24話(49話)
クリストフ視点
先程まで巫女様達と部屋にいたはずなのに、リョウの指示通り魔石に魔力を込めると魔法陣が光った。
そして気が付くとアルノルト様と二人で森の中にいた。
アルノルト様が此処にいるはずがない。
アルノルト様の亡骸はこの目で見ている、埋葬にも立ち会った、だから此処にいるはずがないのだ。
「アルノルト様の姿をする不届き者が! 貴様は何者だ正体を明かせ!」
アルノルト様の姿をした不届き者は、私の言葉にニヤリと笑みを浮かべた。
何か仕掛けて来るのではと、何時でも対応できる様に構え警戒する。
どう動くか読めないので警戒を続ける、だが不届き者は一切動かない。
此方から仕掛けようにも隙がなく仕掛けるのを躊躇してしまう。
互いに動かずにいると突然不届き者との間に小さな、まだ十もいかないであろう程の子供が現れた。
たった今現れたばかりの少年が此方に振り向く。
その顔には見覚えがあった。
それは、まだアルノルト様に拾われて間もない頃の幼い私だった。
少年は私が戸惑っているのにも目もくれず問いかけてきた。
「ねぇなんで僕を拾ってくれたアルノルト様に牙をむいたのに罪悪感がないの?
ねぇ如何して種族が違う僕の事を育ててくれたアルノルト様が死んじゃったのに平気なの?
ねぇ何故アルノルト様が愚者として死んでしまった原因の男と一緒に居るの?
ねぇ如何して? ねぇなんで?ねぇ如何して……なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで──」
耳を塞ぐがそれでも「なんで」と聞こえて来る。
だが私は少年の言う通り何故アルノルト様が死んだ事に対してこんなにも他人事のように感じているのだ?
何故だ? 如何して? 何時からだ?
何時から私はこんなふうになってしまったのだ?
自分の記憶を振り返っていく。
するととんでもない事に気が付いた。
アルノルト様を刺した時私はリョウに操られていた筈だ。
何故それを今まで忘れていた? そして何故その時の憎しみや怒りを忘れさせられていた?
私が困惑していると少年が「なんで」と言うのを止め話しかけてきた。
「やっと思い出したようだね。そう君は彼を恨んでいた筈だ、憎んでいた筈だ。
今こそその思いをこの剣に込め彼に逆襲する時だ」
アルノルト様と少年の身体が光の粒になったかと思うと一カ所に集まり一振りの剣に変わっていた。




