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音楽

昨日の続きね。



ショッピングセンターからの帰り、高速道路を走るプリ○ス車内に一瞬流れた妙な空気。

それはあの時カーラジオから流れてきた音楽が原因だと気づいたの。


リスナーからのリクエストに応えパーソナリティがかけた人気アイドルグループの少し前の曲。


そう、あれは五年くらい前のヒット曲だった。

夫くんとA子さんが付き合っていた五年前の。(ググったらやっぱりそうだった)


きっとその曲をきっかけに夫くんとA子さんは共に過ごした時間を思い出していた。

もしかしたらその曲になにか強烈な思い出があったのかもしれない。


あの時、あの車内で私だけがその思い出に参加していなかった。


だから妙な空気…疎外感みたいなのを感じたんだ…




真夜中のベッドで、それに気づいて私は思った。

私どーゆー場面に立ち会わされてたんだ?


アホらし。


とりあえず私は隣でぐっすり寝ている夫くんに背を向けた。




も、世間体も、夫くんへの感謝も、私がこの部屋を出たら夫くんとA子さんが二人っきりになっちゃうとかいう焦燥も、全て捨てて実家に帰ろうかと思った。


いや、捨ててないから今こうして部屋で夫くんの帰り待ってんだけどさ。


でも今日の昼間、よくワンコ先輩と一泊の温泉旅行に行くときに持っていった小ぶりのキャリーケースに通帳や印鑑、厚生年金手帳、パスポート、着替え一セットは詰め込んだ。


あ、ワンコ先輩と言えば…

今年の先輩へのお誕生日プレゼントはLU○Hのバスボムと石鹸のセットにしました。


はは、どーでもいいか、今はそんなこと…




A子さんは昨日も今日も仕事に行きました。

はい。

なので昼間は清々過ごせるようになりました。

A子さんの存在感は私の中で益々大きくなってるけどね。




夫くんは今週も忙しいらしく、今日もまだ帰って来ていません。


この忙しさの先には一ヶ月くらいのベトナム出張が待ってるみたい。


一人リビングで過ごす私の耳に廊下でぽそぽそ話すA子さんの声が聞こえてきています。

A子さんはここ、二、三日、よく電話するようになった。


誰と何を話してるんだろう…


まっ、どーでもいいけどね、そんなこと。

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