1話(55話)
三章に突入です。
小屋に着くと出迎えたのは聖女だった。
僕は聖女の事を知っているが、聖女に前見せたのは化物の姿だったからか、僕とは初対面と感じた様だ。
お互いに入り口で如何すればいいかわからず立ち尽くしていると、アヴェリティアがやって来た。
「そんなところに何時までも立ってないで、入りなよ」
「それじゃあ遠慮なくお邪魔するよ」
僕とルーが小屋に入るがリコリスはその場を動こうとしないので、脇に抱えて寝室のベッドに寝かせておいた。
皆の所に戻るとアヴェリティアは何かあったのか、僕の方を面白い物でも見るかの様な顔で見てくる。
「如何したのアヴェリティア? 久しぶりに会ったから目を話したくないの?」
「ははははは、そんな訳ないじゃん、冗談ならもっと面白い事を言ってよ」
「僕も我ながら変な冗談を言ったと思ってるよ。冗談もこれぐらいにして彼女何でここにいるの?」
聖女を指さしながら言うと聖女は自分の素性を知られたからかビクッとなった。
アヴェリティアはそんな事は気にせずに話始める。
「如何やら城への襲撃があった後、城が大混乱の中、隙を見て抜け出して来たみたいなんだ」
「それで城の方は聖女が行方不明になって焦ってるの?」
「物凄く焦ってるね。でも聖女がいなくなった事を口外すると前の聖女の事もあるから、好くない印象を持たれるって事で襲撃が原因で聖女は寝込んでるって事になってるみたい」
聖女は今の会話を聞いて絶対に僕達に素性を知られてると確信したのか、冷や汗を流しながら動揺を隠している。
そんな中唯一事情を知らず話について来れなかったルーが質問してきた。
「リョウ話についていけず置いてきぼりにされるのは別にいいけど、まずこれだけは教えて、この人達ってどういう人達なの?」
「そう言えば言ってなかったね、こっちの背の低いのがアヴェリティアと言って人類種の神様で、こっちの冷や汗流してるのが聖女だよ」
「「神様だったの!!」」
アヴェリティアが神様だという事にルーだけではなく聖女も驚いていた。
如何やらアヴェリティアは聖女に素性を事を全く教えていなかった様だ。
そんな二人の驚きを他所に今度はルーとリコリスについて説明した。
「今度は僕が連れてきた二人の説明をするよ。先ずそこに座っている着物の少女はヴァルトルート、フルネームで呼ばれるのは好きじゃないらしいからルーって読んであげて、次にベッドに寝かせてきた少女はリコリス、今は色々とあって精神的に不安定だからそっとしておいてあげて」
その後、ルーに僕の素性を話していない事に気付かれ、神の使いの者と適当な事を言っておいた。
アヴェリティアがそれを聞いて笑っていたが気にしない事にした。




