23話
城からある程度離れた人のいない所に一旦降り、舞を下ろしてから姿をグリードに変える。
「それが貴方の本当の姿なの」
舞は何処か楽しそうに聴いてくる。
何が楽しいのかは分からないし、答える気もないので無視をして、舞に付いてくるように言い歩きはじめる。
それから数分歩いたところにある小さな小屋に入った。
この小屋はアヴェリティアが作り出した小屋で、他の人には見えないようになっている。
仮に見つけたとしても、中には入れない様になっている。
小屋の中には眠らされている東と本来の姿のアヴェリティアと小屋の隅にリコリスが座っていた。
「約束の時間までに舞ちゃんを連れて来てくれてよかったよ」
「何でその名前を知っているんですか!?それに何で東がいるんですか?」
「そんなことは置いといて、舞ちゃんは地球に帰りたい?」
「っ!……帰れるんですか?」
「帰れるよ。舞ちゃんが望むのならだけどね」
「私は帰りたいです。もうこの世界には二度と来たくないです。」
アヴェリティアは舞の返事を聞くと指を鳴らした。
そうすると地面に魔法陣が現れた。
アヴェリティアは舞を魔法陣の上へと促す。
僕は気絶している東を魔法陣の上に動かす。
「それじゃあ、これから君達を地球に帰すから動かないでね」
「ちょっと待ってください、東がこの世界にいるということは、もしかして涼もこの世界に来ているんですか。」
「涼って子は先に地球に帰したから安心していいよ。それじゃあ、もう送っていいね」
勿論アヴェリティアが言ったのは真っ赤な嘘である。
現に僕は姿を変えて此処にいるのだから。
僕はこの世界に残ってやることがあるから帰るわけにはいかない。
アヴェリティアが詠唱を始めると魔法陣が光りだした。
魔法陣が光りだしたのと同時に舞たちの姿は消えていく。
そして舞が消える直前、僕の方を向いて何か言ったように見えたが、僕は舞が何と言ったのかは分からなかった。
二人が消えるのを見届けると、僕は姿を元に戻すことにした。
元に戻し終わったところで、アヴェリティアが声を掛けてきた。
「二人の記憶から君の事は消しておいたよ、それと今から君のステータスの調整をするから、この小屋に数日は籠ってもらうからね」
アヴェリティアが言うには『血肉化』で多くを取り込みすぎたせいで、レベルアップの処理の時に処理落ちすることがあるらしい。
このままでは他のところまで影響が出る可能性があるのでシステムからステータスを調整して軽くするらしい。
僕には詳しいことは分からないから、取り敢えず指示に従うことにした。
調整を受けている間はリコリスとだらだら話しながら過ごす予定だ。
さて、どんな話をしようか?




