第五話 立てば芍薬座れば牡丹
こんにちは。みなさま。ミリアです。
ちげーよ俺だよ。俺は12歳になっていた。
名はミリア、女だ。なぜ女なのか。やはり呪いか。呪いなのか。俺がどこまでも苦しむように。
そして12歳ですが絶賛修行中です。暗殺の。
そう、ウチは農家を装った暗殺者の家。
義務教育なんて言葉はこの世界に存在せず、学校ではなく家で暗殺や読み書きなどを教えてもらっていた。
両親はどちらとも暗殺者である。仕事中に敵として出会い、殺し合いになった末に恋をして結婚したらしい。訳が分からん。
「おい、ミリアかかってこい」
「はい父上」
そうだった修行中だ。今は暗殺中に見つかって対人戦になった場合の訓練だった。相手は剣でこちらはナイフという不利な状況でいかにして戦うかというものだ。
「でぇぇぇやぁぁあ」
勢いよく斬りつける。素早く、身軽に。
吹き飛んだ。─俺が。
「まだまだだが中々良くなっている」
「ありがとうございます」
「あなたもう少し手加減できないの?」
「いやーハハハ」
なにわろてんねん。
と思いながら母親に傷の手当てをしてもらう。ちなみに母親は暗殺業を引退したらしい。普段は農家の真似事をしている。
そんな修行の日々を過ごしていると、私に間違えた俺に初めての依頼が来た。13歳の時である。
依頼は一人の女を強盗に見せかけて殺してほしいということだった。
噂によるとその女は最近子どもが勇者に指名されたらしい。知らんけど。俺には関係ない話である。子どもの方を自由に使うために親が邪魔なのであろう。
「よし、ミリアの初任務だ。しっかりやってこい」
お父さまから応援をいただいた。
「これをあげよう。俺のナイフコレクション1万本の内の1本だ。いいものだぞ」
弁慶かよ。
「ありがとうございます」
ナイフ1万本なんてこの狭い家のどこにしまってあるのだろう。地下室でもあるのだろうか。
今回の標的である女の家についた。
もちろん私は正面から堂々と押し入ったりはしない。この体もいくら鍛えようが女の子なのだ。普通に負けてしまう。
まずは勇者に指名されたらしい息子くんが厄介なので、いなくなるまで待つ。
「お母さん、山に行ってくるよ」
よっしゃどっか行った。
私は早速作戦を実行する。
「こんにちは」
と私は戸をたたいて標的の家に入った。
さっき『正面から堂々と押し入ったりはしない』と言ったな。あれは怪しまれる大人の話であって私の話ではない。なにせ私は立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花と例えられる程の超絶美少女。金髪碧眼のかわいい女の子だからだ。
言わなきゃただの村娘にしか見えない。筋肉がつかない体質らしく、そこら辺は技術でカバーしている。
今回は「家に入ってお茶でも出してもらっているときに後ろからドスン作戦」をやる。
「はぁい」
「こんにちは。あの、わたしお話があって来たんですけど、アリア・バーミストレアさんですよね」
「そうですよ。まあとりあえず中にでも」
第一段階クリア。ちょろい、ちょろすぎるぞ。
ちなみにバーミストレアさんは夫を亡くしている。夫は貴族で、アリアさんは貴族に嫁いだ農家の娘といったところだ。夫が死んだ後に家から追い出されたのだろう。だからこんなボロ家に住んでいる。
「ちょっと待ってて、今お茶を出すから」
この世界で客にお茶を出せる程の余裕があるのは中流階級以上だが、どう見てもバーミストレア家は下流の農家。ある程度の金は追い出されるときに貰っているのだろう。
チラとアリアさんが見える。
背中がガラ空きだ。私なら3秒で殺れる。
書いてて楽しいキャラ作りを目指しています。




