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33.帰宅と驚き

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よろしくお願いいたします!

女王とその他大勢を無事に送り届けた俺は、ランスロットに別れを告げ――約1ヶ月ぶりとなる死のマイホームへと戻って来た。


「おいおいおい…改めて見ると思うが、滅茶苦茶な景色だなぁ!」


時代もへったくれもない景色に思わずツッコミを入れた。

空を優雅に舞うプテラノドンと巨大なドラゴン、とそれに巨大な鷹。

後はそうだな。 戦闘機にヘリコプ…

ん?


思わず俺は目を擦った。

夢…じゃ…


『ないですね』

「っておぉぉい!!  何を呑気に飛んでやがるんだ!?」

『艦長の意見はごもっともですが、このエリア内をただ縦横無尽に飛び回っているだけです。 どうやら―――森全体を囲う様に専用ビーコンを設置したようですね』

「森全体…?」


まさかとは思うが、船に積んでいたありったけのビーコンで森を囲んだと?


『はい。 恐らく』


まさかこの1ヶ月でここまでの進化を遂げるとは、流石の俺も開いた口が塞がらない。

おまけに―――


「どうなってんだ…こりゃもう…森じゃねぇぞ」


森へ侵入した俺は辺りを見渡しそう告げる。

至る所には不可視モードの侵入者感知用の赤外線レーザーが設置され、森を飛び交う大量のカラス―――いや、この世界にカラスなんて存在していない。

という事は。


『鳥形の小型偵察機ですね』

「わぉ…」


暫く進み、川の水面を確認すれば。


「ワニが居る…」

『居ますね』


あれはワニ型の偵察機なのだが…近くに居る水辺の魔物は一切警戒している様子もない。

まるで以前から居たかのように、落ち着いた様子でいた。


「いや、でも…流石に恐竜がこれだけウロウロしてるの可笑しくない!?」


近くを通りかかった、トリケラは何食わぬ表情で俺を見つけるや否や。


『おや、艦長! お帰りなさーい! いやぁ~地上の空気はこれ程心地良いものなのですね、もうすっかりなじみましたよ。 いやはや、船に帰りたくなくなっちゃいましたよ! まぁ、メンテの時は帰らないといけないんですがね!? はっはっはっは! では!』


ドシン!ドシン!と背中に鳥型の魔物を乗せながら、進んで行ったトリケラ。


「………」


更に進むと。


『ていうか、ライノ? 私は皆の役に立てているのだろうか、正直この森の管理はジュラシックの連中で十分じゃないか? ほら、私はライオンだけど? なんというか、他に比べると見劣りするというか? それに円卓組も居るしさぁ?』

『まぁまぁ! ライオ隊長! そう落ち込まずに! この大自然を満喫致しましょう!』

『そ、そうだな…私は頑張るぞ! なんたって百獣の王なのだからなぁ!』

「ガォォォォ!!!」


木影で休むライオンとサイを眺めた俺は再び足を進めた。


『声を掛けなくて良かったのですか?』

「いや、ほら…なんか落ち込んでるっぽいし」

『成程』


アルジュナもそれ以上何も言う事は無かった。

そして―――


ドドドドドドドド!!

地面を揺らすほどの振動を感じた俺は音のする方向へ目を向ける。


『皆も来ればよかったのにな~ジェットとジャイロはあれだけ楽しそうなのに~勿体ない。 まぁ僕が楽しいからいいか~さ~て! 次は何処へ行こうかな~』


ウィーン…長細い砲身が俺を目掛けて向いた。


『あ! 艦長! おかえり~!』


ドドドドドド!!

見た目が戦車のそいつはゆっくりと俺の方へやって来た。

いや、砲身を向けるな! 砲身を!!


「なんだ、お前も来てたのか? タンク」

『そうだよ~。 いや~大自然って映像でしか見た事無かったからさ? 一度見て見たくて! ね!? ジャイロ、ジェット!』

『おうよぉぉ! 俺は広大な空を駆け抜けるぜぇぇ!!』


ビュン!!

猛スピードで頭上を通過していく戦闘機こと、ジェット。


『いや、こっちは偵察の目的で飛んでいるだけですがね? サラ様の様な方が居ないとも限りません。 日々警戒を怠っては居ませんが、誰かが助けを求めている…かもしれませんから』

「成程な? まぁ、事情はサラ本人に聞くとして。 お前等が満足ならそれでいい―――」


と和んだのも束の間。

ウ~!! ウ~!!


『こらぁぁぁぁ! そこのデスマーチ隊が隊長! アーミー! 今すぐ止まりなさい!! 証拠は上がっているんだぞ!! 海岸で歌を歌い…シャーク他10名を損傷させた罪! 償ってもらおうかぁぁ!!』

『ち、違うんだってばぁぁぁ! パトレイダーぁぁぁ! ボソッと…ボソッと歌っただけなんだって!! そ、それに私は皆のアイドルでぇ~…ライブが近々』

『言い訳はいい! アイドルであろうがなんであろうが! 罪は罪だ! 1週間謹慎処分で許してやろう…』

『いやぁぁぁ! 私から歌を取り上げないでぇぇ!!』


俺の隣を猛スピードで突っ切って行ったアーミーとサイレンを鳴らしながら全力で追うパトレイダー。

森の中でよくやるな…おい。


『あはは…相変わらずアーミーちゃんは元気だね。 さてと、僕も色んな所を探検するぞ~。 じゃあねぇ~艦長』

「おう、ルートには気を付けろよ? 特に木々をなぎ倒さない様にな? あの馬鹿みたいに」


俺は後ろで木々をなぎ倒す奴を指差しそう告げた。


『あで! 尻尾が! くそぅ! 図体がデカいとこれだから嫌なんだ! おろ!? 次は頭か!』

『レックスはまぁ…特別だから…』

「だな」

『んじゃま、行ってきま~す』

「おう」


しかしこの光景を目の前にして思う事がある。


「なんか、俺…滅茶苦茶ヤバい事してないか?」


当初の目的はただ彼らを地上へ降ろす事だった。

それが蓋を開けてみればどうだ、もはや侵略となんら変わりない。


『その意見には同感です。 流石に異世界に持ち込む―――といった軽いレベルの話ではありませんね』

「だよな…」


いや、けど…軍隊が異世界に来る系の小説を見た気もするし…


『恐竜は?』

「ないな…」

『ロボットは?』

「あり得ん」

『巨大宇宙戦艦は?』

「もっとない」

『というより、そもそも技術レベルが遥かにこの世界を凌駕している時点でお察し下さい』

「はい…」

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