11話(36話)
轟音がして意識が覚醒した。
クリストフに取り付けた腕に意識を切り替えてみると見るも無残な戦場がそこにはあった。
まぁ直視するんですけど。
鎧などを装備した者から装備していない兵士ではなさそうな者まで多くの亡骸がそこら中に転がっていた。
如何やらこの惨状はアルノルトの手によるものの様だ。
命令通り獣人を皆殺しにしているらしく周囲には生きている者は一人も居ない。
如何やらアルノルトはもう次の場所へ移動してしまったようだ。
クリストフがアルノルトを追いかけようと走り出したがまだやっておきたい事があるので体の主導権と意識を奪った。
主導権を奪えたのを確認して、右腕から触手を伸ばし亡骸や興味の湧いた物を次々に取り込んでいく。
取り込んだ者の殆どが兵士ではなかったので猫人族の内、虎が手に入らなかった。
クリストフの記憶を見ると此処以外にも猫人族の拠点はあるみたいだからコンプできそうだ。
目的は達成したので体の主導権をクリストフに返し意識を体に戻す。
目を開けるとまだリコリスは眠っていた。
声を掛けてみるが疲れが溜まっていたのか起きる気配がない。
仕方がないので触手を使ってリコリスを起こさないように背負い移動する。
走って行こうかとも考えたがリコリスが起きてしまいそうなので翼を生やし空を飛んでいくことにした。
空からクリストフがいたところを見ると、そこだけ建物が壊れ周囲には血が飛び散っており、そこら中に火が付いていた。
そこに降り立って今度は自分の目で眺めてみる。
念の為に面白そうな物を取り忘れていないか触手を伸ばしてもう一度確認する。
徹底的に探したが特に取り忘れはなかった。
触手を戻しているとリコリスが目を覚ました。
「っひ!……っな、何これ?」
「えっと、取り敢えず移動しながら話すね」
リコリスを背中から降ろして一緒に飛び立つ。
「僕が見たことを順番に話してくね。まずは……クリストフを逃がした後休憩を取ったのは覚えてる?」
リコリスが頷いたので話を続ける。
「仮眠をとってたら轟音がして、目を覚ますと煙が上がってるのが見えたからリコリスを起こして先の所に向かおうとしたんだけど、リコリスが起きなかったから背負って向かったの」
「起きれなくてごめんなさい」
「別に怒ってないから気にしないで良いよ。っで話の続きだけど先の場所に着くと沢山の死体が転がってたから取り敢えず回収して触手を戻してたらリコリスが起きたって訳」
「何で死体を回収してたんですか?」
「同じ所に埋めて上げようと思ったからって言うのと、アンデットになったら可哀想って言うのと、『血肉化』で取り込んでおきたかったから」
「最後のが本音ですね。それで死体はもう埋めたんですか?」
「まだだよ。まだ犯人が生きてるみたいだから先に退治した方が良いかなって思ってね」
「勝てそうですか?」
「さぁ? まだ犯人を見てないから何とも言えないかな」
「そうですか」
「それより、早く止めた方が良さそうだし急ごうか」




