僕の決意
いろいろと遅れてすみませm(_ _)m
やっと前半部分が終わるってところですかね。(つかこれ、ストーリーまとまるのかな?)
まぁ、頑張って自分で広げた玩具ぐらいは片付けてみせますw
感想や罵倒、意見などがありましたらドシドシお願いします!
では、いい夢を
「僕はルナを守りたいです」
僕の眼は真剣そのものだった。目の前にいる小さな少女の首を獲るだの兵器として使うだのそんなことは臆病な僕にできる話ではない。
ならば何ができるだろうか。僕は僕なりに僕に問いかけ全力で考えた。それで出た答えだ。
店の中に一瞬静かな沈黙が生まれた。僕と店長は狭い空間の中で睨み合っていた。
ブッ!店長はまるでにらめっこに負けたかのように笑い出した。
「ちょっと店長!笑わないで下さいよ!僕は真剣なんですよ!」
「いや、それにしてもいきなりロリコン発言は誰だって笑うよ」
「ロリコンって………!?いや!そういう意味じゃないですよ!」
「ロリコンじゃないって、いきなり『僕がルナを守る』っていうやつのどこがロリコンじゃないって言うのよ」
店長はある程度笑い終わると細かった眼を見開き僕を睨みつけた。
「で、あの子を守ると………」
「………はい」
僕は重い言葉を重い返事で返した。
「あの子はS級の討伐対象だよ。理解してる?」
「…………はい」
「ほんとに?大魔導師級や聖騎士っていった化け物どもがうようよくるよぉ」
「覚悟の上です。でなければあの吸血鬼は殺せませんから。それに……」
僕は下を向き、少し照れた顔で気持ちを固めるとまた真面目な顔で言葉を続けた。
「せっかくハヤミさんと店長……クロネコ隊に助けて貰った命なんだ。どーせなら守る方に使いたい」
それが僕の本心。それが僕の答えだった。
店長は右手で頭の後ろをかきながらにっこり笑いながら聞いていた。そして右腕をブルンブルン回転させると、僕に向かって猫パンチをしてきた。
スドッ!僕はまた思いっきり吹っ飛ばされ、店の外の電柱にぶつかった。
「いったぁぃ。何するんですか!」
「うっさい!バーカバーカ!バカロリコン!」
「バカロリコンって……だから僕はロリコンじゃありませんって!」
「うっさい!ロリコンめ!」
店長はさっきまでの重い犯罪者のような顔はどこいったのかと思わせるぐらいの笑顔で僕のことをからかっていた。
僕は地面に引っ付いた腰をゆっくりあげるとまた、店の入り口まで戻っていった。
まだ、月が明るい。僕は「まだ夜なんだな」と感じながら入り口でとどまっているとハヤミさんが僕の肩をぽんと叩いた。
「コータローくん」
「はい?」
ハヤミさんは疲れ果てて寝ているルナを撫でている店長に目をやりながらゆっくりと呟いた。
「復讐は……そんな簡単なもんじゃないよ」
「…………はい」
僕が一言返事を出すとハヤミさんは笑顔で「よろしい」といい一緒に店の中へと戻っていった。そしてその言葉は鉛のように重くて臭いものだということにまだ淡い僕は気づいてなかった。
「それでカザリちゃん。ほんとにdust Childrenを庇うのかい?連盟とかソロモンとかは大丈夫だとは言い切れないんだけど」
「あーえーんー、いいじゃない?まぁ殺るなら今が一番いいタイミングだけどあのバカが『やる』っていったことだからね。それに今更、罪のこと考えたって1000が1001になるぐらいのスケールだしね」
店長は笑いながら寝ているルナの頭を撫でていると「さて」と呟き僕の顔を見た。
「守る者が見つかったなら、それ相当の力をつけとかないとね。ねぇパパ昨日魔導連盟から来てた討伐任務、承諾しといて」
ハヤミさんは小さく頷くとそのまま夜の世界へと出ていった。
「店長、討伐任務って………」
夜のせいだからだろうか。身体全身を寒気という寒気が全力疾走した気がした。
しかし店長の顔は笑顔のまま僕に向かって
「明日、20時集合ね」
といってきた。
「無理!無理ですよ!だって僕の明日も入れたら4日連続で戦闘ですよ!?それに今日のおかげで怪我も尋常じゃないし。無理です!いけません!」
「何を言ってるのよ。もともと今日は休日なんだし。それを台無しにしたのは自分でしょ。おまけに私たちにまで出勤させて。その罰と思いなさい」
「でも!」
悪いのはあの狂った都市伝説ですよ!と言い訳をしようとしたが店長の目がそれを許さなかった。
僕は店長のいいなりになるように明日のバイトを入れ、肩を落としながら自分の部屋に戻ろうとした。すると、ふと気になったことが見つかったので僕は店長に尋ねていた。
「そーいえばルナは何処で寝るんですか?」
「一応、わたしの部屋だけど……」
「え!いや、なんとなく」
僕はそういうとまるでその場を逃げるように店の奥にある階段を登り自分の部屋に戻った。そして、0時を回っている時計の針が見えるとシャワーを浴びないで寝ることを決意した。
僕は汗と血塗れの服を専用の洗濯籠な中に突っ込むとタンスから寝巻きを取り出し、それを身体に被せそのままベットに突っ込んでいった。
僕はベットの中でふと考え事をしていた。
都市伝説……あれは一体なんだったのだろうか。それに僕が夢の住人って……。
考えれば考えるほど自分が自分じゃなくなっていき、この世界がまるで嘘偽りで出来ているのではないかと考えてしまう。
そもそも自分とはなんなのだろうか……この世界だって『偽りじゃない』という保証や確信なんかは何処を探したって見つかりやしないだろう。同じように自分が『夢の住人』でない証拠がない。親に聞けば答えてくれるだろうが、その親さえこの世に存在していない。答えが虚にある回答を僕はどのように導けばいいのだろうか。そもそも論、導く必要があるのだろうか。僕にはもうやるべきこと、やらなくてはいけないことが見つかった。それは僕が何者だろうと化け物だろうと必ず成し遂げなければいけない。
今の僕が化け物だろうと構わない。
ただ、目的が果たせればそれでいいのだ。
僕はそう呟くと布団を頭に完璧に被せた。
そして、僕はまるで息をひきとるように深い眠りについていった。
明日から地獄が始まるというのに気づかずに………。
夜空はまだ黒い。月はまだ僕らを嘲笑っている。
それは本当にこの世界が虚で出来ている証拠のように輝きを発している。
まぁ、世界とはそんなもんだ。