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9.圧倒的な力

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よろしくお願いいたします!

「ふぇ!? ふぇ!? ふぇ~!!! な、な、な、なんですかこれはぁぁぁ! ご主人様ぁぁ!?」


辺りに散乱する死体の山々を見て、恐る恐るこちらへ近付いて来たサラ。

流石はサラだ。 これだけの死体を見てもケロッとしているとは。


「ぐっ、ぐほっ…き、貴様。 なに、何者だ…わ、我ら…を相手にして無傷だと? ふ、ふざけるな…」


おっと。 まだ生き残りが居たか。


「言った筈だ? 交渉の余地がなければ排除するとな。 お前達は何と言ったか? 魔族だったっけ? なんだか知らんが、俺に手を出して来たという事はそういう事だろう? それに警告はしただろ? それ以上踏み込めば殺すとな?」

「我らは…誇り高き魔族だ。 貴様らの様な下等――――」


パン!!

俺はうだうだと意味不明な発言をする男の額に鉛玉をぶち込んだ。


「よ、ようそんな…えぐい事が出来ますね…ご主人様。 まだ喋ってましたよ?」

「知るか。 全く…だから人の話を聞かない脳筋野郎共は嫌いなんだ」


何処かのエイリアンを彷彿させる様な連中だった。

おまけに人間を見くびっている態度から、家畜程度の認識しかしていないこの感じ―――何から何までそっくりである。


『こちらから言わせて貰えば、実力も見極められない様な連中の方こそ―――よほど愚かだと思うのですが?』

「まぁ言っても聞こえないだろう。 死んでるし」

『そうでした。 全員屍でしたね』


もはや問答無用と言わんばかりに攻撃を仕掛けて来たこいつらは魔族だという。

そういえばアリスからそんな話をチラッと聞いた気がするな。

けど、あいつはそう簡単に遭遇するような連中じゃないと言ってた様な―――


『計1000人弱と言った所でしょうか? 逃げる者には攻撃していませんので、それ程かと』

「いきなり1000人殺すとか…どうなってんだ。 大量虐殺?」

『寧ろ、こちらが狩られる側の立場だったと推測いたします。 ウサギ程度の人物だと思い、手を出したら、とんだ化け物だった―――』

「あとはなんだっけ? この世界に住まう種を殺し、頂点に君臨するとか?」

『そんな発言をしていましたね。 ここは一度、アリスさんに直接訪ねた方が得策ではないでしょうか?』


確かにな。

通信を飛ばしてもいい話が聞けるとは限らないし。

ここは俺が直接会いに行くとしよう。


「で、あの~…この死体はどうするんですか? ご主人様?」

「ん? あの蛇さんが食べてくれるだろ…」

「え!? こんな量いけますか!? だ、大丈夫ですか!? ブラッドスネークさん!?」

「シャ~」


丁度近くに居たご近所の蛇さんはいけるらしい。

それも大量の涎を垂らしているので、そうとう好物の餌なのだろう…魔族だけど。

っていうか、ブラッドスネークさんって呼んでんのか!? お前!?


蛇さんと仲良さげにサラは「本当にいけますか!?」なんて会話をしているあたり、あいつも相当こっち側に毒されてきているらしい。

しかし、今更ながらにどうしてこの様な事態になったのか―――それはほんの数時間前の話。




――――――――――


早朝。 再びアラート音が俺の睡眠を妨げる。


『警告。 警告。 現在、南西方面から接近中の軍勢を確認。 数300―――モニターに移します』


ピピッ。


「んぁ?」


寝起きとあってか頭が回らない――ん?待て?


「南西って? サラが向かった方向じゃ!?」

『はい。 ですが、サラと接触はしていないようです』


接触していない? 300の軍勢が接近していて? どういう事だ。


『詳しい情報は不明です。 が、反応を検知したのは先ほどです。 それまで何も反応も無く―――映像にも姿が映っていませんでした』

「転移って奴か?」

『恐らく』


全く。 魔法ってのは俺らの力並に便利な能力なんですね。

しかし、四の五の言ってる暇は無いか。 


「残りの円卓組に通達。 各自俺のチェックしたポジションに待機、命令があるまで動くな」

『『『『『#$$###$%$』』』』』

「ん? ユニットの装着? そうだな、一応それも頭に入れて置け。 とりあえず、俺は奴らと交渉できるか現場へ向かう。 アーサー? ビーストモードでこっちへ来い」

『$#%#$%!!』

『艦長。 各所トラップツールの使用はいかがしましょう?』

「まだ作動しなくていい。 無暗な殺生は避けたい――」


等と恰好を付けて発言していた俺をぶん殴りたい気分になった。

何故ならば、現場に到着した俺は自らを”魔族”と称する紫肌の男女に理由わけを聞こうと現場へ来たのだが―――


「人間。 交渉だと? ぬかせ、貴様の様な下等生物等と話す舌は持たぬ。 くっくっくっ…我らを魔族と知ってもその態度か? 面白い――だが、力量を見極めるべきだなぁ? こちらは300の軍勢。 どこに落ち度がある? それに貴様、なんと言った? この森へ踏み入れれば殺すと? ははははは! 面白い人間だぁ! なぁ? みんな!?」

「「「「ははははは!!」」」」

「おい人間? この方を知らないのか? 昔、王国を滅ぼした名高きベルザード様だぞ?」


1人の女が自慢げに告げる。


「さぁ? 知ってるか?」

『名前だけ一端ですね』

「違いない」

「? 何をボソボソと言っている?」


さてと。 最後の警告だ。 


「――――これが最後の警告だ。 一応あんたらにも家族とかそんなのがいるんだろう? 命は無駄にするもんじゃない。 それにな? ベラベラと馬鹿みたいに自分の計画を人に話すもんじゃない、そういうのは無能な奴がする事だ」

「何?」


安い挑発に反応を見せたベルザード。

あ~この感じ。 何年か前に体験した事があるぞ。


「はぁ。 サービスだ? もう一度だけ言うぞ? これ以上の侵入は、侵略とみなし排除する。 ほら、今線をひいてるだろ?」


近くに落ちていた木の棒で線をひいた俺は奴らの方を見てそう告げた。

 

「なんだ人間? 我らを挑発しているのか?」

「ベルザード様、このままでは埒が明きません。 さっさとこんな人間殺してしまいましょう?」

「ふっ、そうだな。 後悔するのは…貴様の方だ!」


不気味に微笑んだベルザードは全員に突撃する様、命令を下した。


「「「「「「うぉぉぉぉぉ」」」」」」

「残念だ。 レーザーネット…作動」

『了解』

「は?」


一斉に飛び込んで来た魔族達は次の瞬間、肉片と化していた。

数にして100人程度――俺を囲う様に突っ込んで来た連中は全員死んだ。


「100人だ」

「は?」

「今ので100人死んだ」

「あ、ありえん。 貴様…何をした!? ま。魔法だ! 魔法を使い攻撃しろ! 遠距離攻撃だ!」


おっと。 それを忘れてた。


『後方に待機する円卓組みからの伝言です。 ロック完了―――艦長の指示を待つ』


流石円卓組だ。 仕事が早くて助かる。


「さて、新たなルールを追加だ。 魔法で攻撃してくる連中も殺すって事で」

「はやくしろ! はや―――」

「円卓組。 やれ」

『#$%#$%&#$!!!』


ババババババ!!!

激しい銃撃音と共に目の前の魔族達は正確に頭部を撃ち抜かれ絶命してゆく。

1人、また1人と…やつらは何が起こっているのか理解していない様子だ。


数分後―――


「これで200人。 もう後がないぞ?」

「な、何が起こっている? 一体何が?」


ベルザードは後ろを振り返り、部下たちの屍を見つめた。

明らかに動揺が隠せていない。

それから暫くて――ベルザードの軍勢は誰1人として居なくなった。

逃げる者が殆どだったが、無謀にも特攻してくる者もいた。


「……こ、こんなものは戦いではない…蹂躙だ。 相手は1人…そうだろう? 何が、何が起こっている?」

「で? 世界を征服する第一歩はどうするんだ? まだ続けるか?」


ベルザードの前で胡坐をかきながらそう尋ねた。


「我が王の為…我は! 負ける訳――」


物凄い気迫で何かを行おうとしたベルザード…しかし。


「悪い。 パワーアップを待ってやるほど、俺は優しくないんだ」


ザシュ!!

ベルザードの最後は呆気ないものだった。 

俺の後方から飛んできたアーサーの剣が、いとも簡単にベルザードの首を切り落とした。


『目標クリア。 侵入を図る全ての対象を排除。 お疲れさまでした』


そして―――丁度そこにサラが帰って来たわけだ。

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