勝る技術力を有している時点で――』

「それ以上は無しで」

『承知致しました』


ブツブツと独り言をいいながら銃口を空へ向ける。


「真面にやり合ってもいいが、それだとなぁ…こっちが色んな意味で不利だから。 これで幕引きという事で…ホーミングショット!」

『粒子拡散ホーミング弾、発射』


バキュン!

一瞬の青い輝きと共に赤いマーカーが一斉に消えた。

時間にして数秒、これは流石に―――


「戦い、ってレベルじゃないよな」

『流石はブラフマーですね。 この様な武器を設計出来るとは―――流石の私も驚きです。 ではマスター、ご確認を』

「はいよ」


あくまで捕縛目的の銃だとか言ってたが、こんなのが本当に捕縛用か?

粒子拡散ホーミング弾――粒子エネルギーとやらに特殊な電磁波を混ぜる事で相手の痛覚を麻痺させる作用のある粒子弾だと聞く。

非情にエネルギー効率が悪く、1日10発が限界…ちなみにさっきの行動も1発扱いだ。


後9発か…流石に対多数捕縛用の武装なだけはある。

なかなかに使えるな。


弾道が全く見えなかったけど。


「とまぁ、確認と―――」


初めに気絶させた人物の元へと駆け寄る。

そして―――


「なんだこいつ? 狼?」


目の前には木の根に隠れる狼の姿があった。

しかし、妙だ。


先程までそれらしき反応は感知できなかった。

むしろ相手が狼であれば、さっきまでの人間の様な反応はなんだ?

そいつの背後には明らかに人の足跡らしき物が確認できる。

ん? どういう事だ?


確認の為、他の場所も確認してみる。

だが。


「どれもこれも狼だな?」

『はい。 それ以外の反応は感知出来ませんでした』

「逃げられた可能性は?」

『ありません。 こちらから魔力の感知を致しましたが、それらしき反応はありませんでした』


そういえば、そんな機能もサラとブラフマーのお陰で付いたんだっけな?

はぁ…いよいよ何を目指してるのか理解出来なくなってきたぞ。


「成程な、となるとそっちの線はなさそうだな」

『そうですね。 残る選択肢は…』

「この狼が”人間だった”という選択しか…」

『はい』


昔よく知り合いと遊んだ記憶がある。

確かあれはなんと言ったかな? 騙し合いをするあの遊びだ。

なかなかに俺は好きだったあの~


「人狼」

『えぇ、可能性は高いでしょう』

「まぁ、答え合わせは後ろの奴に聞くとするか?」

『はい。 それが一番早いかと―――』

「さて? 話を聞こうか? ウルフ?」


後ろを振り向いた俺は、1匹の狼を前にそう発言した。

狼と言っても、奴は体長3mを超えるかなりの大きさの狼な訳で…

相変わらず迫力満載だ。


『も、申し訳ありませんでしたぁぁぁ!! 我が主!!!』


と思ったら。

俺に頭を下げ、可愛らしい体勢で謝罪してきた。

まるで俺に何を言われるかを予想しての行動だ。


「別に怒ってねぇよ、だったらさっさと事情をはなせ?」

『は、はい! それは勿論!』

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