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25.次の街へ、とその前に…

気軽に感想いただければ作者のモチベに繋がります!

よろしくお願いいたします!

目的の街まであと1日半と言う所でアリスが俺に告げた。


「あんた…武器はどうするのよ? 因みに、今使ってるものは全部却下よ?」

「そうだな…レーザーソードだったか? そんなものを振り回されたら、流石の冒険者も泣くぞ?」

「で、ですね。 爆弾って奴もなしですからね!!」


そんな事を言われてもな。


「最悪格闘家とか…」

「「「却下」」」


即答だった。

それもそうか、恰好が恰好だけに…説明のしようがないか。


「ん~…アルジュナ?」

『はい』

「実体剣ってどれ位種類があった?」

『そうですね。 対バリア用のバスタードソードから、高周波ブレード…シールド付きのガンソードと―――後は”アレ系統”のものでしょうか』

「アレ系統か。 しかし、アレ系統はそこそこ重くなかったか?」

『重さは平均2~4トンですから――持てなくはないですが、相手が安全かどうかと聞かれれば――』


最悪バスタードソードで手を打とうかと思ったが、あれも重さで言うと1トンを超えている。

そんなものを振り回してでも見ろ? 相手が人間であれなんであれ、ひとたまりもないのは明白。


「な、なぁ? この世界の住人って俺の知ってる人間よりは遥かに力が勝るんだよな?」

「ん? 身体能力で言えばね? 魔力って存在が体内を常に活性化させているお陰で、私達の知る人間よりかは強靭よ」


となればだ、もしかして1トン位の武器を背負ってる奴も―――


「なぁ、アリス? 心してきいてくれ、実はな俺の武器―――」


俺はあるひとつの希望を抱き、アリスに話しをした。

実体剣で一番軽いのがバスタードソードである事、そしてこの世界の強者であれば1トン位の重さは何てこと―――


「無いわけないでしょう!!!!」


食い気味に怒られた。


「1トン!? え? 1トン!? あんたそんなもん生身で持てるわけ!?」

「まぁ今着てるこれもパワードスーツみたいな所あるしな? ”それ位”なら」

「そ、それ位? あ、あんた感覚が麻痺してるわよ!? 1キロ、2キロの話をしてるんじゃないのよ!? 1トンよ!? 1トン!! 1000kg!」


あまりにしつこいので俺は試しにバスタードソードを次元格納から取り出した。

見た目は1.7m程の多少ごつい形をした、白い刀身が特徴の大剣。


グサッ。

試しに地面へ差し、持つよう指示を出す。


「これでもちょっとメカっぽいわよ? まぁ…じっと見れば剣に見えなくもないけど。 まぁいいわ、これを持つ―――」


柄に触れたアリスはエリスとアルメイアを振り返り固まった。

まさかと反応を見せる2人を手招きしたアリスは3人でバスタードソードの柄を掴み。


「ぐぬぬぬぬぬ!!」

「嘘だろっ? ぐぅぅぅぅ!!」

「身体能力強化―――身体能力強化――身体能力強化!!」


3人の身体はエリスの発言と共に緑色に発光する。

彼女が今使用しているのは文字通り、身体能力を強化する魔法だ。

しかし、バスタードソードはビクとも動かない


「ま、待ちなさいよ? もち、上がらないわよ…!?」

「ビクともしないな…私も力を入れているんだが」

「わ、私も力にはそれなりに自信があるんですが」

「アルジュナ? 使用制限の解除はしてあるよな?」

『はい、問題ありません。 ロックは解除しています』


となれば、ひとつの仮説が立証される事になるだろう。


「そうか。 どうやら間違いないみたいだな?」


全員に聞こえる様にそう告げた俺はアルジュナの回線を開放した。

そして――


『恐らくですが、我らの兵装は魔法と言う存在を一切無効化する能力がある様です』

「「「………」」」


魔族は魔法耐性が高く、魔法に長けた存在と聞く。

しかし俺達は魔族の―――恐らく威力が高い魔法であってもバリアフィールドひとつで何とかなる。

おまけに相手の防御魔法も関係なく、貫通する仕様らしい。


今まで半信半疑だったが、実際に強化魔法を自身に掛けた彼女らを見て理解出来た。

全身が薄っすら輝き、強化されている様にも思えるが、ただひとつ―――バスタードソードに触れた手だけはその効力を失っていた。


「おまえら、手を見て見ろ?」

「うそ…なんの介入もないしに!? 魔法を一方的に遮断してるの!?」

「そういう事か、どうりで力が入らない訳だ」

「な、なるほど~それならば説明がつきますね」


ん~けれど腑に落ちない点が幾つもある。

まずは俺が魔力を有してる筈なのに、今はそれが微塵も感じられないという事だ。

アリス曰く湧き上がっていた俺の魔力は今現在、嘘の様に感じとれなくなったらしい。


まてよ? もし俺の身体に宿ってい魔力が無くなる要因としてはアルジュナだとすれば?

だとすれば”あの原因”の証明が出来る。

俺は確認をする為に次元格納から、あるものを取り出した。


「ど、どうしたのよ? 急に怖い顔をして…それは~剣よね?」


そう。 あの世界に居たアリスでされそれを疑う程、剣らしくないそれを俺は握った。

外見は剣というには不格好で、はさみの様に分かれた刀身は不自然にも中心に空洞を作っていた。


「いや、言ったよな? 俺の持つ兵装は基本的にブラフマーが思考し、作成するって?」

「え、えぇ」

「けどな、最近こいつみたいに作った覚えもない武器がちらほら混ざってやがるんだ」

「…え?」

「エイリアン共の武器が混じってるのかと思ったが、違うみたいだな…」


剣だよなぁ?

徐に振り被ってみる。

不思議と軽いし、片手剣にしては不格好だ。


ジジジッ!!


「ぐっ!?」

「ど、どうしたの!?」


武器をじっくり眺めた瞬間、激しいノイズに襲われた俺はあまりの音に気を失いかけた。



『――マ――――』

「お、おい? アルジュナ!?」

『テ―――リ―――アー――』


アルジュナの様子が可笑しい、まるで誰かに言わされている様な反応だ。

―――マテリア?


『ラ―――イ――――』

「ど、どうしたの!? 急にアルジュナの反応が無くなったんだけど!?」

「反応が無い? 回線を切ったのか!?」


アリスの言葉を聞いた俺は目の前のディスプレイに目をやる。

だが、通信状況はopenと表示されたままだ。

嘘だろ? 俺にしか聞こえてない?


『ズ――――』


ピピピッ!


『艦長。 ガーンデーヴァ・メインシステム用のアルジュナです。 サポート側の私の反応がありません、緊急事態ですか?』

「なに? 反応が無い?」

『はい、消失しています。 サポート機能は正常なのですが―――私の、アルジュナの反応だけが感知できません』


だが、こっちアルジュナは永遠と同じ言葉を繰り返しているだけだった。

仕方ない、言えばいいのか? 言えば。


「何が起こってんだ? ったく…マテリアライズ」

『(マテリアライズ発動。 ブレード展開します)』

「は?」

「「「え?」」」


ガチャン!

はさみの様な刀身が90度展開すると、展開されたそれは徐々に赤い刀身を出現させていく―――


1m…5m…10m…15m…20m。

止まった。


「ちょっと? あんた?」


説明しろと言わんばかりの表情を向けるアリス。


「す、すまない。 これは幻覚の魔法か?」


なんども目を擦り、俺にそう尋ねるアルメイア。


「あ、あの! こ、これって!?」

「さ、さぁ~?」


20mもある剣を軽々持ち上げた俺は皆へそう告げた。

が、流石に納得いかないんだろう―――全員に胸倉を掴まれた。








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