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26話(51話)


 涼視点


 創り出した十本の触手を無造作に変則的な動きでインヴィディアを狙うがことごとく躱されてしまう。

 躱されるだけならまだいい、問題なのは一度躱すごとに躱す為の動作が最小限になり段々と距離を詰められ始めている事だ。

 負けじと回避しにくいように躱された瞬間や死角から狙っては見るものの、大した成果は得られていなかった。


 インヴィディアはまるで何所に来るのかがわかっているかのように躱している。

 それが直感によるものなのか経験に裏打ちされたものなのかはわからないが、未だに一撃もいれられていない。

 一撃でもいれられれば『血肉化』で戦況は大きく変わる筈だがそれを簡単には許してくれない。


 もしもインヴィディアが素手ではなく剣等を持っていたら、今頃創り出した十本の触手が全て斬り捨てられてそうだ。

 できればそちらの方が選択肢が増えるから嬉しいのだが、それを理解しているからか触手に攻撃してくることはない。

 流石に数十分も触手で攻撃してそれを躱されて距離を詰められて距離を取る、この流れを繰り返しているとやる気が無くなり始める。


 このままでは負ける可能性もあるので戦術を変える。

 今まで触手を躱された後は他の触手で攻撃していたが、それに追加して躱された触手から更に触手を創り出してインヴィディアを襲う。

 一瞬インヴィディアの顔に驚愕の表情が見えたがインヴィディアはギリギリの所で躱す。

 今まで最小限の動きで躱していたが、最小限で躱すと触手から創り出した触手を躱すのに余裕がなくなってしまうので、インヴィディアの躱す動きがほんの少しだが大きくなった。


 だがそれで終わらせる気はこれっぽっちもない。

 僕だってただ回避され続けていたわけではないのだ。

 インヴィディアの回避する方向を誘導して触手で回避先を狭めていき、触手でインヴィディアを覆いつくす。

 覆いつくせた瞬間に内側をスライムの酸に変え外側に漏れ出さない様に今まで別々だった触手を隙間なく三重の膜に変える。

 普通のスライムの酸ではインヴィディアを殺すのに時間が掛かりそうだったので濃度を数百倍に引き上げている。


 如何やら上手く行ったようでインヴィディアが骨も残さず溶けた。

 残念だったのはインヴィディアに『血肉化』が働かなかった事だ。

 コピーとは言え神様相手には効果がないようだ。

 効果があればインヴィディアの持っている知識を奪えたと言うのにものすごく残念だ。

 インヴィディアを倒したからか部屋全体が光を放ち視界が光に包まれた。


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