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20.昂りのバーストモード

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大気圏突入を済ませてから直ぐの事だった。

急いで家へ帰って寝なければやばいと思ったのは…

何故なら長時間に渡るライブを堪能してしまったせいか、異様に戦いたくて仕方ない。


デスマーチ達の凄さを改めて実感する俺だった。

彼女達の役目は本来、敵視を集め対象を狂戦士バーサーカー状態する事で、敵の陣形を乱す事が本来の役目。

しかし、こんかいの彼女らは普通に歌って踊っているだけ――つまり対象を絞っていないので全員に効力がある。


約半月ぶりのライブだ、流石の俺も疲れている。

つまり何が言いたいかというと―――


「今戦うのはまずい…」


ギリギリの精神で今はなんとか耐えている状態だ。

他に何か要因が生まれれば俺とアルジュナのたがは外れる。


『私達の精神はリンクして――いますからね…』


この様に調子が悪そうに話している原因はそれである。


「しかし、これはどういう事だ? アルジュナ? 方向がまるで――」


違う。 そういい終える頃には既に現場へ到着したらしい。

ズガン!!

多少の揺れと共に、目の前が真っ暗になった。


「あれ? おい、アルジュナ! おまえ、オートで何処へ着地させやがったんだ!? MAP…MAP。 現在地は…何処だこれ!?」


慌てて俺はディスプレイにMAPを表示させる。

が、現在地は家から約920km地点をさしていた。

あれ? おい? アルジュナ!?


「おまえなぁ、いくらなんでも離れすぎだろ! 家まで920kmだぁ? 洒落にならん、洒落にならん!」


いくらハイな状態とは言え、ここまで狂うアルジュナじゃない筈だ。

何か理由が―――


「まぁいい。 とりあえず…よっこらせ!! ふぅ~…あ? お前等…何してんだ?」


地面から頭を抜いた俺は目の前の良く知る人物に目をやった。

アルメイアとアリスが腹部を抑えながら苦しそうに地面へ倒れているではないか――まさか!?

俺の脳内をある言葉がよぎった『戦い』―――だ、駄目だぞ! 考えるな! 今考えるな!


しかし、そんな俺の理性を崩壊させる言葉が聞こえてくる。


『敵影確認―――』


パリ―ン!!

何かが弾けとんだ――それからは何を話していたのか覚えていない。

覚えているとすれば――


「成程。 憂さ晴らしには丁度よさそうなサンドバックだ」


呟きながら俺はディスプレイに表示された赤いボタンを無意識に押していた。

ブーブーブーブー!!

久々に聞くアラート音が心地良い…何故なら!!


『バーストモード解放準備(全システム…オールクリア。 戦闘モード起動―――殲滅対象者は直ちに撤退する事をお勧め致します。 何故なら―――)』

「ライブのせいで手加減が出来ないからなぁ!」

「「ライブ??」」

「アドレナリンが溢れて仕方ない。 全セーフティーを解除! いくぞ…バ―ストモード!!!」


もう止まらない! 目の前に敵を目視していながら戦わずしてなんというのか、戦え…戦え…戦え!! 戦いだぁぁぁぁぁ!!!


『(了解。 全排熱機構解放―――出力マキシマム――――オーバードライブ)』

「イグニッション!!!!」

「「は??」」


全排熱機構を通し凄まじい勢いで炎がアーマー全身を包み込む。


『説明しよう!! バーストモードとは! 搭載されたエンジンを全て開放する事でその出力を何倍も高める事が可能なのだ! なんとその出力は元の20倍! そして、リミットは1時間! その間―――持てるすべての力を発揮する事が可能なのだ!! デストロォォォイ!!』

「ふははは…ふははははは!! アーミーめ覚えてろ!? こっちに来たらボコボコにしてやる!! ふはははは…ふははははははは!! だぁぁはっはははは!!」


止められない。 というよりもキャラ崩壊を起こすほどに俺達の理性はぶっ飛んでいた。


『(――――デストロイ!)』

「「えぇぇ!?」」

『Danger―――Danger――――出力オーバーフロウ。 直ちにバーストモードの使用を停止してください―――Danger―――Danger――――』


ピピピピピピピ!!!

キュインキュインキュインキュイン!!


あらゆるアラート音が俺に警告する。

しかし! 関係は無い―――これは”仕事だ”つまり―――


「覚悟はいいなぁ~? お前らぁぁぁぁぁぁあぁぁ!!! ドリルゥウ!! ブースト!!」

『ドリルブーストナックル!! 次元換装!! ジャンプポイント生成―――換装どうぞ!!』


目の前に現れた次元の裂け目に腕を突っ込んだ俺は―――直ぐに腕を取り出す。

するといつの間にか俺の腕にはドリルの先端部分が拳に装着されていた。

どするのかというと――


「ナックル!!!!」

『発射!!』

「「な、なんだそれは!?」」


高速回転を繰り出す拳を両方飛ばした。

が―――


「次元転送!! ビーム対艦刀・レーヴァテイン!!!」

『了解! レーヴァテインの転送を開始致します―――ポイント生成――――完了!! モニターに表示致します』

「後ろか…」


突如後ろへ出現した剣のグリップ部分を握り―――次元の狭間から引き抜くようにそれを取り出した。


「ふぅぅぅぅん!!」

「駄目だ!! なんですかこれ! 腕が勝手に!」

「クソっ…何よ―――あれ…」


目の前の紫肌の女は得物を見て青い表情をしていた。


『説明しよう! ビーム対艦刀・レーヴァテインとは! 刀身7mにも渡る超巨大ビーム兵器なのだ!! その威力は敵戦艦を一刀両断できる程の出力を誇っている! つまり! 奴らに勝ち目はないのだ!!』

「あ、あの…ファントムさん? 聞こえてる~? お~い?」

「しかし? 避けれれても面倒だ―――レーヴァテイン…ビームウィップモードだぁぁぁ!!」

『了解! ビームウィップモードへ変形』


レーヴァテインは剣から姿を変え蛇腹の鞭のような姿へ。


「!? 退くわよ! トウマ!! あいつは相手に出来ない! トウマ!!」

「で、ですね…! あんなの聞いてませんよ!! ビームって言ってませんでしたか!? それっ―――」


ブォン!!!

レーヴァテインをひと振り―――瞬間。 ブーストナックルにのたうち回る魔族の兵隊達の身体は消し飛んだ。


「――――え?」


切断されたのではない。 消し飛んだのだ。


『説明しよう! バーストモード中のビーム兵装は約6千度に匹敵する温度を誇るのだ! つまり、食らえば最後! 蒸発するのである!!』

「敵だぁぁぁ…敵だぁぁ!! 敵だぁぁぁ!!」

「はやく!!! なんでもいいわ!! 転移の魔法よ!! 早く!! 早く!!!」

「解ってますよ!! あぁ、あぁ、これだぁぁぁ!! うわぁぁぁ!!」


シュン!!

2人の人物は俺の前から姿を消した―――


『追いますか―――?』

「いや、やめとこう!! 今は危険だ! 特に俺が!!」


なんとか自我を取り戻した俺はギリギリの所で踏みとどまっている。

というのも、このバーストモード…限界まで起動していると後で痛い目をみるからだ。


「ま、まにあった…色々と…」

『起動終了―――悪い夢でも見ている様な気分でした――』

「違いない…で~どうする? 後ろの2人?」

「あ、あ、あ、あ……」

「あり、ありがとう?」


俺と目を合わせない辺り――余程おぞましい光景だったのだろう。

俺自身…ほとんど覚えてないけど。







 

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