15話(40話)
巫女(?)の心臓を貫いたのと同時に結界が消えた。
結界が消えたことによってMPを消費する必要のあるスキルもステータスも通常に戻った。
よって今まで何とか拮抗させていた戦闘も、状況が一変して即座に戦闘が終了した。
四人組の身体を触手で切り裂き死体を取り込んだ。
巫女(?)の死体は実験の為に使わせてもらう。
貫いた心臓の代わりに創り出した心臓を巫女の身体に埋め込み傷を塞ぐ。
創り出した心臓を動かし始めると巫女(?)は意識を取り戻した。
「私は心臓を貫かれて死んだはず……人間族貴様私に何をしたのですか!」
「別にたいした事じゃないよ。ただ傷を塞いで助けてあげただけだよ」
「助けただと、貴様が私を傷つけたくせして何が助けただ!」
巫女(?)が球体の神具に手を伸ばして結界を張ろうとするが結界が張られることはなかった。
「何故です? 何故動かないのです! これは私にしか起動できないはずなのに」
「焦ると一人称が変わるんだね。もしかしてだけど言葉遣いとか気にしてたの?」
如何やら図星だったようで巫女(?)はたじろいでいる。
「ここには獣人がいないから口調は気にせずに話してもいいよ」
巫女(?)は図星を突かれたからか口を閉ざしてしまった。
如何やって口を閉ざしてしまった巫女(?)から話を聞こうか考えていると、少し離れた所から聞きなれた声がしてきた。
そちらを向くと結界に守られたリコリスの姿があった。
予想外の事が起きすぎていてリコリスのことを完全に忘れていた。
流石のリコリスでも忘れられてたとなると怒りそうなのでそのことは黙ったまま結界を解除した。
「リョウさん苦戦していたようですけど怪我とかないですか?」
「僕は大丈夫だよ、リコリスは怪我とかしてない?」
「はい、リョウさんが結界で守ってくれたのでかすり傷一つありません」
お互いに状態を確認し終えると、巫女(?)について訊ねてきた。
「実験がてら助けたけど、如何しようねぇ……取り敢えず連れてくとして反抗されても面倒だし奴隷契約でも結んでおこうか」
「奴隷契約をですか」
「別に酷いことをするわけじゃないよ。ただ文句を言わせずに僕達に同行させるだけだから」
「十分酷いことだと思いますよ」
「っまっまあ、そんなことは置いといて契約を結ぼうか」
巫女(?)は逃げ出そうとしていたので心臓を一瞬だけ止めて逃げ出せない様に触手で体を縛る。
暴れようとするが触手はびくともせず巫女(?)は動きを封じられていた。
巫女の背中から心臓の有る位置に手を翳し獣人から奪った奴隷魔術を使用する。
発動してから待つこと一分巫女(?)の背中に刻印が現れたのを確認した。
「これで契約は完了したよ、これから君は僕の奴隷だいいね」
「良い訳ないでしょ、奴隷よど・れ・い、奴隷になってはいそうですかって受け入れられるわけがないでしょ、なんでそ──」
「口を閉じて」
「──むーむむむ、むー」
急に口を閉じさせられたからか息ができなくて苦しそうだ、鼻で呼吸すればいいのに?
「口を開けていいよ」
「ぷっは、急に何するのよ」
「煩かったからつい」
巫女(?)は文句を言い続けているが面倒なので全て聞き流しておいた。




