21話
朝になるとリコリスは何事も無かったかのように接してくれたが、何所か悩んでいるような感じだった。
それから四日経ち王都が目前に迫ったころには、自分の中で悩みを解決できたみたいで、前みたいに話してくれるようになった。
そしてその翌日、僕達は王都に到着した。
王都に到着して東と舞にはまず、ギルドに依頼完遂の報告に行ってもらい、僕とリコリスは王都の地理を憶えるのを兼て色々なお店を見て回っていた。
王都では今まで見てきたどの町よりもにぎわっていた。
何所の道も人通りが多かったが、その分道も広く混雑はしていなかった。
歩いていると突然リコリスが話しかけてきた。
「リョウさんは本当に二人とお別れしちゃうんだよね」
「そうだね」
「私が止めるようにお願いしても止めないんだよね」
「やめないよ」
これは僕だけの意思で決めていい事じゃないから。
「じゃあ、何があっても私を一人にしないって約束してくれる?」
「絶対一人にしないよ」
「じゃあ、終わったら私を迎えに来てくれる」
返事をする代わりに頭を少し荒く撫でてあげると、少しうっとおしそうにしたがしだいに嬉しそうに微笑みながらおとなしくなでられていた。
撫で終わると少し名残惜しそうにしながら、今日の宿を取るためにまた歩き出した。
それから二人と合流して宿を取ると、僕は王城のとある一室を目指して一人で歩き始めた。
できる限り人に見つからないように隠れながら、王城のすぐ近くに移動して周囲に誰もいないことを確認してから、マップで舞の居場所を確認する。
しかし舞のアイコンがどれかを確認する事は出来なかった。
仕方が考えていた内の一番被害が出る案を採用することにした。
スキル形状変化を使用して全身を変えて行く、背中からは漆黒の翼、全身は獣のような剛毛、手は黒く鋭い爪、顔は肉が一切付いてない髑髏、額には鋭く尖った角に変わっていった。
これで人間族だとはだれにも思われない。
リコリスから『血肉化』で得たスキル飛行で空高く飛びあがり、一気に王城の壁へステータスにものを言わせ蹴りを放った。
王城の壁はもしもの為に簡単には破壊できないよう頑丈に作られているのだが、『血肉化』で上げすぎたステータスの前には紙も同然のように大きく穴が開いた。
一応マップで人の少ないところの壁を破壊したからか怪我人は少しの様だった。
奇襲を受けたことで警備が移動するのをマップで確認しながら、舞の居場所に代替のあたりを付ける。
警備が集中しているのは三か所。
そのうち守られているのが一人の所が二か所あるので先に近い方から襲撃することに決めた。
ただ警備もただでは進ませてくれないようで、壁などに傷が付くことも厭わず魔術を放ってきていた。
少し遠くにいる指揮官らしき男が「壁などに傷が付いたとしてもあの化物のせいにしてしまえばいい、だからお前たちが出せる最高の魔術をくらわせてやれー」と周りに指示を出していた。
──よし殺すか。
魔術は全てスキル形状変化・捕食で取り込み『血肉化』で有難く習得させてもらいながら、今習得したばかりの魔術をステータスにものを言わせて打ち込んでいく。
数十発撃ち込んでから周りを見ていると警備が全員跡形もなく消え去っていた。




