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初投稿です。
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受験を終え、春になり、今日は高校の入学式だ。
高校に上がったからと言って中学の時と大して違いがない。
入学式は校長達教師の無駄に長い話等は寝ている間に終わっていた。 隣の人が
起こしてくれなかったら一人だけ退場せずに目立つ所だった。 入学式でずっと寝てたんだから既に目立っているだろって、そんなことは知らん。
欠伸をしながら教室に行くと、早速自己紹介が始まる。
適当に聞き流していると自分の番になった。
「えーっと、坂部涼です。 これからよろしくお願いします。」
無難?な感じに自己紹介を終わらせて残りの自己紹介も聞き流し、教師の話も聞き流して放課後になるまで待つ。
放課後になり一人でさっさと帰ろうとすると下駄箱で声をかけられた。
「涼、今朝一緒に帰ろうって約束したのに勝手に一人で帰ろうとするなよ。」
話しかけてきたのは藤城東、幼馴染その一だ。
運動神経は上の中で勉強は上の下、社交性も高くクラスの中心にいるタイプの人間だ。 顔も良く気付かいが出来るのでモテる。
「東、お前が一方的言っただけだろ。」
「別にいいだろ、一緒に帰ろうぜ。」
「じゃあ早くしろ。」
先に行こうとすると東が焦ったように止めて来る。
「ちょっと待て舞がまだ来てないだろ。」
工藤舞、幼馴染その二。
運動神経は中の上で勉強は上の下、此方も社交性は高くクラスの中心にいるタイプの人間だ。 因みに此方もモテる。
「遅い舞が悪い、という事にして帰ってもいいか。」
「後で絶対に怒られるぞ。」
「それはお前がどうにかしてくれ、僕はすぐに帰りたい。」
「今教室から出てきたのが見えたからあと少しだけ待てって。」
此処で帰った事が舞に知られたら明日にでも文句を言われそうだ。
それは出来る限り避けたいので舞が来るまで少し待ち三人で一緒に下校する。
中学生の頃も良く三人で下校していたのでもう慣れたがこの二人と一緒に居ると目立って仕方が無い。
できる限り目立たずに過ごしたいがこの二人は僕の気持ちには気づかずに小学生の頃から話しかけてくるのだ。
そのせいでクラスのメイングループの人達からは何であんな奴が二人と仲良くしてるんだと思われていた。
自意識過剰等では無く実際にそういった手紙が机の中に入れられていた事が有ったのだ。
二人に気付かれるのを避けてか直接的ないじめ等は無かったが班行動等をしなければいけない時は他の班員からのちょっとした嫌がらせなどは有った。
そしてその事に二人は気付く気配も無く今日も話しかけて来る。
「涼は如何して何時も先に帰ろうとするの?」
「舞が遅いからだろ。」
何時も通りの返しをすると、舞は何時も通り拗ねる。
そうやって何時も通り三人で下校していると足元に魔法陣が現れ、それに気付いた時には僕達三人はこの世界から姿を消していた。