6話
「舞も来たことだし今後の方針の確認をしようか。」
「宿は確保できたから次は情報収集だったよね?」
「そう、情報がないと不便だからね。
でもその前に服装を早めに如何にかしたいかな。
この格好は目立ちすぎるし、
元の世界に戻れた時に制服がボロボロだと困るからね。」
着替えがなかったため僕も二人も高校の制服を着ているのだ。
舞は上にローブを羽織っていたから一人のときは注目が少なかったけど、僕と東はずっと目立ちっぱなしだったのだ。
「それよりも俺、空腹で倒れそうだから食べながら決めないか?」
「朝から何も食べてないから私もそうしたいかな。」
「正しくは昨日の昼からだけどね。」
「俺達何も食わずに、よくここまで動けたな?それよりも早く食べに行こうぜ。」
「服を買うのが先だからね。」
宿を出て服屋に移動した。
舞が服を選ぶのに時間が掛かったので昼食を取るのが遅くなった。
いるよね、普段は周りの気遣いができるのに、おしゃれのことになると途端に周りが見えなくなる女子って。
昼食も取り終わって図書館に来ていた。
図書館では入場料として一人当たり銅貨10枚掛かる。
お金に余裕がないので、調べごとに向いていない東には周辺の地理を調べてもらうことにした。
死体から得た知識がどれだけ正確か、自分達でも調べる必要があるが面倒なので理由を付けて東に押し付ける形になった。
それに東のレベルとコミュニケーション能力なら厄介ごとに巻き込まれても問題なく対処できるだろう。
「それじゃ舞、情報収集を始めようか。」
そう言って本を読み始めた。
閉館時間になったので情報収集は終了して宿に戻ることにした。
宿に戻ると東が先に戻っていた。
夕飯には少し早いかと思ったが情報交換のために時間がとりたかったので、少し早い夕飯を取ることにした。
夕飯も取り終わったので部屋に戻り情報交換を始めた。
まずこの世界の常識から、
なんと1日の時間が地球と同じ24時間だった、1年は12月まであり、奇数月と偶数月で日数が違うらしく奇数月が31日、偶数月は30日まであるらしい。
1年366日で地球のうるう年と同じ日数だった。
次は職業について、職業は商業関係、傭兵や冒険者と言った戦闘関係、それと統治者などの政治関係があるらしい。
この中で僕達ができそうなのは、戦闘関係の職業ぐらいだった。
次は種族について、この世界には大きく分けて人類種、獣人種、龍精種、妖精種、聖魔種、幻精種の六種が存在しているらしい。
人類種は人間族、小人族、巨人族の三種族。
獣人種は犬人族、猫人族、鳥人族、魚人族、鬼人族の五種族。
龍精種は蜥蜴族、竜人族、龍神族の三種族。
精霊種は妖精族、森精族、地精族、樹精族の四種族。
聖魔種は聖人族、魔人族の二種族。
幻精種は吸血族、淫魔族、幻影族の三種族。
計二十種族が存在しているらしい。
他の種族においては関わりが少ないらしく殆ど情報がなかった。
そして最後に何よりも重要な事、それは人間族のステータスがレベル×10ではなくレベル×20だったことだ。
ステータスが一定と言うのは当たっていたみたいだが同じ人間族なのに自分達だけがステータスが違うようだ。
おそらく転移者と言うのが関係していると思うが情報が少なすぎて答えが分からない。
だがこの情報で今まで以上にレベルを上げる必要が出てきた。