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3話(28話)


 アイコンの地点に近づくと魔物が見えてきた。

 リコリスは予め詠唱していた魔術をダイアウルフに向けて放つ。

 ダイアウルフは意識外からの奇襲により混乱するが周囲のダイアウルフによりすぐに混乱が収まった。


「リョウさん、左の四体頼んでもいいですか?」

「四体だけでいいの?」

「私が言い出したことだから、出来るだけ頑張りたいんです」

「それじゃあ怪我だけには気を付けてね」

 リコリスは笑顔で返事をすると右側から回り込むために背を向けて飛んで行った。


 此方に注意を引きつけてリコリスが少しでも戦いやすくなるように左の四体を一体ずつ順番に足を一本一本、先端を剣に変えた触手で目にも止まらぬ速さで切り裂いていく。


 ダイアウルフは突然仲間の足が前触れもなく順々に落とされていく光景を目にして恐怖にかられたのか、無傷の六匹がリコリスが回り込んだ方へ逃げ去っていく。

 念の為に気付かれないように逃げて行った魔物の後を付けて行くと、逃げるのに必死で隙だらけのダイアウルフにリコリスが魔術を放って次々と倒していく。


 六匹が倒れたのを確認したリコリスが姿を現し、無限収納インベントリに死体を入れる為に近づこうとした瞬間横の茂みからゴブリンが襲い掛かってきた。

 リコリスはマップを見ていなくてゴブリンが潜んでいることに気が付かなかったのか、奇襲に対処できず身を屈めて目を閉じてしまった。


「『風ノ障壁』」

 魔術を発動した直後ゴブリンは風ノ障壁に吹き飛ばされた

 もしもの時の為にと備えておいてよかった。


 吹き飛ばされたゴブリンとその他のまだ身を潜めていたゴブリンにも触手で片づけて流れで無限収納インベントリに入れておいた。


「リコリス怪我はない?」

 リコリスは僕の声を聴いて顔をあげたがまたすぐに顔を下げてしまった。

「リコリス怪我はない?」

 もう一度同じ調子で声を掛けると今度は顔を下げることなく僕の方を向いて小さく頷いた。


「………な……い…」

「何?」

「ごめんなさい」

「如何して謝ってるの? リコリスは何か謝る様な事をしたの」


「だって私倒せたと思って……周囲の安全も確認しないで……ゴブリンに襲われて……リョウさんに助けられて……」

「それが分かってるなら十分だよ、次に同じ失敗をしないようにすればいいよ」

「でも……私……」

「リコリスは誰かを助けた時にごめんって謝られるのがいい」

 リコリスは顔を横に振る


「……ありがとうって言われたい、っあ……そっか、リョウさん助けてくれてありがとうございます!」

「どういたしまして、それじゃあダイアウルフを無限収納インベントリに入れたら、襲われてた人の所に行こうか」

「はい!」


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