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19話


「おはよう、よく眠れた?」

「はい、今日こそは見張りを頑張ります」

「まあ、程々に頑張ってね」


 リコリスが目を覚まして少したってから東と舞も起きてきた。

 無限収納インベントリから朝食を取り出して朝をすませると馭者が出発すると声を掛けてきた。

 護衛の順番や組み合わせを変えながら連携の確認をして進んでいった。

 今日は魔物に出会うことなく休憩地点に着いた。


「なあ涼、魔物が出てこないとかなんか変じゃないか?」

「そう言うこと言うと変なフラグが立つから言わなかったのに、何で言うの?」

「現実にフラグなんてあるわけないだろ、何言ってんだ」


 別に実際にフラグがあるかどうかなんて関係ない。

 普通は魔物が出てこないにしても見かけたり気配を感じることはあるはずだ。

 だがそれらがないということは何かがあったということだ。


「東、何かあったときはフラグを立てた責任として、舞とリコリスを守ってね」

「別に言われなくても守るさ。それと何か起こっても別に俺のせいじゃないだろ!」

「はいはい、そう言うことにしといてあげる」


 東が不満そうだったが、まぁ知ったこっちゃない。

 それから夕飯を済ませ見張りをする。

 今日はリコリスが見張りをできるように、僕とリコリスが先になった。


「今日こそは寝ないで見張りを頑張ります!」

「夜に大きな声を出すと魔物が寄ってくることがあるから気を付けてね」

「えぇ、そうなんですか。すいません気を付けます」

 リコリスは申し訳なさそうに声量を下げて謝ってきた。


「逆に大きな声を聞いて避ける魔物もいるからね」

「如何すればいいんですか!」

 真逆のことを言ったせいか少し怒った表情をしていた。

 こんな感じで少しづつ色々な表情を見せるようになってきた、多分リコリスが馴染んできた証拠だ。


「どっちの方が良いか分からないけど、他の人が寝てるから静かにした方が良いかな」

「うぅ~分かりました」

 何か不満そうに、頬を膨らませながら、納得してくれた。

 膨らませた頬を突こうと一瞬思ったが、止めておいた。


 おそらく、初めから最後の理由を言わなかったから少し嫌われたかもしれないが、リコリスが今までに見せなかった表情を見せてくれたから何も問題はない。


「ねぇ、リョウさんはなんで冒険者になったの?」

「何でって言われても、お金を稼ぐ方法が他にはなかったからかな」

「何でなかったんですか」


「他にできることもなかったし、それにこの世界のことを知らなかったからかな」

「っえ、この世界ってどういうことですか」

「それは僕達三人が異世界から来たってことだけど」


 本当だったらこのことは、誰にも言わない方が良いんだろうけど、この先のことを考えると、リコリスにはこれから何をするかなども、知ってもらった方が良さそうだ。

 異世界と言う単語を聞いて戸惑っているリコリスに、まだアヴェリティアにも言ってないことを話す。


 リコリスは僕の話が終わるまで何度も驚きながらも、最後まで聞いていた。


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