2話(27話)
入れば最後無事には出る事が出来ないと言い伝えられている迷いの森、その上空を飛んでいた。
「だいぶ上手に飛べるようになったね」
リコリスは小屋を出て数日の間真面に飛ぶことすらできなかった。
恐らく幼少期から空を飛ぶことなく森で暮らして生活してきたのが原因だ。
本来なら幼少期に親から飛び方を教わるみたいだが、リコリスは誰に教わることもなく今まで生きて来た。
だが今回迷いの森を避けて空を飛ぶのが一番の近道だった為リコリスには空を飛べるようになってもらった。
初めの内は僕が手を引きながら一緒に飛び、慣れてきたら手を放して一人で飛ぶ練習をした。
リコリスは呑み込みが早くほんの数日で一人で飛べるようになった。
一人で飛べるようになったとは言え、強風や魔物に襲われた時などにバランスを崩し何度か墜落しかけていたが、今では冷静に飛べるようになっていた。
「リョウさん、そろそろお昼になるので休憩しませんか」
「もうそんな時間か、じゃあ足場を用意するね」
結界魔術を足元に創り足場にする。
周囲に見つからないように僕達を覆う様にもう一つ結界を張っておく。
「出来たよ、それじゃあご飯も出すね」
無限収納から食料を取り出し並べていき、並べ終わったところで水魔術で手を洗う。
この世界には食事の前に手を洗うという文化はないが地球に居た頃の癖で僕がやっているのを見てリコリスもやるようになった。
それから昼食を食べ終わるとまた目的地を目指して飛び始める。
数日間これを繰り返しているので飛ぶまでの時間に無駄がなくなってきていた。
飛ぶのを再開してから少したった頃マップにアイコンが表示された。
そのアイコンの周りには赤のアイコンがいくつかあった。
「リョウさん、森の中に襲われている人がいるみたいですけど如何しますか?」
アヴェリティアの計らいでマップを特定の相手にも見せられるようになったので、リコリスにも見えるようにしていた。
そのせいでリコリスも気が付いてしまった。
リコリスが気が付かなければそのまま見なかったことにして飛び続けようと思っていたのだが、リコリスに気が付かれた以上そうもいかなくなった。
「リコリスは如何したいの?」
「できれば助けてあげたいです、駄目ですか?」
「駄目じゃないよ、それじゃあ助けに行こうか」
そう言うとリコリスは一直線にアイコンの有る所まで下りて行く。
リコリスの後ろで何が起こってもリコリスだけは守れるように付いて行くことにした。




