3話
あれから人を探しながらゴブリンを数匹狩ってレベル上げをしていたが生き物を殺す事に二人はまだ慣れないみたいだ。 早く慣れてほしい。
そう言えば一応人は見つけた、ただし死体だった、可哀想だという事で所持品を回収してから埋葬してあげる事になったが人を埋められるだけの大きさの穴を掘るのは流石に疲れた。
だが、収穫も有ったので良しとしよう。
死体が持つ言語スキルの事を二人に話し死体をを少し口にしてみる、すると死体の持っていたスキルや知識等が手に入ったのだ、如何やら死体からでもスキルを得られる様だ。
知識が手に入った事により、この世界の常識等も分かった上に人間の死体を口にしても二人に嫌われる事も無く、これからも一緒に行動出来るので不謹慎だとは思うけど、僕にとってこの死体は有難かった。
回収した物の中には短剣やローブが有ったので東が短剣を舞がローブを着る事になった。 他の物は三人で手分けして収納に入れておいた。
東は短剣を持って少し振っただけでスキルを習得していた、舞はローブが少し汚かったので嫌そうな顔をしていたが、最後は諦めて着てくれた。
あれから道に出たので道成に歩いている。
「なあ、本当にこっちで良いのか、もう暗くなってきたぞ。」
疲れてきたのか心配になったのか東が声を上げる。
「分らないけど多数決で決まったんだから今更文句を言うなよ。 それにこのまま道成に進めば何時かは町か村に着けるだろ。」
死体が持っていた知識で町が有る事は分かっていたが、黙っておく。
「それに東もこっち側に行くに一票入れてたじゃない。」
「まあ、そうなんだけどなぁ…暗くなって来ると流石に心配になってくるだろ。」
舞に言われた事を気にしてか少し声が弱くなっている。
「その気持ちは分からなくもないが、引き返したら今まで歩いてきた分が無駄になるぞ、それに丁度マップに町が映ったぞ。 この距離なら今日中には付けるからあと一踏ん張りだ。」
町が有る事が分かったからか二人の顔は少し明るくなっていた。
「はぁー…疲れた~」
「流石に此処まで歩いて来るのは疲れたね。」
「早めに足を確保する必要が有りそうだな。」
「でもまずは早く寝床に付きたいよ。」
「俺もだ」
あと少しで町に入れると二人は顔も明るく余裕を取り戻して来ていた。
しかし直ぐに二人の顔は暗くなっていく、なんと町に入る為の門が閉じているのだ、死体から得た知識によると夜間は魔物が町に入るのを防ぐ為に閉じるのだとか、何でそれを二人に言わなかったのかって、知識の事を二人に話していないと言うだけだ、けして二人を上げて落としたかったからではない。
そんな事よりもどこで野宿するか決めっる必要がある、問題としては野宿をする為の用意が無い事だ。
知識は死体から得てるで何とかなると思うがテントなどの道具が無いのはどうしようもなさそうだ。
「二人共、壁の近くで野宿しようと思うけどそれでいい?」
「俺は休めるなら何所でもいいぞ。」
「私もそれでいいよ。」
それから見張りの順番を決め仮眠をとる事になった。
因みに二人共、疲れが溜まっていたのか結局僕一人で朝まで見張りをする羽目になった。