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31.飛ばされた男

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よろしくお願いいたします!


またもや、新・吹き出し登場。


【 】←これです

本当に何事も無く無事に最深部へ到着した俺達は、見たことも無い巨大な扉を前に尻込みしていた。

いや、違うな。

主に俺以外の奴らが。


「こ、ここが最深部。 いかにもって雰囲気ね?」

「あぁ。 いよいよか…」

「だ、誰が開けますか!?」


エリスの声に反応した皆はルシウスの方を見た。


「え? 僕!? いやいやいや! ここはどう考えたって彼だろう!」

「確かに、そうね?」

「うむ」

「だな」


全員の意見が出そろった様なので、俺は普通に扉を開いた。


「「「「って! ちょっとぉぉ!!」」」」

「は?」

『はて、何故たじろいでいるのでしょうか?』


解らん。 まるで開けるなと言わんばかりの威圧を感じたが、気のせいだろうか?


『いえ、どうやらその様です』


解らん。 全く解らん。

すると、目の前は石壁に囲われた広い部屋だった。

目を凝らすと中心部に誰か立っている。


「やぁ! ゴブリンを怯えさせたのは予想外だったけど…よく、ここまでたどり着いたね!」


少年の様な容姿をした紫肌の奴はそう告げる。


「ま、魔族!? どうしてダンジョンの最深部に!?」


アリスは思わず声を荒げる。

やっぱりか―――


やれやれと首を左右に振った俺はライナにしか解らないように目くばせする。


「まぁ、君たちが予想している通り。 これから戦うんだけど、そこの君は厄介だから…」


ゾクリ。

悪寒が走ったかと思えば。


「ご退場願うよ?」

「「「「「!?!?」」」」」


その言葉を最後に俺の目の前は真っ暗になった。

いや…これは。


『転移の魔法、という物でしょうか?』

「さぁ~?」


周りは真っ暗で光りすら差し込んでいない。

この場所は何処なんだろうか? 

辺りを見渡しも石ころひとつも見つかりはしないあたり、別の場所と言うよりも。


「別の空間に飛ばされた?」

『可能性は高いかと。 ですが――特異点の感知は出来ませんでした。 つまりこれは―――魔法によるなんらかの現象でしょう』

「魔法で空間を切り離したとか?」

『はい。 あくまで憶測でしかありませんが』

「へぇ~器用な事が出来るもんだな」


そうこうしている内に俺の周りは魔物だらけになっていた。

ドラゴンからミノタウロス…見慣れない魔物もチラホラと見える。


『数にして500というところでしょうか?』

「”たった!500?」

『えぇ。 ”たかが”500です』


常人からすればかなりの数なのだろう。

魔物500匹の相手なんて、異世界物の小説でも聞いたことがない。

ただ何というか―――


「せめて1万~だよな?」

『ダメージを与えたいのであれば――500では少なすぎます』

「こっちは毎日何千というエイリアンを相手にしてたんだぞ? なめ過ぎだろ」

『いっその事。 ガーンデーヴァに攻撃を要請致しますか?』

「いや、それじゃデータが取れないだろ。 一応ここを出たら疲れたフリでもするか?」

『成程。 それは面白そうですね』


呑気にやり取りしているが、周りの魔物達は今か今かと俺の出方を伺っている様子。

操られているのか、それともあのゴブリンの様に変に理性があるのか解らないが―――


「これじゃあ、森のミノタウロスさんとかの方が100倍強いよな?」





『そうですね。 獣感がゼロでガッカリです』

「んじゃま、やるとするか」

『はい、向こう側の事が心配です。 さっさと片付けるとしましょう』


俺は思い付いた、ここでフルドレス状態になれば色々実験出来るんじゃないかと。


「ふっ…アレを使うぞ」

『え、アレですか?』

「あぁ。 今なら恥ずかしくない!」


誰も見ていないから!

と胸を張って言える。

俺はアルジュナの声に耳を傾ける事無く、右手を天高く掲げた。


「スーパーロボットモード解放!!!」

『知りませんよ? スーパーロボットモード解放――――目覚めて、貴方の中の勇気こころ――――

愛と』

「勇気と!」

『希望を乗せて―――――モードチェンジ! スーパーロボットモード!!』


プツン。

目の前が真っ白になった。

そして―――


『心に熱き炎を抱け!!』


キャラがおかしくなった熱血お姉さんアルジュナ。

久々に聞いたが、やっぱり慣れない。


「応!!!」

『準備はいいか!?』

「応!!」

『ではいくぞぉぉぉ!! 愛と!!』

「勇気と!!」

『希望を乗せて!! つかみ取れ! 己が力を!!』

「ブレイブ!! フュージョン!!!」

『ブレイブフュージョン…発動!!』


※説明しよう! ブレイブフュージョンとは全身にユニットを纏うフルドレスとは違い、自分自身の身体を完全に機械化する事である!


光り輝く俺の身体は次第に進化を遂げる。

ヒロイックな見た目に真化を果たした俺は目の前のゲートの出現を確認。


『フュージョンゲート展開――――後方にSDゲートを繋げます』


Fと書かれた薄い青い色の丸いゲートと後方には4つのSDの文字が浮き出たゲートが出現。


「いくぞ、皆!!」

『『『『おう!!』』』』


さてゲートのダサさも極まってこれから俺は盛大にダサい事をしなければならない。

それは―――


「勇者合体!!」

『『『『勇者合体!!』』』』

『艦長のゲート突入を確認―――勇者隊どうぞ―――』

『いくぞ皆!!』

『『『『おう!!』』』』


俺の身体が更に強い光を発する。


『フュージョンバリア展開―――勇者隊来ます―――合体待機状態へ移行―――』


ガチャン…ガチャン!

足のつま先と踵は90度折れ、腕は背中へ折りたたまれた。

ゾッとする光景だが、俺自身に異変は無い。


『ドーザーレイダー!』

『ショベルレイダー!』

『ショベル、ドーザーのSDゲート突入を確認。 両名脚部へモードチェンジ―――ドッキング開始―――』


ガシュン!!

ショベル、ドーザー…乗り物の姿をしたそいつらは脚部モードへチェンジ後俺とドッキングを開始。


『ファイアーレイダー!』

『レスキューレイダー!』

『ファイアー、レスキューのSDゲード突入を確認。 両名腕部へモードチェンジ―――ドッキング開始』


ガシュン!!

ほぼ消防車と救急車の奴らは先頭部分が折れ、拳が出現―――ちょっとカッコイイ。


『全接続を確認―――ヘッドパーツ転送―――』


頭上に現れたパーツに手を伸ばした俺はそれを被った。


「ヘッドイン!!!」

『音声出力の同期を開始―――完了』

【勇者合体!! ブレイブエックス!!!】


かっこよくヒーロー着地を決めた俺は拳を構える。


【さぁ行くぞ!!】


現在は俺を含め5人の音声が混合され発信されている。

久々の勇者合体に興奮気味の俺は目の前でたじろぐ魔物達に正義の鉄拳をお見舞いする。


「ぐぎゃぁぁぁ!」


ミノタウロスは肉片となり砕け散った。


【なに? グロテスクだ】

『そりゃ…この出力だとひとたまりも無いと思いますけど?』

【成程。 ありがとう、ドーザー】


ピピッ!

『さぁ! ブレイブエックス! 必殺のぉ~エックス斬りだぁぁぁ!』


あぁ、五月蠅い。

勇者合体したデメリットとしてはこれだ――

基本的にアルジュナが使い物にならなくなる。

おまけに煽って来るし。


【まぁ、試してみるのも悪く無いか…行くぞ!! サイレンブレード!!】


シャキン!!

腕から出現した柄を掴んだ俺はそれを引き抜く。

現れたのは赤いサイレンが付いた長剣。


やっぱり少しダサい気がする。


「グォォォォ!!」

【うぉ!!】


そうこうしている内にドラゴンが襲い掛かって来た。

と言っても。


ガジガジガジ!!


『ちょ! 私噛まれているんですけど!? 艦長!? かんちょぉぉぉ!』

【五月蠅い奴だな、ファイアー…んで、これどうやって使うんだっけ?】

『はい?』


久々過ぎて忘れていました。


『必殺! と叫ぶんだぁぁぁ!! ブレイブエックス!!』


あの~アルジュナさん? いい加減、ブレイブエックス呼びはおやめになった方が―――


『さぁ!! 悪の魔物を倒すんだ!!』


駄目だ。 話にならない。


【よし、やるか! 必殺ぅぅぅ!】


ピーポーピーポー!!

ウ~カンカンカンカン!!

ウ~! ウ~!


【うるせぇぇぇ!!】


気のせいか、あまりの騒音に魔物達もひるんでいる。

しかし、威力を試す為に俺はエックス斬りをお見舞いしてやるぜ。


【エックス斬りぃぃ!!!】


X字にサイレンブレードを振った俺は―――

パリ―ン!!!


次元の壁事、魔物達を全て葬ったのであった。


【あれ?】

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