12話(37話)
アヴェリティアは招集を受け、とある空間へと出向いていた。
その空間には円形のテーブルに椅子が六つ用意されただけで他には何もない質素な所だ。
アヴェリティアがその空間に入ると既に五つの席が埋まっていた。
「やあ、久しぶり。っと言っても一人はこの間会ったばかりだったね。それにしても、時間通りに来たはずなんだけど、みんな来るのが早いね。それにしても私達が全員集まるのって何時以来だっけ?」
アヴェリティアが尚も話を続けようとするのをインヴィディアが遮る。
「そんな御託はどうでもよい、我々が集まった理由は理解できているのであろう」
「相変わらずせっかちだね」
「貴様みたいに時間を無駄にする気がないだけだ」
アヴェリティアが小馬鹿にするような言い方で言い返す。
「私としては無駄にしてるつもりは無いんだけどなぁ~」
二人がそのまま言い争いを始めようとするのを見かねて、イーラが無言の殺気で強制的に黙らせる。
発言のし難くなった空気を換えようとしてなのか、それとも只々気にしていないのか、スペルビアが何時もの調子で話し始める。
「二人の何時も通りの言い争いは置いといて、我々が集まった理由だけど皆もご存知の通りアヴェリティアの所のイレギュラー君についてだ」
スペルビアは全員の注目が自分に集まっているのを確認してから話を続ける。
「悲しい事に、彼が今まで保っていた均衡を崩し始めている。彼の進行を止めたいとこだが、残念ながら我々には彼に直接手を下す事は出来ない。そこでそれぞれの種族に一つずつ神具を与え彼を討伐させようと思う」
「均衡を保ってきたって言うけど、君達は権限を失うのが怖いから、争いを避けて唯一神を決めるのを先延ばしにしてたのだけでしょ」
アヴェリティアが五人に向けて挑発的な態度で言うと、例のごとくインヴィディアが反応する。
「紛い物である貴様に何が分かる」
「さぁ、なぁ~んにもわっかんないなぁ~、だって私は君の言うとり紛い物なんだもの。だから創星で何が在ったかなんて如何でもいいんだよ。それにやってほしくない事なら、出来ないように典則に記しといてくれなきゃだめだよ」
「貴様!──」
インヴィディアが怒りに任せて身を乗り出そうとしたのをルクスリアが止める。
「インヴィディアよ、苛立つのは分からなくもないがティアの言い分ももっともだ。我々『神が異世界から人を連れてくること禁止する』と言う典則の穴を突いて、坊やを連れてきたその手際は褒めるべきであるし、我々が争いを避けてきたと言うのもまた事実だ」
ルクスリアの発言にインヴィディアは言い返せずにいる。
「ただなぁ、前にも伝えたはずだが、ティアお前のところの坊やが私の大事な娘に手を出してくれたからな、その報復はさせてもらうぞ」
「それは別に構わないよ、出来るものならね。それで私に言いたいことは、全員言えたかな?」
アヴェリティアは五人がそれぞれ言いたいことはないという意思を示したのを確認して話を進める。
「それじゃぁ、言いたいことは言えたようだし、神具を与えるのに賛成か反対かの採決を取ろうか。賛成の者は挙手」
アヴェリティア以外の五人が挙手をした。
「やっぱり賛成が過半数を超えたか、まぁ仕方ないよね。それじゃぁ、用も済んだし私はもう戻るね」
言うが早いかアヴェリティアは姿を消していた。
それに続いて次々と他の者も姿を消し、その空間は閉じられた。
そのうち、登場人物をまとめたものを投稿する予定です(予定は未定)




