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第一話 魔族のとーちゃん
カチカチカチガッガガガがガガガがガガガが
時計の秒針が固まってしまいました。トントンと時計をたたいてあげると、カチカチと時計は動き出しました。
わたしはうれしくなったのでユーリお姉ちゃんに報告しにいきました。ユーリお姉ちゃん、あのねあのね。
ユーリお姉ちゃんは何でも聞いてくれるのです。うんうんすごいね、とほめてくれます。
わたしは今、一人でお留守番をしているのです。おとうさんとおかあさんがお出かけしているので家で待っているのです。
まずはおかあさんが見てもいいと言っていたテレビをユーリお姉ちゃんと一緒に見ます。大好きなアンパンマンのDVDを入れます。わたしはもう大人なのです。だってDVDを自分で入れられるから。
ずっとテレビを見ていて飽きてきたので、ユーリお姉ちゃんとトランプをして遊びます。ガチャリとドアが開く音がしました。おとうさんとおかあさんです。走っておかえりなさいをしに行きます。「一人でお留守番できたな。えらいぞルリ」「ルリちゃんも一人でお留守番できるようになったのねえ」ふたりともわたしをほめてくれました。