表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

44/113

39.仕上げは艦長

気軽に感想いただければ作者のモチベに繋がります!

よろしくお願いいたします

結果。

緊張感の欠片も無く戦いは直ぐに終わりを迎えた。

戦い…と言っていいのか正直微妙だが、まぁ終わりよければ全てよしだ。


『よくやった! お前等ぁぁ! それでこそだ! では!!!』


ビュン…

一瞬ノイズが走ったかと思えば。


『全部隊に帰投命令。 お疲れさまでした。 回収部隊に出撃を要請。 お手数ですが艦長―――』


解ってるよ。


「ったく。 レールガンで釣りをする時がこようとはな?」

『釣りではありません。 引き上げです』

「どっちも同じだ!」


総飛距離約500kmと言われたレールガンの砲身には、ロボットの手の様な物が設置されていた。

見た目はダサいが、あれで正確に物を掴む事が出来る。

つまり、俺の今からの仕事は…海上に浮かんだ捕縛ネットの回収である。


「アルジュナ? ネットの座標をマーキングしろ」

『ラジャー』


ディススプレイを操作しながら―――

サラを手招きする。


「はい?」

「一台使っていいから。 やってみろ?」

「え?」

「なに、簡単だ。 右下に十字キーが出現しているだろ? それで砲身を上下左右に動かして―――あとはMAP状に赤い小さな点が見えるだろ? それが落下予想地点だ。 まぁ、簡単な…その巨大なネットを狙ってみろ。 あ、あと。 出来ればネットがマーキングされている、その緑の円の中心に落とすなよ?」

「落としたら…?」

『勢いよく飛んだ拳が、彼らに当たる事でしょう』

「死にはしないから、大丈夫だ」

『です』


何故か少し震え始めたサラ。

ものは経験っていうしな…頑張れ。


全部隊の退却後、俺達はネットの回収に勤しんだ。

まるで漁をしている気分になったが、使ってるが使っているものだ。

正直、恥ずかしさの方が勝っている。


「射角調整良し。 撃て!」

『発射』


ズガン!!

音は良い。 音は良いが、やっぱり気になる。

拳が飛んでるんだもんな…


「あの~それと…魚人族の方は?」


おっと、1人放置状態だったのを忘れていた。


「見ての通りだ。 全員捕縛した」


電磁ネットは互いに強力な磁気を発しており、電磁ネット同士でひかれあう。

つまり、放って置いてもいずれはくっ付いて1つの塊になる。

が、あまりに重いと、装甲車如きの出力では賄えない。

最悪、俺の出番となる訳だ。


冗談じゃない。 それだけは御免被りたい。


ともあれ”そっちの問題”はそっちに片付けて貰うとするか。


「くそう! なんだこれは! 今すぐ開放しろ! おい!! ぐぉぉぉ!!」


電磁ネットの特性としては、相手が弱り果てるまで暴れる対象へ電撃を浴びせる。

大人しくしてればいいものを…


「はぁ…あんたが魚人族の長様か?」

「な、何者だ! えぇいはな―――」


ズガン!!!


物凄い音と共に魚人族の全員は離れた装甲車の方を見る、そこにはレールガンの試し撃ちをしていたサラが居た。

ナイスだ、サラ。


「話し合いに応じないのであれば、アレをお前等に直接ぶち込んでやる。 はいか解りましたで答えろ?」

「いや、それ…もう拒否権無しじゃ…」


なんてことを呟くサラ。


「という訳で―――」

「「「「え?」」」」


網に直接手を突っ込んだ俺は長の頭部を掴み、長だけを取り出した。

不思議で仕方ない光景だろうが、説明は後だ。


こいつを掴んで―――

こう!!


ザバン!!


「あ、あの~…これは!?」


驚きの表情を向けるサフィーニア。


「な!? お、お前は! 何故此処に!? まさか、この人間を雇った――」


バン!!!


「「「「「!?!?!?」」」」」


あまりに五月蠅いので俺は腰の銃を取り出して、長の顔擦れ擦れの位置を狙い発砲した。


「それ以上話を逸らすなら、こっちにもやり方ってもんがある。 もう1度言うぞ? 話し合いだ、解ったか?」

「「コクコクコク!!」」


何故かサフィーニアも同様に深く頷いた。


「それに俺はサフィーニアに雇われた訳じゃない。 もとはと言えば、お前等から始まった戦争だろが。 それもクソ程つまらん理由の」

「「ク、クソって…」」


2人は不満がある様にも思えるが、他の連中は流石に自覚している様子だ。


「ちゃんと話し合えよ? 近くで見ているからな?」


それだけを告げると俺は他の捕まった魚人族の元へ向かった。

そして―――


「済まないな。 手荒な真似をして。 一応、お前等には謝罪しておくよ。 あいつらは別として」

「「「「い、いえいえ…」」」」


やはりか。 どうにもやる気が空回りしている様な素振りだったのは、こいつら自身も無理やりあいつに付き合っていたせいなんだろう。

どうも、温度差が酷かったというか…何の抵抗もしない辺り少なくともあいつよりは真面に話が出来そうだ。


という訳で、訳を聞くとするか―――


「まぁ、あいつらが話し合っていて暇なんだ。 こっちは適当に雑談でもするか―――おい、アルジュナ。 全員解放してやれ」

『了解』




 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ