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10話(64話)


 女性達への奴隷魔術はリコリスに倒されてすぐに解除したので、リコリスにも聖女にも突然に女性達が襲い掛かって来たのは、僕が原因だと気付かれる事はなかった。

 稽古を終え夕食を作り始める。

 今日も作り終わる頃にルーは帰ってきた。

 リコリスも聖女も流石に気になったのかルーに何をしていたのかを訊ねたがルーが答える事はなかった。

 夕食を終え皆が眠りについた頃にルーが起き上がり、夕食前に男性達を連れていった場所へと歩き始めた。

 こんな時に魔物に襲われるのは嫌なので皆を覆う様に結界を張ってからルーの後を追う。


 ルーに追いつくとそこには蹲っているルーの姿があった。

「ルー、症状は大丈夫?」

 声を掛けるとルーの体はビクッと一瞬震えルーは恐る恐る僕の方に顔を向けた。

「何時から気付いてたの?」

「獣人族についての知識なら持ってるから、昨日女性達を連れてってた時には気づいてたよ」

(まあ、正しくはルーの記憶をそのまま持ってるんだけど)


 ルー僕の言葉を訊くと何かを諦めた様に溜息をついた。

「それなら早く言ってよ、そうすれば今日男達を連れてかないで済んだのに」

「それは抑えられないルーが悪い、嫌なら最初から僕に言えばいいでしょ」

「それは……そうだけど」

 ルーは僕に頼る事を一度、考えはしたのか声が小さくなっていった。

「次からは僕に言ってくれればいいから、皆が起きてくる前に早く終わらせるよ」

 僕のその言葉にルーは抑えが利かなくなったのか、襲い掛かって来た。

 念の為に言っておくが性的な意味にではない、純粋に僕を殺そうと襲い掛かって来たのだ。

 襲い掛かって来たルーの体を予め用意しておいた触手で一瞬の内にルーの体を抑え込む。

 ルーが触手を振り払おうと暴れようとするが、触手の方が力があるので振り払う事ができない。


 だけど暴れてくれた方が治まるのも早いので触手での拘束を解いてあげた。

 するとその瞬間に距離を詰めようとルーが一直線に突っ込んできた。

 それ横に躱すと、それを読んでいたのかすぐに方向転換をして距離を詰めてきた。

 距離をただ開けているだけではつまらないので、ルーの攻撃を全てしのぐ事にした。

 ルーの動きは普段とは違い直線的なものが多かったので、攻撃が読みやすく防ぐのは簡単だった。

 彼是十数分続けているとルーの動きが鈍くなってきた。


 それもその筈だ今のルーは後先考えず常に全力で動いている状態だ。

 それで限界が来ない訳がない。

 動きが鈍って生まれた隙に容赦なく蹴りを入れる。

 ルーの防御がギリギリ間に合うように蹴ったが、疲れで踏ん張りが利いていないのかルーは吹き飛ばされ木に衝突する。

 その衝撃でルーの意識が飛んでしまったらしく起き上がって来なかったので触手で持ち上げ寝床に戻しておいた。



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