25話(50話)
リコリス視点
先程までリョウさん達と同じ部屋にいたはずなのに、指示通り魔石に魔力を込めると魔法陣が光って、気が付くと一面真っ白な部屋で一人になっていた
皆は何所に言っちゃたんだろう?
周囲を見回してもやっぱり誰もいないし何もない。
一人きりになるのは久しぶりすぎてどう過ごせばいいのかわからない。
誰かが来てくれるまで何をすればいいのかわからないから、部屋の隅に移動してうずくまり自分の身体を抱きしめながら寂しさを紛らわす。
リョウさんに会う前の私だったら誰とも会わずに済むから一人に成れて喜んでたと思うのに、今は一人でいると前よりも寂しさを感じる。
やっぱり一人は寂しい、誰か私と一緒にいてほしい。
そう思っていると何か音がした。
音がした方に顔を向けてみるとそこには、全身血まみれで翼は羽を毟られ痛々しい程に傷ついていて、叫びだしたくなる程の激痛に苛まれている筈なのに笑顔のお父さんとお母さんが立っていた。
なんで?如何して此処に?
二人はあの時死んじゃった筈なのに、私のせいで死んじゃった筈なのになんで?
思い出したくなかった、忘れようとしていた、忘れ始めていた、二人が私のせいで死んじゃったことを。
最近になってやっと魘される事もなくなってきたのに。
何で今になって私の目の前に現れるの?
私のそんな思いに反応したのかお母さんが私に問いかけて来る
「如何して貴女は私達の事を忘れようとするのかしら? 私達は貴女の望むものを全て与えてあげたじゃない。玩具も楽器も動物もお小遣いも羽も全て貴女が望んだら拒まず拒めず全てあげたのに如何して? 私達は貴女のせいでこんなにも醜い姿になって殺されてしまったと言うのにそれをどうして忘れようとするのかしら?」
「それ以上喋らないで聞きたくない!」
「またそうやって私達の意思を貴方の都合で捻じ曲げて、従わせようとするのね」
「お願いだからもう忘れさせて! もう思い出したくないの!」
「何故忘れられると思ってるのかしら? これは貴女の罪よ。死ぬまで一生付きまとう忘れる事の許されない貴女の罪。思い出しては苦しんで後悔し続けるのよ……死ぬまで永遠にね」
お父さんもお母さんも笑い続けている。
気持ちが悪い、実の親の筈なのに何故かそう思ってしまう。
もう二人の事は忘れたい、誰か誰でもいい私の記憶を消し去ってほしい。
こんなに苦しい記憶なんていらない。
こんなに悲しい記憶なんていらない。
こんなに寂しい記憶なんていらない。
だからもう私にこんなものを思い出させないで。




